三原淳雄さんを悼む
経済評論家として長きにわたり活躍されてきた三原淳雄さんが今朝亡くなりました。
73歳でした。(2月14日のバレンタイン・デーが誕生日とのことでしたのであと少しで74歳になるところでした)。
三原さんというと忘れられないのがあの屈託の無い笑顔です。
「僕は小学生の時に満州でソ連兵に銃口を突き付けられた。だからたいていのことには驚かない」
三原さんはよくそうおっしゃっておられました。
そして各方面からの圧力に屈することもなく生涯にわたって公平無私な評論活動を貫き通されました。
私と三原さんとを引き合わせてくれたのは、私が書いた「サバイバルとしての金融」という本です。
はじめてお会いした時、
「岩崎さんですか。 やあ、いい本を書かれましたな」
とおっしゃって下さいました。
当時三原さんは日経CNBCで生島ヒロシさんとともに「三原・生島のマーケットトーク」という番組に毎週出演されておられました。
三原さんは「一度私の番組にゲストとして出てみませんか」と誘って下さいました。 2005年9月のことです。
「大阪経済大学の大学院で講師をしてみませんか」と誘って下さったのも三原さんです。
これから先もまだまだ一緒に仕事を出来るものと楽しみにしていただけに残念でなりません。
「岩崎さん、私はいつ死んでも悔いは残らないんですよ。なぜならばこれがあるから・・」
あるとき私が三原さんの事務所を訪れた際にこう語った三原さんのことも思い出されます。
「これがあるから・・」と言って三原さんが指し示してくれたのはご自分が書かれた本がずらりと並んだ本棚でした。
三原さんのホームページに行くとこれらの本をすべて知ることが出来ます。
1979年から30年以上にわたって三原さんが書いてきた本がずらり出てくるからです(『こちら』)。
その数94冊。
市場の素晴らしさ、そして市場の怖さ・・・そういった市場のさまざまな側面を知り尽くした三原さんをこの時期に失うというのはいまの日本のマーケットにとっても大きな損失です。
そして何よりも73歳というのはあまりにも早すぎました。
三原さん、どうか安らかにお休みください。
謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
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