インサイド・ジョブ
2月27日に発表された第83回アカデミー賞(『こちら』)で長編ドキュメンタリー映画賞[Documentary (Feature)] を受賞したのが『インサイド・ジョブ』。
2008年のリーマンショックに至る過程に迫ったもので金融関係者必見の映画と言えます。
私は飛行機の中で見ましたが、残念ながら日本での公開は今のところ予定がないようです。
ただ『こちら』の予告編(トレーラー)でおおよその内容を知ることができます(2分20秒です)。
映画のナレーションは俳優のマット・デイモン。
監督は政治学者(Ph.D 政治学、MIT)でもあるチャールズ・ファーガソン(『こちら』)。
内容的にはやや一面的に偏っているきらいもありますが、アメリカの金融界が抱える問題を鋭く突いています。
細部についても、一例としてCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)は保険とは違う、たとえばビルの火災保険であれば、保険会社はたとえビルが全損となってもビルの価値以上のリスクを負わないが、CDSでは購入者は対象債権の保有者である必要がない、したがって、ある債権に対して何重ものCDSが設定されうる(損失がうなぎ登りになりうる)(『こちら』)―
こういった点について、丁寧な説明がなされています。
リーマンショックについてはNHKスペシャルなどでも何回か特集を組んでいました(『こちら』)が、
これらに比べれると『インサイド・ジョブ』は、はるかに秀逸な出来ばえとなっています
(そういった意味では経済関係の記者の方などマスコミ関係者などにもぜひ観ていただきたい映画です)。
この映画はすでに DVD化 されていて(ただし、リージョン1ですので日本での再生には注意)、ブルーレイ も 『こちら』 で購入することが出来るようです(英語字幕は有りますが、日本語字幕はない模様)。
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