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2012年1月22日 (日)

経営とは連続性

昨日の『集まれ!ほっとエイジ』(毎週土曜日、夜9時、日経ラジオ)では、「定年後にラーメン屋を始めると失敗する(その1)」と題して、定年後起業を失敗させないための方策をご紹介しました。

1週間前の14日(土曜日)には、70歳でヘッジファンドを始めた人の話などをしたのですが、番組を聴いておられる皆さん方のなかには、『ヘッジファンドといった「だいそれた」ことではなくて、定年後は小さなコーヒーショップとか、こじんまりとラーメン屋を始めたい』とおっしゃる方もおられるようです。

しかし、ちょっとひねくれた見方かもしれませんが、私はコーヒーショップやラーメン屋の方がむしろ危ないと思っています。

ヘッジファンドを始めたバートン・ビッグスは70歳まで現役で金融の世界にいました。 あくまでも、彼はこれまでやってきたことの延長線上で起業したわけです。

一方、定年後に小さなコーヒーショップとかラーメン屋を始めたいという方で、今まで飲食業とくに外食産業にかかわってきた人であれば別ですが、そうでない方がやると、失敗する確率がぐんと高まります。

やはり定年後の起業は(もしやる場合には)現役時代にやってきたことの延長線上で考えた方が安全だと思うのです。

* * * * * *

さて、よく芸能人やスポーツ選手が飲食店を始めたという話とか、そういったお店に結構行列が出来ている、数ヶ月待たないと予約がとれない、といったニュースを目にします。

しかしこういった店が成功するかというと、それがそうでもないのです。

かつて「経営とは連続性である」と言った経営者がいましたが、行列が出来るというような一過性の人気を博することと、それを繰り返し実践し、連続できることとは全く別のことです。

実現するための仕組みづくりこそが、いわば経営の要なのです。

知名人でなくても、一過性の人気を得るのであれば、メディアを上手に使えば、なんとか実現できます。

最近ではPRエージェントといった、その種の話題を専門的に作り出すことを仕事にしている人たちもいるのです。

しかしそうして話題になった店も、それが長続きしないと、経営的には苦しくなります。

客足がだんだん遠のき、収入が減っていきます。

一方で、コストの方、特に固定費のところは、収入が減ったとしても、なかなか減少していきません。

結果として、収益、これは「収入」マイナス「コスト」ですが、この収益の方が厳しくなってしまうのです。

* * * * * *

ところで、経営とは連続性であるとして、その「連続性」を実現する上でのポイントは何でしょうか。

ラーメン屋の場合、立地と味、そしてコスト、この3つがポイントとなるでしょう。

立地については、番組の中では、相川プロデューサーが記者時代にヤマダ電機の山田会長にインタビューしたときの話なども紹介されました。

ヤマダ電機とダイエーの違い、ヤマダ電機の店舗展開で徳島県が遅れた理由など、私にとっても興味深い内容でした。

番組を聞き逃された方は今からでもポッドキャストで聴くことができます。

こちら(日経ラジオ)のサイトをクリックすると出てくる下記ボタンの「聴く」を押してください。(下記ボタンをいきなり押してもリンクされていません。必ず『こちら』をまずクリックしてください)

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なお iTunes でも聞けます(無料です)。

『こちら』です。

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