ヴィクトリア朝時代のインターネット
昨晩のデジコンサロン(第155回)は朝日新聞の服部桂さんのお話(詳しくは『こちら』)。
米MITメディアラボに派遣されていた(客員研究員)経歴の持ち主。
講演は最近服部さんが訳された『ヴィクトリア朝時代のインターネット』と
『謎のチェス指し人形「ターク」』をベースに行われました。
どちらの本もトム・スタンデージの著作、服部さんの翻訳です。
以下、デジコンサロンのサイト(案内)より。
『インターネットやコンピュータの本当のルーツは、ARPAネットやENIACではない。
19世紀に発明された電信は、電気の力を使うことで、郵便などの情報の物的伝搬をはるかに超える伝達メディアとなり、時間と空間を消し去った。
それによって世界はあっという間に小さくなり、外交や戦争のやり方は一気に変わり、人々の世界観は大きな変更を余儀なくされた。
そこではまた、オンライン詐欺やハッカー事件、暗号の多用、オンライン恋愛など、現在のネットで取りざたされるあらゆる社会現象が起きた。
これこそ、インターネットと同じ原理で動く現在のネットのルーツだ。
また18世紀にオーストリアのマリア・テレジア女帝の臣下フォン・ケンペレンが製作した、トルコ人の格好をした自動人形(オートマトン)は、人間とチェスを指して連戦連勝したという。
そのオートマトンは王族や貴族、はたまたナポレオンやフランクリンとも勝負して勝った。
そのトリックを暴こうとした、米ジャーナリストのエドガー・アラン・ポーの記事はミステリーの元祖となった。
またこの機械人形が知的だと信じたチャールズ・バベッジは機械式計算機を組み立て、現在のコンピュータの元祖を作った。
つまりこの人形が知的機械としてのコンピュータのルーツとなったのだ』
この2冊については瀬名秀明さんが『ネットと人工知能の源泉を辿る』と題して、今年2月7日発売の週刊朝日(2012年2月17日号)に書評を載せています。
『『ヴィクトリア朝時代のインターネット』は・・・以前からデジタル業界で知られた待望の邦訳書だが、同著者による・・『謎のチェス指し人形「ターク」』も併せて読むことで面白さは倍増する。
前者がデビュー作らしい正統的な書きぶりに対し、後者は構成もこなれたスリリングな書物に仕上がっているからだ・・読むほどにイマジネーションが膨らむ危険な1冊なのだ』
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