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2011年12月12日 (月)

名古屋証券取引所での講演

名古屋に行って帰ってきました。

行きの新幹線から見た富士山です(↓)。

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さて本日は名古屋証券取引所のセミナーに講師として参加しました。

約200名の方々が聞きにいらしてくださいました。

                Nse2_2

セミナーでは、「ヨーロッパはどうなるか」、「今後の為替レートはどうか」、「米国株は・・?」 などといった、9つの問題について説明しました。

そのうちの1つ。

「日本株は反転して上昇していくか」について。

(1)現在の日本株のPER を見てみます。PERを見るには『こちら』のサイトがいいと思います(頁の右側に「株価収益率」として載っています)。

すると現在のPER = 16(実績)~15(予想)で、これは概ね適正レベルであることが分かります。

実はバブル期(1980年代後半)にはPER = 89 だったこともあります。

(2)ところで現在の米国ダウ平均株価のPERは『こちら』で見ます。

すると PER = 13(実績)~12(予想)。  

(3)今後の日本株の動向ですが、以上のように PER は概ね適正レベルにあることから、今後の株価は主として、「企業業績がどうなるか」によって変わってきます(企業業績が株価を決めるうえで大きな要素となる)。

具体的には、 + の要因としては:

①震災復興需要(2兆円強の4次補正)、

②震災、タイ洪水などもあり、今までの業績が悪すぎた(今後はよくなるはず)

マイナス(- )の要因としては:

①円高が更に続き、より一層の円高に向かう可能性も大きいこと

② ヨーロッパの状況

などが上げられます。

なお倒産しかかった企業の評価を除き、PBR(株価純資産倍率)を使って株価を評価する外国人投資家はほとんどいません。

* * * * *

さてセミナーでカバーした、残り8つのポイントですが、これについては、またどこかのセミナーなどで機会があればお話ししたいと思います。

もっとも私はセミナー、講演、あるいは大阪経済大学大学院の授業などにおいて出来るだけ同じ話はしないように心がけています(たとえば大学院の授業にはここ数年、毎年受講しに来てくださっている社会人受講生の方もいますので)。

いずれにせよ本日のセミナーの内容が参加者の方にとって少しでも参考になったことを願います。

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コメント

昨日は、興味深い講演(名古屋)を拝聴させていただき感謝申し上げます。小職は木村証券(株)経済調査部に勤務しており、当社のHP掲載の証券コラム等を2004年10月号から毎月、担当しております。そのほかにも愛知大学経営学部(2単位)、同会計大学院(2単位)で講義を担当しており、地元の中部経済新聞・投資指南のコーナーで毎週金曜日に書かせていただいております。先生のお話は同意することも多く大変勉強になりました。重ねて御礼申し上げます。ただ、円高に関しては本当に1米ドル=60円割れになりますと証券界としては一層、困ったことになると思われます。いずれにしろ今後、先生のブログは定期的に拝見させていただき勉強したいと思います。何分にも生来の不調法でございますが、今後ともご指導ご鞭撻を賜れば幸甚に存じます。

投稿: 北川 彰男 | 2011年12月13日 (火) 10時59分

北川様

ご丁寧に有難うございます。

為替については、今後の日、米、欧の中央銀行の金融政策に寄るところが多く、仮に今晩(日本時間)開催されるFOMCでバーナンキがQE3に走れば、更なる円高になります。

ただ昨日お話ししたように恐らくは今晩バーナンキがQE3に言及することはないと思います。

もっともこれも昨日お話したことですが、株価に対する日米の政府当局、金融当局のスタンスの違いも意識する必要があります。

米国では株価が政府やFRBにもかなり強く意識されており、今後、欧州危機がさらに広まり、失業率も増加、株価も下落といった事態になれば、その段階でQE3もありうると思います。

私自身、来年前半にQE3になる可能性はせいぜい3割程度とみていますが、しかしその「3割程度」の蓋然性が現実になれば、ますますの円高になります。

日銀はバーナンキほどの思い切った政策は取ってきませんでしたし、今後も取りませんから・・。おそらく。

投稿: 岩崎 | 2011年12月13日 (火) 11時36分

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