大晦日のラジオ放送
日経ラジオで放送している『集まれ!ほっとエイジ』。
前回の放送はクリスマスイブでした。
そして第14回は今日、大晦日の夜に放送されました。
番組ではこれまで「定年後 年金前」の空白の埋め方ということで、再雇用・再就職の状況について見てきました。
再雇用に関しては、たとえ会社が職を用意してくれても、給与がかなり下げられてしまうとか、仕事の内容やポストが極端に落ちて精神的に苦痛になるケースもあるといった、やや暗い話もありました。
それでも定年後、退職金を利用して、世間でよく言われているような「ラーメン屋さんを始める」のはお勧めできません。
定年前の現役時代に実際に飲食業に携わっていた人は別ですが、そうでない人、すなわち「客として単に利用してきただけの人」が、ラーメン屋やコーヒーショップを始めても失敗する確率がぐんと増えてしまいます。
もし皆さんが定年後、自分で独立して個人事業を始めると決めた場合には、自分が良く知っている分野での起業を心がけるべきです。
たとえば現役時代、小学校の先生だった人が定年退職後、自宅で塾を始めるとか、 あるいは不動産会社の営業マンの方が定年後、個人で営業専門の会社、といっても社員はおらずあくまでも個人事業ですが、こういった会社を作る。そして 現役時代のコネを使って、物件情報をもらって販売営業をしていくといったような起業です。
現役時代との違いは何かというと、不動産会社の営業マンを例にとると、サラリーマン時代は売れなくても給与はもらうことが出来ました。
それが、個人で起業すると、売れなければ収入がゼロになってしまいます。
さらに不動産の販売の努力をする過程で使った電話代とか電車賃などの交通費も全部個人で負担することになってしまいます。
そのかわり売れたときの収入は全部自分のものです。 リスクも高いけれどもリターンも大きい。 ある意味、ハイリスク、ハイリターンです。
定年後には再就職がいいか、あるいは個人事業を始めるのがいいか、これは我々一人一人の性格によると思います。
定年後の再就職のケースでは、若い人たち中心の職場に配属されて、みんなから煙たがられたり、 あるいは以前の部下が上司になるといったように、 精神的苦痛になるケースもあります。
しかし毎月毎月、給料日には、きちんと給料が個人の預金通帳に振り込まれます。
たとえ給料が現役時代の半分に減ってしまったとしても、毎月毎月、会社が給料を振り込んでくれる。これはすごいことです。
一方、個人事業の方は、払うべき給料の分を、自分自ら稼いでこないといけない。 今月給料が稼げないかもしれないことを不安に思い、精神的苦痛に感じるか、 あるいは、 たとえ今月はダメでも来月もしかすると300万円くらい稼げるかもしれないと思って、チャレンジしようという気になるか、この辺は、まったくもって、一人一人がどういうタイプの人間かによると思います。
起業に向いていない人が起業しても楽しくありませんし、失敗するリスクも高くなると思います。
番組ではこの辺を探っています。
大晦日の夜ということで、ラジオ放送を聞き逃された方は今からでもポッドキャストで聴くことができます。
『こちら(日経ラジオ)』のサイトをクリックすると出てくる『岩崎日出俊の生涯現役!を「聴く」』のボタンを押してください。
iTunes でも聞けます(無料です)。『こちら』です。
年末のためかポッドキャストもiTunesも、現時点ではまだアップされていませんが、しばらくするとにアップされると思います。
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