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2011年2月 6日 (日)

ウォール・ストリート

映画「ウォール・ストリート」(『こちら』)を見てきました。

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私はあらかじめ月刊誌『GQ』(『こちら』)で、

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映画の紹介とオリバー・ストーン監督へのインタビュー記事などを読んでいました。

したがって映画の内容はなんとなく予想がつきました。

この映画の難しさ。

それは、1987年12月公開の『ウォール街』では、監督の意図に反し、強欲な投資家である、マイケル・ダグラス演じるゴードン・ゲッコーがヒーローとなってしまった、そんなところにもあるようです。

いわば監督の意図に反する形で、観客によって(本来であれば悪役になるはずの)ゲッコーがヒーローになってしまった・・。

ゲッコーが法を破っているにもかかわらず、あのようにリッチになりたい、実際に経済活動の主役に躍り出てみたい・・。第1作を見てそう思った人も多かったとストーン監督はインタビューで語っています。

さてそれではいったい今回はゲッコーをどう描くか。あるいは観客は今回のゲッコーがどうあって欲しいと望んでいるのか。そして社会派監督のオリバー・ストーンは観客とどう折り合いをつけようと考えるのか・・。

このような難しさの中でこの映画は製作されていったわけです。

そして、さすがオリバー・ストーン監督。今回の作品も観客の期待を裏切らない作品に仕上がっています。

しかし私はやはり1987年公開の『ウォール街』の方が好きでした。

なお今回の映画にもチャーリー・シーンが演じるバド・フォックス(1987年公開の『ウォール街』のもう一人の主人公)が、(ほんのチョッとだけですが)登場したりします。

これ以上はネタバレになってしまうので書くのは控えますが、1987年というとなんと24年前。

私自身はというと興銀のシカゴでの駐在を終え、日本に帰ってきたばかりの頃でした。

いろんな意味で時の流れを感じます。

なお1987年公開の『ウォール街』の方については2年ほど前にこのブログで書いたことがあります。『こちら』です。

     

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コメント

岩崎さんの「M&A新世紀」に出会いをきっかけに金融界に興味を持ち、つい先日、「ウォール街(87年版)」をレンタルして初めて観ました(夢中になって夜中に2回も観てしまいました・・・)。見終わった後は、ゲッコーの口調を真似したくなりました(笑) お気に入りの映画が1つ増えました。岩崎さんありがとうございました。 そして、パートⅡが劇場公開。タイミング最高です! 24年前、私は短パン&ランドセルの小学生でした・・・

追伸:義務教育で、お金や経済を教わりたかった。

投稿: えいとまん | 2011年2月 6日 (日) 20時34分

私も今日観ました。
今回は不況の中作ったせいなのか
「やり直せばいいじゃないか」
と監督が言いたいのかな・・・
とも思いました。
だから最後は納得のいかない終わり方だったのかな・・・と

でも日本は、再雇用・再チャレンジが難しいんだよなぁとも考えてしまいました

投稿: 名前が茄子 | 2011年2月 6日 (日) 23時00分

24年間の間に金融の世界が複雑になり過ぎてしまったのでしょうか。

今回は「こういったシチュエーションはないよな・・」といったように思えてしまうような、ややリアリティに欠ける部分があったように感じました。

また字幕の和訳も(私の勘違いでなければ)ブルームバーグの端末をニューヨーク市長(もちろん市長はこの事業で成功して政治資金を得て市長にまで上り詰めたのですが・・)と訳していたとか、いくつか正確でなかったところがあったように思いました。

またファンドのサイズが$100 million (82億円)では通常は当初からあの規模のオペレーションにすることはないだろう(もちろん例外もあるのでしょうが・・)とか、細かいところも気になりました。

それに比べれば24年前はもっとシンプルに楽しめました。

やはり時代の変化なのでしょうね・・。

投稿: 岩崎 | 2011年2月 6日 (日) 23時26分

本日の日経新聞に奥山清行さんのインタビューが掲載されていましたね。
自ら切り開いていく力、変化することを受入れ柔軟に対応することを改めて認識しました。それにしてもストレートで本質を抉る指摘だと思いました。

投稿: コジコジ | 2011年2月 7日 (月) 20時24分

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