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2011年7月30日 (土)

食品の匂いと異臭

今月の勉啓塾は「食品の匂いと異臭」について。

      Photo

大和製罐㈱ 総合研究所 の加藤所長とワイ・エム・ピー・インターナショナルの渡辺所長を講師に迎えしました。

二人は『食品の匂いと異臭』という本を共著しています。

講演のサブタイトルは「我々は毎日ppm(100万分の1)、ppb(10億分の1)、ppt(1兆分の1)のにおい世界を体験しています」というもの。

世の中にはほんのごく微量でも感じられる臭いがあります。

その昔、製罐会社各社は製造した罐の運送工程で木のパレットを使っていたことがあり、このため罐の内側ににおいを出す物質が付着してしまった・・

その結果、ビールがにおうというクレームがビール会社に寄せられ、ビール会社は製品を回収、最終的に製罐会社が巨額の費用負担をする羽目に陥った・・・

私の記憶の及ぶ範囲では、こういった事件がその昔あったことはちょっと思い出せないのですが、以降 大和製罐㈱ では総合研究所 で匂いの研究をすることになったとのことです。

勉啓塾の講演会では講師の方々が数多くの小瓶を持参。

その中に詰められたにおいを順番に嗅いでいくことも行われました。

コーヒーも会場に持ち込まれていました。

講師の加藤さんが「みなさん、コーヒーを飲んでみてください」と言います。

コーヒーの香り、そしてコーヒーの味が口のなかに広がります。

「今度は鼻を手で押さえてコーヒーを飲んでみてください」

手で鼻をしっかりふさいでますので香りはしません。

味は・・?

というと、さっきのコーヒーの味もしない!

液体を飲んでいるという感覚しかありません。

「コーヒーの香りは、焙煎したコーヒー豆が持っている物質そのものの一部が空気中に飛び出し、皆さんの鼻の中に入り、その物質がキャッチされているのです」

と加藤さん。

「またコーヒーの味とは、実は香りです。味覚はそもそも塩味、甘味、苦味、酸味、旨味の5つしかありません」

実験はさらに続きます(注:みなさんも簡単に出来ることですのでやってみてください)。

「手で鼻をしっかりふさいでコーヒーを飲んでみてください。そしてコーヒーを飲み終わったところで手を放してみてください」

さっきと同じで香りはしません。コ―ヒーの味もしない。しかし手を放した瞬間、コーヒーの味がしてきます!

「そうです、喉から上がってきた物質が鼻の奥に到達して、コーヒーの味となって認識されるのです。このように味とは実は鼻の奥で感じる匂いであることが多いのです」

加藤さんの説明に思わず納得。

このほかにもいろいろなことを知りました。

たとえばペットボトルはたとえ封がしてあって開ける前でも、においが混入していく。したがってナフタリンなどの匂いのする納戸で長期間保存しておくと、納戸の匂いが混入する場合があるとか・・

目薬が墨汁のような匂いがするのはなぜか、などなど。

たとえば目薬の匂いの件については、『こちら』ワイ・エム・ピー・インターナショナルによる、化学式(下図)つきの面白い記事があり、要領よく説明されています。

なお加藤さんは工業化学科の卒業。渡辺さんは応用化学専攻の修士。我々が普段それほど意識することのない臭いの世界にも化学者たちは鋭く切り込んでいきます。

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        (AnalyzejNetのウェブサイトより)

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2011年7月28日 (木)

降れば土砂降り

英語で良く使われる表現に When it rains it pours (降れば土砂降り) というのがあります。

「悪いことは重なる」、「泣きっ面に蜂」に近い表現です。

もっとも悪い意味にだけ使われるとは限りません。

雨が長い間降らなかった後では、土砂降りになりがちということで、

「いざ起こるとなると、大規模に集中的に起こる」という意味合いで、良い場合にも悪い場合にも使います。

* * * * *

アメリカに住んでおられた方は食塩のパッケージにこの言葉が使われているのに気付かれたと思います。

アメリカで食塩と言えばモートン社の食塩。

モートン社では 1914年からずっとこの宣伝文句を使い続けています。

それより以前には、食塩は湿気の強い気候のときなどに水分を吸いこんで固まってしまうことがよくありました。

食卓で塩を降りかけようとしてもなかなか容器から出てこない、こういったことが頻繁にあったのです。

それがモートン社の塩なら、どんな時でもさらさらかかりますよ、ということを強調して、この宣伝文句が使われてきたのです。

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実はモートン社では、最初は "Even in rainy weather, it flows freely"(雨の日でもこの塩はさらさらとかかりますよ)といった宣伝文句にしようと考えていました。

しかしそれでは長いし、インパクトに乏しい。

ということで昔からの慣用句、 When it rains it pours (降れば土砂降り) を使うことにしたとのことです。

* * * * *

私はシカゴ駐在員時代、この会社を何度か訪問したことがあります。

この会社は1982年にThiokol社と合併して、Morton Thiokol Incorporated と呼ばれていました。

Thiokolといえばロケットやミサイルの推進システムの会社。スペース・シャトルのブースターの設計・製造・保守に関与していました。

当時、Morton Thiokol は、優れた会社として経済界でも高く評価されていましたが、

1986年、チャレンジャー号が爆発を起こすと、状況は一変。一気に批判の矢面に立たされました。

その結果、1989年にはMorton社と Thiokol社は分離。

結局、両社の合併は7年しか続きませんでした。

爆発事故の後、スペースシャトルは1988年のディスカバリー 号によって飛行再開がなされました。

そしてそれから22年、今月(2011年7月)21日、最後のシャトル「アトランティス」がケネディー宇宙センターに帰還してきました。

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2011年7月27日 (水)

新刊JPニュース

「マネー大激震」新刊JPニュースで紹介されていましたので、ご案内します。

『こちら』 の頁です。

また新刊ラジオでも取り上げられています。

                Jp_2
『こちら』 をクリックして「ラジオを聴く」のボタンを押します。

ラジオ放送(ポッドキャスト)をあなたのPCで聴くことが出来ます。(無料で特別な手続きもなく簡単に聴くことができます)。

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2011年7月26日 (火)

ウォートンの36%、ハーバードの24%は外国人

インドに行ったときにホテルでテレビを見ていたら「アメリカの大学に来なさい」とのCMが流れていました。

アメリカ政府がスポンサーとなっていたCMです。

一人でも多くの優秀なインド人にアメリカに留学にきてほしいというアメリカの「国家戦略」に基づくCMです。

フィナンシャルタイムス紙の記事(2011年7月25日付、『こちら』)によると、

いまやペンシルバニア大学・ビジネススクール(ウォートン)の36%、

ハーバード・ビジネススクールの24%が外国人

とのことです(Class of 2013、今年の9月に入学して、2013年6月に卒業する学年の人たち)。

女性の比率も上昇しており、ウォートンでは大学(ビジネススクール)が高校まで出かけて行って女性たちをターゲットにビジネススクール教育の価値を分かってもらおうと説得しているとか・・。

世界には70億の人がいます。

これをターゲットに、いかにして優秀な人材を集めるかで、世界の大学は鎬を削っています。

記事には中国の CEIBS (『こちら』)も登場しますが、

さて日本の大学の状況はどうなんでしょうか・・。

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       (図はクリックすると大きくなります)

* * * * * *

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2011年7月25日 (月)

サッカーの選手権よりも少しだけ意味のある何か

海外メディアで紹介された澤選手のコメントです(全文は『こちら』;なお原文は英語です。下記で原文の下の日本語は私が訳したもの)。

“We knew that what we were doing here could be about a little more than just a football tournament,” Sawa said.

私たちは、私たちがここですることが、サッカーの選手権よりも少しだけ意味のある何かでありうることを知っていた。

“If winning this makes one person, someone who lost something or someone or was hurt or damaged by the events that touched our country, feel better for even one moment, then we have really achieved a most special thing.

もしも私たちがここで勝つことで、私たちの国を襲った出来事によって、何かを、あるいは、誰かを失った人、怪我をした人、傷ついた人、たとえ一人でも、こういった人が、一瞬でも元気になってくれたら、私たちはほんとうに、何か特別なことを成し遂げたことになる。

Sawa

         (決勝戦;シュートの瞬間)

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2011年7月24日 (日)

どうせなら、Think big、でっかいことを考えろ

昨日のGreat Minds Quotesで配信されてきた一言。

If you're going to be thinking anything, you might as well think big.

(何かを考えるのであれば、どうせなら、Think big、でっかいことを考えろ)

不動産王と称された Donald Trump 氏の言葉です。

トランプ氏と言えば、ミス・ユニバースの組織がこの人(とNBC)によって所有されているとか(『こちら』)、

オバマに対抗して大統領選に出ると噂されるとか(『こちら』)、何かと話題の多い人です。

波乱万丈。1992年には Trump Plaza Hotel が連邦破産法(chapter 11)を申請。

2009年には Trump Entertainment Resorts がやはり連邦破産法(chapter 11)を申請。

しかし不屈の精神の持ち主なのでしょう。

次々とプロジェクトを立ち上げ、いろんなところに顔を出し、Think Big を実践していることだけは確かかもしれません。

ニューヨークのトランプ・タワーは有名ですが、いまやあちらこちらにトランプ・タワーが建っています。

       Trumptowerhonolulu 

        (ワイキキのトランプ・タワー)

       Trump_international_hotel_and_tower

         (トランプ・タワー・シカゴ)

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2011年7月23日 (土)

米連邦政府の債務14兆ドルを誰が(債権者として)ファイナンスしているのか

$14 Trillion in Debt, But Who Owns All That Money?

を示すグラフがこれ。

Who20owns20debt_3

(グラフはクリックすると大きくなります)

このうち日本が占める割合は6.4%。$912.4billion。

中国は8.0%。$1.16 trillion。

詳しくは『こちら』をどうぞ。

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2011年7月22日 (金)

iFraud

iPod、iPad、iPhone、iTunes、iWork、iCloud などに続く新製品が出たということではありません。

iFraud は中国の話。

中国には4軒のアップルストアがあります。

アップルのウェブサイトによると、2軒が北京、そして残り2軒が上海。

そのほか多くの公式(official)resellers もあります。

と、ここまでが本当の話。

  Ifraud

     (写真はAP;下記ウェブサイトより)

写真は中国南西部の雲南省の省都・昆明にある「アップルストア」。

店内には、リンゴのロゴマークの入った青いTシャツを着た店員に、最新のiPad 2も並んでいるのですが、店ごと偽物。

iFraud という言葉とともに米国で話題になっています。

(注:Fraud は詐欺、偽物、ぺてんの意。iPad、iPod などに引っかけて作られた造語というわけです)

『こちら』の記事をどうぞ。

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2011年7月21日 (木)

なでしこ

なでしこ、佐々木監督。

(「監督自身も決勝のPK戦に入る前に、笑顔で円陣に入っていた」、とのインタビューアーの発言に応えて)

『PK戦の前の笑いについては、米国は勝ったと思っていただろうけど、われわれにとっては天からの恵みみたいな展開になったので、笑いが止まらなかったんですね。

ギャグも一発やろうかなと思っていたんですけど、さすがに頭が回らなかったんで(笑)。

蹴る順番も決めないといけないですからね。

「お前らもうけものやで」という感じでPKもスタートしたんです。

熊谷(紗希)だけ「お前は4番手」って言ったら顔が引きつってましたけど(笑)。

澤は「わたしは絶対嫌だ」って言って、それすらも笑いにしちゃいました。

「澤は1点取っているからいいだろ、みんな」という感じで笑いが巻き起こってましたね。』

(インタビューの全文は『こちら』)。

* * * * *

佐々木監督が著した本がすでにありました(今年の1月に発売になったもの)。

『なでしこ力 さあ、一緒に世界一になろう!』

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* * * * *

澤選手の本は『こちら』

    Homare

* * * * *

毎日新聞の余禄(『こちら』)ではオシム元監督の言葉を紹介していました。

なでしこの決勝戦にぴったりの言葉でした。

   * *

『毎日奇跡が起こるわけではない。

奇跡を金で買うこともできない。

入念に準備をした上でしか、奇跡は起きない』

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(千田善著「オシムの伝言」みすず書房;『こちら』)

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2011年7月18日 (月)

デフォルトの中身

16日(土)の大阪経済大学大学院の授業での受講生からの質問。青字部分が質問。黒字部分が私の答えです。

「米国政府の債務残高上限問題に関して聞きます。

仮に連邦議会が上限の改定を行わないまま8月2日を迎えると米国債はデフォルトしますか」

「議会が8月2日までに上限の改定を行わないとすると、国債の利払いが出来なくなる可能性が強くなります。そういった意味でデフォルトする可能性があります」

「そうするとまたリーマンショックのようなことが起きるのではないですか」

「起きません。デフォルトの中身が問題です。デフォルトとは債務者が債務を履行しない状態を言います。この中にはpayment default、technical default などいろいろな種類のデフォルトがあります。

デフォルトは、債務者が債務を履行できない(unable to pay his or her debts)状態であるinsolvencyとは限りません(もちろんinsolventな状態ゆえにデフォルトすることもあります)。

少なくとも今回の問題は米政府がただちにinsolventになるわけではない。

よってたとえ議会が承認せずに利払いがなされないといった状況が起きたとしても、数日後(遅くとも数週間後)には利払いがなされると思いますので、これが引き金となってリーマンショックのような危機が再来するとは思えません。

もっとも米国債の利払いに合わせてスワップなどが契約されている可能性もあり、事態を軽視しているわけではありませんが・・。

現時点でリーマンショックのような危機が再来するとしたら、それはギリシャをはじめとする欧州の通貨危機、およびこれに関連する欧州金融機関の信用不安が引き金になりうると思います。

こちらの方は、そういった状態にならないように現在欧州各国が知恵を出しているところですが、我々としても事態を注視していく必要があると思います」

* * * * * *

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2011年7月16日 (土)

米国債 (政府債務残高上限問題)

今回のブログ記事のタイトル、「米国債」と書いたところで、編集者の方の顔がちらりと脳裏に浮かびました。

「今度の本(注:『こちら』)は岩崎さんの書き下ろしなんだから。それもマネー本としては実質初でしょ。ブログで事前にばらすのは、(少なくともこれ以上は)やめてくださいね」

と言われていました。

          Money

たしかにこれまでリーマン恐慌やDCF法の解説などに関連させて投資の本を書いたことはありましたが、正面から投資について書くのは今回が初です。

しかし今日のブログは本のコンテンツとはあまりかぶりませんので、大丈夫です(と、これは編集者の方へのメッセージです)。

さてムーディーズのウォーニングに加え、今度はS&Pが米国債格付けを引き下げ方向で見直すと発表(『こちら』)。

S&Pの説明はこのブログ記事の末尾につけましたが、そもそも両格付け機関が問題視している「米政府の債務上限問題」って何なのでしょう?

現在、米国の債務残高は14兆3000億ドルと法律で定められています。

2011年5月16日、米国財務省は政府債務残高が法定上限に達した旨を発表、現状、米政府は新たな資金調達が出来ない状態を強いられています。

このため米政府は議会に対して政府債務残高の上限を引き上げるよう要請していますが、下院多数党の共和党は財政赤字削減の合意前の政府債務上限引き上げに反対しています。

5月16日、ティモシー・ガイトナー財務長官は、当面の非常措置により8月2日までは資金繰りがつくものの、

それまでに政府債務残高の上限が引き上げられない場合は、米国政府はデフォルトとなり、米経済が破局的な状況に陥ると警告しました。

8月2日までに与野党が合意に達し、議会が政府債務残高の上限を引き上げないと、

米国政府による債権者への支払い、つまり米国債保有者への利払いや納入業者への代金支払い、さらには一部の公務員の給与支給までもが(たとえ一時的にではあるにせよ)ストップしてしまうことになります。

これに類似する例では、今年の4月、米連邦政府が一時閉鎖(シャットダウン)する可能性が出てきて、ぎりぎりのところで回避されるといった事態も起きました(『こちら』)。

米国ではこのように時おりショック療法的なことが行われます。

カエルに電気ショックを与え、カエルがこれによりシャキッとするようなものです。

一方、日本の場合、カエルは当初常温の水にいますが、徐々に熱せられ、その水温に慣れていきます。

そして熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い飛び上がることができずにゆで上がってしまうという、「ゆでガエル状態」になりつつあります。

S&Pにしろムーディーズにしろ、現状米国債はAAAで、これを格下げの方向で見直すといったようなことを言っているだけです。

一方、日本国債はAA-(S&P;弱含み)、Aa2(ムーディーズ;格下げ方向で見直し中)。

米国債より3ランク下(AAA  →  AA+  →  AA  →  AA-)です。

とは言うものの、米国で8月2日までに問題が決着するのかどうか、目が離せなくなってきたのも事実です。

電気ショックが強すぎると、カエルは一時的であるにせよ気を失ってしまいますから・・。

(S&Pの説明)

今回の措置は、債務上限をめぐる政治的議論のダイナミクスにより、今後90日以内に米国の長期格付けを引き下げる可能性が少なくとも50%あるというわれわれの見方を示すものである。

短期格付けについても、現在の状況が米国の信用力に著しい不透明感をもたらすというわれわれの見方を反映し、クレジットウォッチとした。  

われわれが2011年4月18日に「AAA」としている長期格付け見通しを「安定的」から「ネガティブ」に引き下げて以来、米国の財政スタンスやそれに伴う政府債務の上限問題に関する政治的議論はますます混迷を深めている。

数カ月に及ぶ議論にもかかわらず、両党は基本的な財政政策について依然として大きな隔たりがある。

その結果、債務上限の引き上げに関する短期的な合意を困難にする著しい政治的なこう着状態に陥るリスクが高まっていると考える。  

そのため、われわれは3カ月以内に米国の格付けを引き下げる可能性がある。  

われわれは今後3カ月以内に、議会と政権が債務負担の高まりに対して信頼に値する解決策を見出せず、予測可能な将来にそれを達成できない見込みだと判断すれば、米国の長期格付けを1ノッチあるいはそれ以上引き下げ、「AA」のカテゴリーとする可能性がある。  

われわれは依然として、米国債がデフォルト(債務不履行)となるリスクが高まっているとはいえ、そのリスクは小さいと考えている。しかしながら、短期間であっても米国債の利払いを予定通りに実施できなければ、米国の長期および短期格付けを「選択的債務不履行(SD)」に変更する可能性がある。

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2011年7月15日 (金)

下流の宴

取引先のA社社長。

2~3週間ほど前の会話です。

「岩崎さん、下流の宴、見てますか」

「いえ、見ていません」

「あ~、そうですか」

と、ここで会話が途切れそうになると「まずい」と思い、

林真理子の小説なら読んだことありますよ。テレビでは黒木瞳がやっているんですよね」

とフォロー。

何とか会話がつながり、そのあと、下流の宴に見られる最近の世相の変化などについて社長との間で話が続きました。

           Photo

* * * * *

黒木瞳演ずるテレビはその後何回か放映されていたのですが、なかなか機会がなくようやく今週の火曜日に見ることが出来ました。

話は結構進んでいて来週はもう最終回。

最近のテレビや映画では原作をかなり変えてしまうことがあります(プリンセス・トヨトミでは旭 ゲーンズブールが男になってしまった!)

            Toyotomi

しかし、下流の宴の最後は原作と同じような終わりになるんでしょうね、きっと。

なんとなくそんな気がします。

いずれにせよ医者といい、外資系のトレーダーといい、ステレオタイプに描かれていて、勤務医の生活実態を知ると、ちょっと違うぞ、といった感想を持ってしまいます。

ただ黒木瞳の熱演がそういったマイナス面を打消している、といったところでしょうか。

* * * * *

下流の宴の今週の視聴率が6.2%。

同じ日、ほぼ同じ時間帯のチーム・バチスタ3 アリアドネの弾丸は視聴率 14.2%。

A社社長と私がそろって時代からズレテしまっていたら問題です。

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2011年7月14日 (木)

マネーの激震

今日のニューヨークはまさに『マネー大激震』。

Fed Chairman Ben Bernanke told Congress Wednesday that the central bank is prepared to respond with another round of monetary easing should economic developments indicate it's appropriate

とのことで、株価は急騰。12,600ドル台へ(11:30EDT現在)。

一方、ユーロは・・。

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詳しくは『こちら』をどうぞ。

ドル円は先ほど78.90を切り、78.88をつけました。

また、ムーディーズは米国債格付けに関しウォーニングを発するとかで、ますます市場から目を離せなくなってきました。

こういう時こそ円の現預金を持っている人が(少なくとも当面は)強い・・。債券にしろ外貨にしろ、落ちたものを(底に近い値段で)拾えるからですが、さて問題は、(1)本当に落ちてくるのか、そして一方で、(2)落ちてくるナイフをつかむなとも言われていることを踏まえ、どう判断するか・・です。

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2011年7月13日 (水)

米国債(補足)

Aさんからお電話で問い合わせを頂きました。

下記の記事、分かりやすくするため、1000万円といった数字を使いましたが、米国債の売買は通常1000ドルから。

すなわち8万円程度から資金を米国債に回すことができます。

売買にあたっての手数料もありません(為替手数料は発生します)。

詳しくはの方に書いていますので、そちらをご覧になってください。

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米国債への投資

すみません、金(ゴールド)について書く予定だったのですが、少し話題を変えます。

為替が円高に振れたので米国債に投資してみてはどうでしょう。

野村証券のウェブサイトに行きます(『こちら』)。

7月12日午前9時現在の相場が出てきますが(注:ご覧になっている時間帯によっていつの時点の相場か、変わります)、たとえば、2021年2月15日償還のゼロクーポン債。

9年7カ月の運用で2.9%の利回りです。

ゼロクーポン債とかよく分からないという方は、今度出す本に詳しく書きましたので、そちらをご覧になってください。

いま1000万円をドルに替えてこのゼロクーポン債で運用するとします。

為替は今朝6時ころは78円50銭くらいまで行きましたが、とりあえず1ドル79円とします。

1000万円→126,582ドル。

ゼロクーポン債の購入単価は75.82(この辺についてもよく分からない方はの方をご参照ください)。

これが、100になって戻ってくるので、

126,582×100÷75.82=166,951ドル

さて円での運用と比較します。

三菱東京UFJ銀行。1000万円以上なので自由金利型定期預金。0.20%の金利。毎年2万円。9年7カ月で利息は合計で、191,666円(最後の7カ月は0.2%がつくとして計算)。

円で運用すれば元利合計で10,191,666円です。

一方米国債で運用すると166,951ドル。

9年7カ月後、為替が61円の円高になって初めて円での運用と同じくなります。それほどまでの円高にならない場合は米国債での運用の方が得です。

たとえ1ドル50円の円高に振れても184万円の損失ですみます(下の表)。

9年7カ月後、1ドル80円(要はほぼ今の為替レート)だと、円での運用に比べ、316万円の得となります。

円安に振れ1ドル90円になると米国債で運用した方が、483万円の得です。

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2011年7月12日 (火)

フクシマの真実

通勤途上、駅の売店で週刊朝日を買い、思わず読みふけってしまいました。

『フクイチ(福島第一原発)が地震と津波、どちらでやられたのかといえば、まず地震で建屋や配管、電気系統など、施設にかなりの被害を受けたのは事実です。 

地震直後、「配管がだめだ」「落下物がある」などと緊急連絡が殺到しました。 

制御室からも「配管や電気系統がきかなくなった」などと、すさまじい状況で、多くの作業員が逃げ出した。耐震性に問題があったのは否めません。 

こうした事態に対応している間に「津波がくるらしい」という話が入り、とにかく避難が優先だと施設内に放送を流し、情報収集を進めているうちに津波が襲ってきた。これで、街灯やトイレなど、地震後もかろうじて通じていた一部の電源もほぼ通じなくなった。完全なブラックアウト(停電)です。 

そのとき頭に浮かんだのは、どうやって冷却を続けるか、です。すぐに人を招集して、とにかく電源回復を急ぐようにと指示した。何とか電源を回復できないかと、(東京電力)本社に電源車を要請するなど、もう大声で叫ぶばかりでした。 

津波の破壊力を実感したのは、電源確保のために状況を見に行った作業員から「行く手をはばまれた」「瓦礫で前へ進めない」などと報告を受け、携帯写真を見たときです。本当にとんでもないことになっていた。本社に電源車を頼んでいるような悠長なことではとても無理。自分たちで何でもやれることはやらなきゃ、もう爆発だと覚悟しました。すぐに車のバッテリーなど使えそうなものを探させました。 

日が暮れ、周囲は真っ暗で作業がはかどらない。携帯電話の画面を懐中電灯代わりにしている―現場からは、こんな報告が次々と上がってきました』

福島第一原発の現場の幹部が語る「フクシマの真実」。

まだご覧になっていない方は、今週の週刊朝日、必見です。

私自身、これまで多くの書籍、新聞、雑誌、ネットの記事等みてきましたが、現場にいる人だけが語れる真実の重みの凄さをこの記事で実感しました。

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マネー大激震

『マネー大激震』-アマゾンで予約できるようになっています(『こちら』です)。

昨日の日経CNBC『日経ヴェリタストーク』でもご紹介していただきましたが、本書は日経CNBCの視聴者プレゼント(抽選で10名)にもなっています。

『こちら』のトッピクス欄をクリックしてお申込み頂く形です。

なお昨日の日経ヴェリタストークは下記時間帯に再放送されます。

7月12日(火) 18:30~18:45

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2011年7月11日 (月)

金(ゴールド)への投資(その2)

そもそも金の価格はどうやって決まるのでしょうか。

当然のことながら、需要と供給とのバランスで決まるのですが、その裏にあるのは何でしょうか。

有史以来、人類が世界中でこれまでに掘り出した「金」の総量(地上在庫)は約17万トン、オリンピックプール3杯半ほどにしかならないといわれています。

日本では1981年に発見された菱刈鉱山が、トン当たり40グラムとケタ外れに高品位の金を供給し続けています(世界の主要鉱山の平均品位は約3~5グラム)。

私自身、興銀審査部時代に菱刈には3度ほど入坑した記憶があります。トラックレスマインと言ってクルマに乗りながら坑内に入っていくことができます。

       Photo

さて、金の需要に目を向けると、金は耐食性、導電性、低い電気抵抗などの特性を持つことから電子部品に使われるほか、歯科治療、そしてもちろん宝飾品としての需要もあります。

しかし、何より金の需要を左右してきたのは、通貨に代わって資産保全を図る「代替通貨」としての役割だと言われています。

といっても、もともと通貨として使われてきたのは金のほうで、今の貨幣(紙幣)は金に代わって出てきたものです。

しかし、貨幣が中心になった現在は、貨幣の価値があやふやになったり、貨幣に対する人々の信認が薄まると金の価格が高くなっていくという側面があります。

世界では、金の価値に重きを置いて、代々、金を持ち続けている人々もいます。

たとえばベトナムの富裕層。

フランスに占領されてもアメリカと戦っても、隠し持っている金で凌いできたとか、庭に金を埋めて保存している人もいて、ベトナム人が日本製バイクを新車で買えるのもこのせいだと言われてきました。

中国やインドは、最近になって政府が金を多く保有するようになりました。

2009年度の金保有量を見ると、中国が対前年比8割増、インドが5割増です。

ドルやユーロだけ持っていては外貨準備資産としていずれ危なくなるかもしれない、と読んでの措置かもしれません。

いずれにせよ中国やインドの動きがまた金の価格上昇を招く結果にもなってきました。

ところで、先般見たように10年間右肩上がりの上昇を続けている金ですが、とくに2008年以降の伸び幅が大きいことがわかります。

これは2008年9月に起きたリーマンショックを受け、FRB(連邦準備制度理事会)のバーナンキ議長が、米国経済をデフレに陥らせないために、国債や不動産担保証券を買いまくり、通貨の供給を増やしたことに関連しているといえましょう。

2度にわたってバーナンキ議長がとった措置(QE1、QE2)は、景気のカンフル剤としては効果がありました。

しかし著しく効果のある薬には、必ず副作用がついてくるものです。

米国経済は今のところデフレに陥らずに済みましたが、その副作用としてドルの価値低下や金価格の上昇を招きました。

円や、ギリシャ危機に揺れてきたユーロが、予想を越えて高く保たれてきたのも、こういった要因によると考えられています。

さて金はこれからどうなるのでしょうか。

まだ上がるのか、それとも今度こそ本当に天井でしょうか。

その辺については今度発売になるの方をぜひ手に取って見てみてください。

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2011年7月10日 (日)

大阪経済大学(2011)

昨日は大阪経済大学大学院で 1:00~4:00 まで講義をしてきました。

途中10分間の休憩をはさみ 3時間通しの授業ですので、講師もエネルギーを使いますが、受講生の大学院生たちも大変だと思います。

講師をつとめ始めて、 2007年から5年目になりますが、さすがに5年もやっていると、どうしたら院生や受講生たちの注意を引くのか、私の方も 「知恵」 を身につけてきます。

たとえば昨日は、私は「次の質問に分かった人には全員一人ひとりに1万円を差し上げます」と言って、受講生たちに質問しました。

10人正解すれば私は10万円の出費。

質問というのは

「アメリカのダウ平均株価というのは、日経平均と違って、たったの30社の株価を使って算出されます。この30社というのは、GEとかプロクター&ギャンブルといったアメリカを代表するような銘柄です。

さてこの30社のうち、去年1年間もっとも株価を上げた会社は?」

というもの。

出てきた答えは・・

「マイクロソフト」

「GE」

「グーグル」(グーグルはダウ平均採用銘柄ではありません)

「コカコーラ」

「マクドナルド」

「ウォルマート」

といった具合で、私の1万円は無事でした。

ちなみに答えはキャタピラーです(コマツの競争相手ですね)。

さて大学院の授業が終わると、2人の大学院生が教壇にやってきました。1人は岩井証券の方。

岩井証券と言えば、ベトナム株で有名な証券会社です。

私の今度の本でも岩井証券のレポートを引用させていただいた箇所も(少しですが)登場します。

「ベトナム株は下がっていて大変でしょう」といった情報交換をしました。

もう1人の大学院生はこんな話をしてくれました。

「実はテレビや映画にもなった『ハゲタカ』に興味をもっていました。ある時、たまたま本屋さんで『M&A新世紀』が目に留まりました。中をめくるとハゲタカのことが書いてあったので、買って読んでみました。面白くて、自分自身がこうして金融工学の分野に進むきっかけになりました。今でもあの本は自分の机の上の本棚の一番右側に置いてあります」

本を書いていてよかったと思いました。

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2011年7月 9日 (土)

コマツ

コマツ株に興味を持たれた方は、『こちら』をお読みになってみてください。お勧めです。

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日本株のリスク

ここでちょっと脱線しますと、なぜそもそも金(ゴールド)だとか、豪ドル預金、米国債などの質問が多いのでしょうか。

それは我々のだれもが日本株では損をするとの思いを強めているからかもしれません。

どういうことなのでしょうか。

日本株は、今週1週間は上げましたが、1か月前の6月10日の日経平均は 9,514円。

5年前に買った人、10年前に買った人は・・と調べていきますと、過去25年間、冴えないパフォーマンスであったことがわかります。

日本株に投資してきた投資家は過去25年間、損してきた
  日経平均株価 過去のその時点に
  (円) 比して、どの程度
    変化したか
現在(2011.6.10.) 9,514      ―
5年前 14,751   ▼36%下落
10年前 13,430   ▼29%下落
20年前 24,598   ▼61%下落
25年前 16,967   ▼44%下落
30年前 7,484   +27%上昇

ここで質問です。

特に、日本株に投資している方への質問です。

「過去20年以上にわたって続いたことが、これから先は起きない、という何らかの状況変化が今あるのでしょうか。

もしそういったポジティブな変化がないとすれば、日本株はこれから先も下落を続けるのではないでしょうか」

もちろん日本株にはコマツ、ホンダのような元気な会社があります。

しかしたとえばコマツの場合。

売上げの 81 %が日本以外です。

特にコマツの主力の建設機械・車両部門(会社全体の売上の 88 %を占める)については、売上の 84 %が日本以外であり、

中国、アジア・オセアニア、旧ソ連(CIS)、中南米、中近東アフリカからなる「新興国」が

67 %を占めています。

そういった例外の株を除くと、日経平均のパフォーマンスは、(その分だけ余計に)落ちてしまいます。

世の中のマネー本の中には、日経平均のETF(日経225連動型上場投資信託)を買ったらいいと勧めるものがありますが、

20年以上にわたって下降トレンドにあったものが上昇になるとはなかなか思えません。

(もちろん、1年とか2年という期間で見れば、上がることもあるでしょうが、ここでの議論は5年程度の比較的長いトレンドを想定しています。)

過去冴えなかったのには、おそらくそれなりの理由があり、このトレンドが変わるにはその理由となった事象がポジティブに向かうような変化がなければなりません。

日本株を買ってきた人はそのことに気づき始めており、だからこそ金(ゴールド)だとか、豪ドル預金、米国債、米株などが人々の関心を集めるようになってきた・・・というのは深読み過ぎるでしょうか。

さらにもう一つの質問。

それではゴールドだとか、米株の方が、日本株よりも良いのでしょうか。

やっと脱線からもとの線路に戻る準備が整いました・・。

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2011年7月 8日 (金)

金(ゴールド)への投資(その1)

友人、知人などから時おり問い合わせを受けます。

過去数か月で一番多かった質問は、東電の株を持っているけれど、売った方がよいだろうか、というもの。

あるいは東電がここまで安くなったのであれば買いたいと思うけど、どうだろうか、との質問もありました。

日本航空のときも同様な質問が寄せられました。

そのほかにも質問としては:

FXで友人が儲けたので自分もやりたい。どう思うか。

金(ゴールド)への投資をしたいけれど、どうだろうか。

ハウスメーカーから震災で傷ついた自宅をいっそのこと建て直して3階建てにして1、2階をワンルームの賃貸住宅にして貸したらと言われているが、どう思うか。

円が高い今、米国債が絶好の買い場だと思うが、どうだろうか、などなど。

* * * *

今回の本でもこれらの点に触れましたが、そのうちの一つ、金(ゴールド)への投資に関して以下、述べていきます。

* * * *

「金は高くなり過ぎてしまった。もう天井で、あとは下落するだけだ」

4~5年前から、金についてはこう言われ続けてきました。

しかし、今日に至るまで、金は上がり続けています。

「天井」という声に惑わされずに、金を買った人が利益を上げ続けてきたわけです。

さらに「金は高くなっているが、それはドルベースでのことだ」

という人がいます。

たしかにドルベースでの価格推移(1973年以降、今日までをカバーする詳しいグラフはに載せました)は、ここ10年以上、具体的には2000年以降は、急激な右肩上がりになっています。

円ベースではどうでしょう。

Photo_5

上のグラフはクリックすると大きくなりますが、円ベースでも金は上がってきています。

2005年にはグラム当たり1,619円(年平均価格)だったものが、2010年には3,477円。

さらに2011年7月7 日現在は4,204円になっています。

6年前に比べれば2.6倍。

年率平均にすれば6年間で 17 %の上昇を果たしたことになります。 

さらに遡って金相場の変動を見てみますと、に掲載したドルベースのグラフのように1980年に急騰したことがありました。

このとき、円ベースでも、前年の1,418円から6,495円まで一気に上昇しています。

これは旧ソ連軍がアフガニスタンに侵攻した一時的な影響で、翌1981年には2,830円まで下落しました。1年間で4.6倍に上がった価格が、次の年にはおよそ4割になってしまったことになります。

しかし2000年に入ってからの相場は、1980年のような、何らかのできごとによる変動とは性質が違うように思えます。

グラフを見ればお分かりのように、金は2000年から10 年以上、一貫して右肩上がりで上昇を続けてきているのです。 

その背景にあるのは、ドルをはじめとする通貨全体に対する信認性の低下です。

次回はその辺についてみていきます。

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2011年7月 7日 (木)

ターゲットを絞る

取引先の経営会議などに出ていますとマーケティング戦略などが議論されることもあります。

教科書的なのですが、広範な層に受けようとするよりも、時としてターゲットをぐんと絞り込んだ方が成功することもあります。

今年2月に出した『定年後 年金前』

当初のタイトルは『退職後 年金前』でした。

その方が40代の読者などにも興味を持ってもらえるとの考えだったのですが、

出版社の中で営業サイドの意向で『定年後 年金前』となりました。

なるほどこちらの方がターゲットが絞り込まれています。

結果として40代の読者層を逃がす以上に、50代、60代の関心を呼んだようです。

本の題名1つをとってもいろいろと勉強になります。

今度の本のタイトルは『マネー大激震 ― 逆境下の資産運用術』に決まりそうです。

出版社サイドでは(1)インパクトのあるものにしたい(2)あえて絞り込みたくない、と考えたようです。

                     Kk_best_sellers

最近本屋さんに「マネー本」がたくさん出てきて、「2012年は大相場で買い」だとか、「円安が進み1ドル3,000円(注:300円ではありません)になってもおかしくない(注:なってもおかしくないとの言い回しが微妙です)」だとか、いろいろ言われています。

そういった本とは一線を画するものになっています。

内容については追って説明していきます。

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2011年7月 6日 (水)

とむらい合戦

どこの世界も同じですが、出版の世界も厳しいらしく、本を出して増刷がかからないと、編集者の方は悲しい顔をします。

幸いにも私はこれまで比較的幸運に恵まれていて、前回出した『定年後 年金前』は今のところ4刷。

『サバイバルとしての金融』『リーマン恐慌』なども増刷となり、『投資銀行』に至っては6~7回ほど刷られたと記憶しています。

そんな中、増刷にならなかったのが『M&A新世紀』

一般の人にもM&Aを分かりやすく、との意図で書いたものですが、いざ書店に並ぶとM&Aの専門書セクションに置かれてしまいました。

実は今度25日に出す本はM&A新世紀と同じ編集長が担当します。

私にとってはとむらい合戦になります。

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2011年7月 5日 (火)

13冊目

今朝の3時半にやっと最後の原稿を編集者とデザイナーの方にメールで送ることができました。

出版社から話があったのが5月27日。この間、1週間ほどベトナムなどに行っていましたので、ちょうど1カ月ほどで書き終えたことになります。

私にとっては13冊目の著作(オーディオブックを入れなければ11冊目)。

毎度のことですが、最後の追い込みであった先週末と昨日はいつ寝ているのか分からないような生活でした。

書店には7月25日ころ並ぶ予定です。

実はまだ正式なタイトル・サブタイトルも決まっていないようなのですが、いずれまたご報告します。

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2011年7月 3日 (日)

エコノミスト

明日発売となる週刊エコノミストは老後にかかるお金の特集です。

          Photo 

内容は下段の通りですが、青字部分で私が寄稿していますので、よろしかったらご覧になってみてください。

* * * * * * * *

◇【特集】老後にかかるお金

◇資金編

・50歳から考える支出と収入の現実  ■ 林芳代

・定年退職後:年金支給前の「空白の5年間」をどうしのぐか  ■ 岩崎日出俊

・高まる高齢者の就業意欲と減少する仕事  ■ 編集部

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