失敗学と非属
昨日読んだ『非属の才能』(山田玲司著、光文社新書)。
10代後半から20代の方にお勧めの本ですが、私のような世代の人間にもところどころ大切に思えるページがありました。
幾つか引用してみます(以下、青字部分はすべてこの本からの引用です)。
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『「新しいことにチャレンジすれば、結果は必ず〝失敗″である」
東京大学名誉教授の畑村洋太郎氏は、大学で工学系の失敗を数多く見てきた経験から、「失敗学」なる学問をはじめた人物だ。
(畑村洋太郎著『失敗学のすすめ』)
畑村氏は、「いつも成功してますって奴がいたら、そいつは新しいことをやんない奴だ」と言う。・・・・
エジソンが、1万回の実験失敗に対して、「1万回うまくゆかない方法を見つけたのだ」と言ったように、失敗は「この方向にいくとダメになる」という重要な教訓をもたらしてくれる』
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『あの手塚治虫でさえ、ヒット作の打率は二割に及ばなかったという。
アトムやブラック・ジャックやジャングル大帝の陰に、おびただしい数の報われない作品があるのだ』
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『手塚治虫の未完の名作『火の鳥』は連載当時なかなか人気が出ず、水木しげるの代表作『ゲゲゲの鬼太郎』第一話の人気投票は最下位だった。・・・
黒澤明は「もうあんたは古い」と映画を撮らせてもらえなかった時期に自殺未遂まではかっているが、ジョージ・ルーカスたちの支援でチャンスをもらうと、すぐに名作『影武者』を撮った』
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コメント
岩崎さん初めまして。金融に興味がある大学生Kと申します。投資銀行についてお聞きしたいのですが、外資系の投資銀行においては学歴はどれくらい重視されるんでしょうか?今現在私は京都大学経済学部に在学中ですが、いろいろと事情があり卒業は諦めています。大学中退で投資銀行を目指すというのはほとんど不可能なことなんでしょうか?
。。。。。。。コメント欄に質問を書いて申し訳ないですが、よろしければお暇なとき教えていただければ幸いです。もし気分を害されましたらお気になされずに消去してください。では、失礼しますm(._.*)mペコッ
投稿: 大学生K | 2011年5月23日 (月) 02時21分
大学生K様
あくまでも一般論で、これ(下記↓)と違う例もたくさんあると思うのですが・・。
投資銀行の採用では(1)人事部(HR)が形式的基準をチェックしたり、採用に関する事務を担当します。通常、日本のHRはニューヨークなどのグローバルなHR部門の指揮下にあります。
(2)どの人を採用するかは現場(投資銀行部、債券部、株式部など)で決めます。現場はそれぞれニューヨークなどの現場のヘッド(たとえば株式部であれば株式のグローバル本部)の指揮下にありますが、誰を採用するかは通常日本サイドに任されています。(採用人数などは通常ニューヨークと相談します)。
さて大学生Kさんの場合は、大学を卒業しないと(1)の基準に引っかかってしまう恐れがあります。
(1)がクリアできれば、(2)の面接では、卒業を諦めざるをなくなった事情をきちんと説明できれば、私だったら問題とせず(潜在的な力があることが分かれば)採用します。
問題は(1)の基準なので、各社が発表している募集要項をよく見てみる必要があります。ここで『卒業ないし卒業見込みの人』と明記されていると(1)の段階で形式基準未達となり(2)の面接に回って来ない場合が多いと思います。
なお私が書いた『投資銀行』という本に投資銀行の採用に関してある程度の情報(ただし(2)の部分ですが)を載せています。
投稿: 岩崎 | 2011年5月23日 (月) 08時11分