日本の金融機関の巻き返しは・・?
1989年、日本のバブルが影響していたのですが、金融機関を世界で時価総額順に並べてみると、トップ20に日本の銀行、証券などが19社も入り、日本勢がこのリストをほぼ独占していました。
いま同じようなリストを作ってみると、世界のトップ20に入ってくるのは、三菱UFJが14位に入るのみ。
世界3位の経済大国にしては日本の金融機関の地盤沈下が目立ちます。
私は拙著『リーマン恐慌』でも書きましたが、金融が経済を牽引するという考えには、必ずしも賛成していません。
実需のないところに、金融工学を駆使して、世界の金融センターになろうとしても、アイスランドのような誤りを犯してしまう危険性が高いからです。
むしろ金融は黒子に徹し、その国の産業、経済を支えるものでなければならない。
けっして金融に「しゃしゃり出ろ」と言っている訳ではないのですが、それにしても日本は世界第3位の経済大国です。
その日本の金融機関が世界のトップ20に1社しか顔を出さないというのは何とも寂しい状況です。
現場の世界に目をやっても、私が現在コンサルタントとしてお手伝いしている中堅中小企業の社長さんたちは、なかなか銀行が自分の会社のことを理解してくれない、融資に対しても極めて慎重で必要な資金が調達できないとの印象を持っています。
銀行にしてみれば良質な資金需要が少ないため「預金に対する貸出の比率」(預貸率)が低いということなのでしょう。
その辺は貸し手と借り手の見方の違いなのでしょうが、金融規制はこれにどう影響しているのでしょうか。
BIS規制上、国債を持ったほうが貸出を行うよりも(必要とされる自己資本が少なくてすみ)楽だ、ということで、預金受け入れなどで集めた資金を国債に投下しやすくなっている状況もあると思います。
(しかし余談になりますが、その結果、銀行が購入したイタリア国債が本当に中小企業に貸すよりも安全だったか、先日ブログに書いた記事『こちら』なども参考にしてみてください。MFグローバルの破綻で明らかになったように債券というのは値動きが激しく実は危険性の高いものです)
以上のような問題意識を持ちながら、先日『ザ・金融闘論』に参加しました。
テレビ番組を見逃した方、日経CNBCはケーブル契約をしていないので見れないという方もいらっしゃると思います。
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