バフェットは日本企業の株を買うか
昨晩は日経CNBC『日経ヴェリタストーク』に出演しました。
ウォーレン・バフェットの投資会社、バークシャー・ハサウェイは、2006年、オランダのIMC社を買収。
IMC社は2008年、福島県のタンガロイ社を買収。バフェットは間接的にタンガロイ社を持つことになりました。
そして今月20日、タンガロイ社の新工場完成式典に出席するためバフェットは81歳で初めて日本を訪問しました。
これから先、バフェットは日本企業の株を買うことがあるのでしょうか。
そもそも彼はIMC社のほかに米国以外の株を買ったことがあるのでしょうか。
バフェットが最初に海外企業の株を億ドル単位で買ったのは、2003年。
ペトロ・チャイナ株を5億ドル投じて買いました(当時ぺトロ・チャイナの11%に相当)。
これに対しては全米で批判の声が上がりました。
以前、このブログでも紹介(『こちら』)したダルフール問題に関連して、米国ではペトロ・チャイナを批判する声が大きかったのです。
たとえばハーバード大学の大学運営基金はかつてペトロ・チャイナ株を保有していましたが、この問題の表面化により同社株を売却。
バフェットもバークシャーの株主総会で株主から鋭い糾弾を浴びました。
バフェットによればこの種の糾弾が理由ではないとのことですが、2007年には彼はペトロ・チャイナ株を全株売却。35億ドルで売ったとのことですで、4年間で7倍のリターンをあげたことになります。
ちなみに北京オリンピックが2008年ですから、2007~8年が中国株が高かったとき。
バフェットはピークに近い形でペトロ・チャイナ株を売り抜けたことになります。
さて、今やバフェットが自ら投資に乗り出す時のミニマム・サイズは10億ドルと言われています(これより小さい額の投資は配下のトッド・コームズとテッド・ウェシュラーが担当)。
となるとバフェットが日本企業の株を買う場合、時価総額2兆円の会社でも4%ほど保有してしまうことになります。
逆に言えば、時価総額2兆円以上が、バフェットにとって心地良いサイズなのかもしれません。
となると、銀行株と通信、JT、商社を除けば、トヨタ、キヤノン、ホンダ、日産、ファナック、武田くらいしか候補がありません(バフェットはたばこ株に批判的)。
このうち可能性がありそうなのは、キヤノン、ホンダ、ファナック・・・
時価総額は小さいですがVWとの間でもめているスズキは・・・?
スズキの場合、時価総額は約9,000億円。VWが19.9%持っていますので、この分は1,700億円。ドル換算で23億ドル。
スズキがバークシャー相手に約23億ドル相当の第三者割当増資をする・・どこかの投資銀行が考えつきそうなアイデアです。
81歳の鈴木修会長兼社長が同じく81歳のウォーレン・バフェットをネブラスカ州オマハに訪ねる、なんて、想像するだけでも面白いと思うのは私だけでしょうか。
番組ではもちろんこんな妄想めいたことは話していませんので、ご安心を。
なお番組の再放送は:11月28日(月) 24:00~24:15、11月29日(火) 17:45~、19:06~の3回です。
| 固定リンク
コメント