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2011年5月 8日 (日)

市場を牽引するもの

日経平均が 18,300 円(2007年2月)とか、18,297 円(2007年6月)をつけていた時。

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     (日経平均2001~2011年)

市場を牽していたのはトヨタでありキヤノンでした。

たとえばトヨタの営業利益は、

2005年度(2006年3月末期)で、1.9兆円、

06年度(07年3月末期)で、2.2兆円、

07年度(08年3月末期)で、2.3兆円。

3年続けてこのようなパフォーマンスを上げたものでしたから、

市場はトヨタを「営業利益2兆円は期待できる会社」と評価。

時価総額も一時30兆円をつけていました(07年2月)。

30兆円という時価総額(株価8,300円)は、トヨタがその年に上げた営業利益 2.2 兆円の13~14年分ですから、まぁ、妥当な水準であったわけです。

ちなみにトヨタの2011年3月末期の営業利益見通しは5,500億円。現在つけているトヨタの時価総額は11兆円であり、今期予想営業利益の20年分。

市場は 「トヨタの業績はまだまだ回復過程にある、少なくとも営業利益1兆円くらいは比較的早い段階で期待できる」 と見ており、だからこそ現在の株価 3,200 円がついていると考えることが出来ます。

話を前に戻しましょう。

2006年や2007年に日本経済を牽引したトヨタやキヤノンのような役割を、今の日本ではどの企業が担っているのでしょうか。

現在、時価総額トップ10を1位から順に並べてみると、トヨタ、ドコモ、ホンダ、三菱UFJ、NTT、キヤノン、三菱商事、三井住友、ソフトバンク、日産となります(5月6日現在)。

これらの会社に2006~07年期のトヨタやキヤノンのような活躍が期待できるのかどうか。

ひるがえって米国の場合はどうでしょう。

ダウ平均株価は昨年1年間で11%上昇し、リーマンショック前の水準を上回りました(2010年11月4日、11,434ドル)。現在はこの水準よりさらに1割強も上昇していて、12,638ドルのレベルにあります。

      Dow

       (ダウ平均株価推移)

市場では、「バーナンキのQE2がうまく機能してきた」とかいろいろなことが言われてきていますが、ダウ平均株価を構成する30社の業績が良いことも見逃せません。

個別の会社の株価をまず見てみましょう。

たとえばIBM。

Ibm

      (IBMの株価推移)

あるいはキャタピラー。

Catapilar

     (キャタピラーの株価推移)

ハンバーグのマクドナルドはどうでしょう。

Mcdonald    

     (マクドナルドの株価推移)

これら3社はいずれもダウ平均株価を構成する30社の1つですが、新興国の需要も着実に取り込み業績をのばしています。そして株価も最高水準を更新し続けてきています。

さらに米国ではFacebook や Twitter のように、設立(Facebook 2004年、Twitter 2006年)後まだ数年しか経っていないにもかかわらず、すでに世界で6億人(Facebook)とか2億人(Twitter)のユーザーを獲得(『こちら』)している会社も出現しています。

しかもこれらの会社は株式市場が渇望しているにもかかわらず未だ上場さえしていません。

政府部門の肥大化を防ぎ、民間の力を最大限に発揮させる―こう叫んでいた小泉政権(2001年4月~2006年9月)が終わりを告げてから5年が過ぎようとしています。

現在の日本でも、新興国の需要・成長を取り込み、日本経済を牽引する企業の出現が期待されるのですが、さて・・。

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