運命の人
TBSテレビ運命の人「最終回」をみました。
テレビドラマとしてはひじょうに良くできていたと思います。
震災後、2012年にまで戻すエンディングもさすがだと思いました。
インタビューに答えて原作者の山崎豊子さんはかつてこうコメントしていました。
「第四の権力と言われて久しいマスメディアについては、いつか書いてみたいという気持ちを持ち続けてきました。
しかしこれという題材に出会うことができなかったのです。
ひとつのきっかけは、前作の取材中に、ふと思いついて沖縄を旅したことでした。
初めて訪れた沖縄で、地元の人に様々お話を聞きました。沖縄戦のことや、米軍統治下のこと、現在の米軍基地問題・・・・・・。
先の戦争で、大学生だった私は軍需工場へ動員されました。
その時の辛さ、悲しさが私の作家としての原点でもあります。
私はなんとなく沖縄が祖国復帰して万々歳、様々な問題は片付いたような気になっていたのですが、実際にこの目で見た沖縄の実情は違いました。
やはり戦後の日米関係、沖縄返還には、何か歪みがあったのではないかという気がしてなりませんでした。
その時、沖縄をなんとしても書きたいという気持ちが湧いてきたのです」
[運命の人―山崎豊子「著者インタビュー」(『こちら』)より]
最終回は著者のこうした思いに応えた出来ばえだったと思います。松たか子、真木よう子、美波といった女性陣の演技も見ごたえありました。
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