軽減税率
昨晩は、ある勉強会で高橋洋一さんの話を聞きました。
「そんな時間があるなら、はやく原稿を送ってください」と、A社の編集長に叱られそうですが・・・(スミマセン)。
さて以下は高橋さんの話のポイント:
1)国債の日銀引き受け
国債の日銀引き受けは実は毎年行われている。ただし財政法5条但し書きの枠内で。
平成23年度予算総則第5条でも「日銀の保有する公債の借換えのために必要な金額」であれば日銀引き受けを認めている。
日銀が保有している国債の今年度償還額は30兆円。
このうち12兆円が今年度予定されている日銀引き受け額。
すなわちこのままでは日銀が市場から18兆円吸い上げてしまうような効果が出てしまい、通貨収縮・デフレ・円高効果。
この時期にこんなことはしないで、追加18兆円分も引き受ければ、この18兆円は復興財源にも使える。
2)国債整理基金
さらに国債整理基金10兆円がある。これは来年の国債の償還のために今年用意している財源であるが、こういったことは海外では行われていない。
この基金を取り崩すと「国債の信認に影響する」と政府は言うが、実は過去に11回もやられている。
今回、これを取り崩せば、プラス10兆で、先の18兆と合わせ28兆円。
もはや復興財源名目での増税は必要ない。
3)課税平準化の理論
経済学(財政学)の考えでは100年に1回の災害は100年債で対応し、課税は100年間に分割。
現在の世代で幅広く負担するのではなくて、幅広い世代にまたがって負担していくべき。
4)軽減税率
消費税を20%に上げると、一部の業界では「軽減税率を適用させてあげましょう」ということになる。
すなわち役所の権限が増す。
たとえば新聞購読料については軽減税率が適用されるようであり、他の媒体が20%の消費税のところ新聞だけが5%なら相対的に新聞有利となる。
大手新聞がこぞって消費税賛成なのもこういった事情があるかもしれない。
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役所というのは、どんなことがあっても着実に権限を増やしていこうとするのかもしれません。
その結果が日本の国力減退であるというのは、国際会議に出ている日本の役人が実のところ一番肌で感じ取っているのではないでしょうか。
日本はIMFに対して、米国に次ぐ資金を出しており、米国に次ぐ投票権(voting power)を持っています(『こちら』や『こちら』)。
にもかかわらず今回の専務理事選出に際しては候補に名前さえ上がりませんでした。