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2011年10月19日 (水)

危機管理

昨晩は第152回デジコンサロンに参加してきました(詳しくは『こちら』)。

『福島原発事故にみる危機管理』と題して、織田邦男さんのお話を聞きました。

織田さんは、元航空支援集団司令官、元・空将、現・三菱重工業航空宇宙事業本部顧問。

1974年、防衛大学校卒業、航空自衛隊入隊、F4戦闘機パイロットなどを経て83年、米国の空軍大学へ留学。

90年、第301飛行隊長、92年米スタンフォード大学客員研究員、99年第6航空団司令などを経て、

2005年空将、2006年航空支援集団司令官(イラク派遣航空部指揮官)、

2009年に航空自衛隊退職して現職という経歴の持ち主。

織田さんによると危機管理には3つの大原則があると言います。

① 最悪に備えよ Prepare for the worst

② 想定外を想定せよ Think unthinkable

③ 次善に甘んじる覚悟を持て Second best

次善に甘んじるということで、織田さんが話していたのが、1940年7月10日~10月31日のBattle of Britain。

英国のダウディング大将は3つのレーダーの話を聞かされ、『3番目をよこせ』といったとのこと。

1番目は高性能ですが、いつできるかわからない。2番目もドイツとの戦況を考えれば完成が遅すぎる。

性能に問題があるのを我慢してでも3番目を要求したという話です。

織田さんによれば、『今回の事故でいえば、「大量の放射能漏れ」という最悪の事態を回避するため、「早急なシステム再稼働」という最善の追求ではなく、「廃炉」にしてでも「放射能漏れ」を局限するという次善策の追及が必要だった』。

さらに織田さんは『寸秒を争うダメージ・コントロール活動には、現場の裁量で独自に判断し、自主的に行動することが欠かせない。現場を知らない者が容喙すると、機敏な対応を阻害し、結果的に手遅れになり事態の悪化を招くことになりかねない』と言います。

航空自衛隊機がいざスクランブル発進をすると、機が陸を離れた途端、指揮命令系統が平時のものから緊急時のものに変わる。。。

スクランブル発進した機のパイロットは普段なら直属の上司に伺いをたてなければいけないところを、何階層もの中間管理者層を一気に飛び越えて、直接、上層部の指示を仰ぐという緊急時の指揮命令系統に変わるのだとか・・・。

以上のほかにもイランに派遣された時の話とか、数々の貴重なお話を聞きました。

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