マージンコール
映画『マージンコール』のDVDを観ました。
内容的には大したことない・・(と言ったら失礼なのですが・・)。
しかし私には抜群に面白かったです。
百聞は一見にしかず。
私のつたない文章を読むよりも『こちら』の日本語版予告編をご覧になってみてください。
(A)外資系企業で働いている(働いたことのある)人、あるいは
(B)金融に従事している(従事したことがある)人は、
私と同じように、引き込まれるようにこの映画を観ると思います。
(とくに私の場合、外資系投資銀行にいたのでAとBが重なり、よけいに面白かったのかもしれません)。
以前にこのブログで『ウォール街』と『ウォール・ストリート』を紹介したことがあります。
どちらも映画としては楽しめたのですが、やはり「作られた物語」の域を出ません。
とくに『ウォール・ストリート』の方は、私としては期待していたほど楽しめませんでした。
また『インサイド・ジョブ』についてもこのブログで紹介したことがあります。
こちらはインタビューを中心に構成されているドキュメンタリー風の映画であり、一見の価値はあると思いますが、登場人物の心理にまで深く入り込むものではありません。
『マージンコール』の凄いところは、作られた物語なのですが、非常にリアリティが高く、起きたことを淡々と描いていることです。
もっとも私自身、投資銀行のセールスやトレーディングにいたわけではないので、映画で描かれた世界は「垣間見た」世界に過ぎません。
しかし例えばオフィスの家具のディテールや役員食堂など、いろいろな場面のリアリティの高さに感銘しました。
『ウォール街』のようなストーリーを求めている人には、『マージンコール』はあまりにも淡々としていて、これといった起伏もないので、物足りなさを感じるかもしれません。
しかし投資銀行を経験している(経験した)人、リーマンショックと何らかのかかわりを持った人には、忘れられない映画になると思います。
人類はリーマンショックと同じような過ちをまたどこかで犯してしまう。観おわって、そんな感想を持ちました。
なお映画はアカデミー賞(脚本賞)にノミネートされています。
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