根岸製油所稼働開始
JX日鉱日石エネルギーの根岸製油所が今日から稼働開始しました(『こちら』)。
首都圏にあるこの製油所(270千bbl/day)は、東燃ゼネラル石油の川崎製油所(335千bbl/day)とともに、もともとガソリンを作るのが得意な製油所です。
【製油所は、FCCなどの設備能力状況やコンビナート内の各社との関係などによって、生産する石油製品の比率が各々違います。
ガソリンを作るのが得意な製油所、ナフサやC重油などの生産比率が(他の製油所に比し)相対的に高い製油所、重たい原油を処理するのが得意な製油所など、それぞれ特徴がありますが、根岸や川崎はもともとガソリンの生産が得意な製油所です】
以下は少し古い(2010年3月現在)地図ですが、石油連盟が発表(『こちら』)している日本の製油所一覧です。なお下記の地図はクリックすると大きくなります。
今回の一時的なガソリン不足は、東燃ゼネラル石油の川崎製油所(335千bbl/day)とJX日鉱日石エネルギーの根岸製油所(270千bbl/day)が、設備の点検作業のために一時的に稼働を停止していたことの影響が大きいと言えます。
以下の表は震災による製油所の稼働体制への影響をまとめたものです(詳細は『こちら』、なお下表はクリックすると大きくなります)。
このうち、極東の千葉はすでに16日付にて稼働開始、東燃ゼネラルの川崎はすでに完全復旧し、ガソリン生産量は震災前と同レベルに戻っています(『こちら』)。
これに加えてJX日鉱日石エネルギーの根岸製油所が今日から稼働開始したことから、原油処理能力は震災前の原油処理量の99%のレベルにまで回復しつつあります。
特にガソリン生産量の多い川崎、根岸両製油所の再稼働によって、日本全体のガソリン需要はすでに十分まかなえるレベルに達していると思われます。
被災地は別にして、首都圏の人たちが、今この段階でガソリンスタンドの前で何時間も列を作ってクルマを満タンにしておく必要はないと思います。
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