定年後 年金前 の空白期間
毎週土曜日、日経ラジオで放送している『集まれ!ほっとエイジ』。
早いもので昨日(11月26日)で第9回目を迎えました。
昨日のテーマは、「定年後 年金前 の空白期間」。
「政府は年金の支給開始を68歳もしくは70歳に変更することを検討している」
―― 先月このように報じられただけで、世間では大問題になりました。
この結果10月27日、政府はとうとう「来年の通常国会に提出する関連法案には『年金年齢支給開始の引き上げ』を盛り込まない方針」を示しました。
ということで、当面68歳とか70歳といった話は無くなりました。
現在は「年金の支給開始時期」をかつての60歳から65歳に移行していく上での「過渡期」という位置付けにあり、当面の間はこの状況に変更はありません。
ところで「過渡期とはどういうことか」というと、以前は「60歳から支給していた」年金を、徐々に「支給開始年齢」を引き上げていって、 「いずれは65歳になるまで一切年金をもらえないようにしよう」、 そうすれば「年金財政は、少しは楽になる」- こういった観点から現在年金支給開始時期の変更がすでに走り出しているということです。
そして更に申し上げれば、この「65歳支給開始」は、やっぱり、いずれは68歳もしくは70歳支給開始に変わるかもしれない。
この辺は先月政府がほのめかした通りなのですが、われわれとしてはその位のところを覚悟して現実的な対応を考えていった方が良いと思います。
ではいったいなぜこのような事態になってしまったのでしょうか。
そもそも政府は現在の年金制度は100年安心と言っていたのではないか―こう言いたくなるのはやまやまですが、年金問題がここまでこじれてしまったのは、端的にいうと、これまで甘い見通しの上に制度設計をしてきたからです。
現実を直視すれば、このままいけば、年金財政は何れ破綻します。
この解決策には次の4つの選択肢しかありません。
① 年金の保険料率を上げる(→これに対しては、「これ以上、給与から保険料が天引きされる額が増えるのはたまらない。現在でも十分大きな額が給与から差し引かれている」と現役世代が悲鳴をあげそうです)。
② 年金の支給額を下げる(→これに対しては、現在の国民年金の支給額は月6万6000円です。十分に低いので、これを更にこれ以上、引き下げるとすると、年金はやめて、生活保護に行く人が増えてしまうことになりかねない、そういった声が出てきます)。
③ 年金の支給年齢を引き上げる(→ これが先月、突然報じられた案ですが、この選択肢の問題点は、退職した後、年金がもらえるようになるまでの「空白期間」をいったいどうするのかという点です)。
④ 4番目は税と年金との一体改革といわれるものです。要は、税金を年金財政に流し込みましょうということですが、これはますますの増税に繋がっていってしまいます。
ということで、これらの選択肢はどれもが痛みを伴うものです。
番組ではこの辺を出来るだけ分かりやすく説明しました。聞き逃された方は今からでもポッドキャストで聴くことができます(15分間です)。
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