PE受難の時代
「お会いするのが10年ぶり」という方にこの頃よく会います。先週お会いしたのはリップルウッドで活躍されていた植田さん(元RHJインターナショナル・ジャパン代表取締役社長)。
かつて日本長期信用銀行が売りに出た際、私が勤めていたJPモルガンはリップルウッドに対抗する形で買収に名乗りを上げました。
投資銀行にとって、リップルウッドのようなプライベート・エクイティ(PE)ファンドは、ときには競争相手、そしてときには重要な顧客です。
ところでリップルウッドはその後RHJインターナショナルとしてユーロネクストのブリュッセルで上場(『こちら』)。
2010年には Kleinwort Benson を買収します。
RHJインターナショナル社の最近のアニュアルレポート(『こちら』)を見るとリップルウッドの創業者ティム・コリンズ(Timothy Collins)は当社の役員を務めており、Chairman of Investment and Strategy Committee の職にあるとか・・(当社のCEOはLeonhard Fischer)。
ティム・コリンズについては2009年7月から2012年4月までCitigroup, Inc. の役員を務めていたという記述もありました。
植田さんの方はというと、2008年、「いわかぜキャピタル」という会社を設立(『こちら』)。プライベート・エクイティ(PE)ファンドの運用を主な事業内容としていましたが、今は M&A アドバイザリーサービスや企業の中国展開をサポートするアドバイザリーサービスなども(PE事業とともに)提供しているとのこと(『こちら』)。
「いわかぜキャピタル」とはなにやら幸田真音や真山仁の小説に出てきそうな名前。
リーマンショック後、機関投資家はオルタナティブ投資(alternative investment )に消極的になり(1)、株式市場も低迷(2)しています。
つまりPEは、(1)資金レイズと(2)投資した企業のエクジット、別言すれば、前(1)と後ろ(2)の双方で難しい状況に見舞われています。
いわばPE受難の時代。
にもかかわらず、10年ぶりにお会いする植田さんは以前にもまして「頼りがいのあるボス」といった風貌でした。
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