日本の投資信託市場の現状と今後
昨晩は日経CNBCテレビ「日経ヴェリタストーク」に出演しました。
(1)米国と比較して日本の投信市場の特徴
1つは米国に比べると、日本の投信市場はまだまだ成長の余地が高いこと(別言すれば未成熟なこと)。
日本の投信残高は60兆円で、米国は930兆円。
日本は米国の16分の1です。
20年前に比べても米国は16倍になりましたが、日本では1.4倍にしか増えていません。
日本の市場規模が米国に比しかなり小さいことについては下記の理由が考えられます。
・ 401K市場が米国で発達していること。
・ 日本は低金利、株安が続いたこと。
日本の投信市場の2つ目の特徴は、日本では毎月分配型が全体の70%を占めること。これも異例です。
3つ目は日本では通貨選択型など仕組みが複雑なものが多いこと。
(2)毎月分配型投信の問題点
問題点の1は誤解されやすいことです。
つまり個人投資家の方々のかなりが分配金=配当金(もしくは利息)と誤解しています。
しかしながら多くの場合、分配金>運用益の関係にあります。
日経新聞(12年1月27日)によると、野村総研が毎月分配型投信735本を調べたところ、昨年1年間に期間中の運用益以上の分配金を出していた投信は93%にあたる700本に上ったとのことです。
問題点の2は、分配金に税金がかかること。
3は、分配金として支払われてしまうと、その分、再投資が行われない(複利効果が望めない)ことです。
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番組ではこのほかにボラティリティー・パズルなどについても触れました。
詳しくは再放送をご覧ください。
5月2日(水) 18:30~および、同日19:06~の2回にわたって再放送されます。
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