夏休み初日
昨日は夏休み初日(『こちら』)というので朝の新幹線は満席でした。
家族連れで賑わう中、私は講義のため大阪まで行って帰ってきました。
実は、大阪経済大学社会人大学院の授業にはここ数年、毎年のように聴講しに来てくださる方がいます。
毎年聴きに来て頂けるとは、講師にとっては有難い話で、こうなると、こちらも真剣勝負。
毎年授業内容を変えるようにしています。
もちろん基本テーマは企業分析(DCF法)による投資判断であり、その部分では言っていることは毎年同じなのですが、材料については毎年変えるようにしているのです。
昨年はアップルを材料にして授業を進めました。
テーマはずばり『アップルの株。 売るか買うか』というもの(昨年の授業に関するブログ記事は『こちら』)。
当時(1年前)のアップルの株価は1株 364ドルでした。
このときの授業の状況はというと、昨年も書きましたが、受講生たちの意見は、中立的意見が1人だったのを除き、あと全員が『アップルの株は売る』というもの。
アップルの株を買うと答えた人は(受講生ではありませんが)私1人でした。
もちろん私は授業で買うと言った以上、この時のタイミングで実際に買いました(実はそれ以前(『こちら』)にも、そして今年に入ってからも買っています。なお現在アップルは600ドル前後を行ったり来たりしています。当面のポイントは今週火曜日の4半期決算発表ですね)。
さて今年はというと、シャープを題材にクラスで討論を進めています。
大学の事務の方に協力頂き、145頁からなる有価証券報告書を受講生全員分コピーしてもらいました。
そしてこれを皆で読みながら、シャープという会社を投資家としてどう見るか、考えてみようという授業です。
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ところで、いざ教材を作り始めてみて気づいたのですが、シャープの有価証券報告書、たとえば同業他社の東芝と比べると開示内容がいまひとつです。
セグメント情報ひとつをとっても、東芝の場合は、①デジタルプロダクツ(PC、映像機器、複合機)、②電子デバイス(半導体、ハードディスク、液晶ディスプレイ)、③社会インフラ(エネルギー、医用機器、ITソリューション、エレベーター)、④家電(冷蔵庫、洗濯機、照明、空調)、⑤その他(物流サービス)と分かれて記載されています。
一方、シャープはというと、エレクトロニクス機器と電子部品に分けているだけ(注:売上については①液晶カラーテレビ、②液晶、③携帯電話、④その他に分けて開示している頁もありますが、営業利益のこの分類でのセグメント情報はありません。)
ところでこの話にはさらに先があります。
実は、シャープによる投資家向けプレゼン資料をみると、①AV・通信機器、②健康・環境機器、③情報機器、④液晶、⑤太陽電池、⑥その他電子デバイスに分けて説明しているのです。
この辺は、一部の機関投資家だけではなく、有価証券報告書にも開示することにより、一般個人投資家に対しても平等に示してほしいと思います(もっとも一般個人投資家も、シャープが行っている投資家向けプレゼン資料にはホームページからアクセスできるので、その意味では平等なのでしょうが・・)。
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さて来週もシャープを題材に授業を進めます。先週、年初来最安値を更新したシャープの株価。
このブログ記事を読んでいる皆さんは買いますか、それとも売りますか。
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