冒険しないことこそ、一番の冒険である
昨日は日経CNBC『日経ヴェリタストーク』に出演しました。
今週の日経ヴェリタスは老舗企業の特集。
老舗企業の強みとは?
①世紀を超えて通用する企業理念
日経ヴェリタスで特集された戸田工業の場合は戸田家の家紋「轡に十文字」が社章となり、受け継がれています(詳しくは『こちら』)。
住友グループの場合は、浮利を追わず。
②時代に合わせて自己変革していく力があるからこそ、世紀を超えて生き残れる
まだ世紀を超えたわけではないですが、1917年創業のBMWの社内では「冒険しないことこそ、一番の冒険である」と言われ続けてきたとのことです。
話は少しそれますが、今から8年前、天才カーデザイナー、ダビデ・アルカンジェリ(Davide Arcangeli) が心血を注いで完成させたBMW5シリーズのデザインが、BMWの役員会で承認されました。そしてまさにその日に、彼は白血病によって若くしてこの世を去ったと言います(2004年11月;『こちら』)。
当時のデザインはまさに冒険だったようなのですが、今はもう見慣れてしまいました。
③2代目、3代目、4代目といった経営者は生まれた時から経営者になるよう言われ、歴史によって評価されるという意識を持つようになる
この辺はサラリーマン出身の経営者と違うところ。
老舗企業の経営者にとって重要なのは、祖先からどう評価されるか、自分の孫、ひ孫などこれから先の世代にどう評価されるか。
もちろん大王製紙の井川前会長のような例外もたくさんあるのですが・・
なぜ日本には長寿企業が多いのか
職人を重んじる文化と関係あるかもしれません。例えば昔からの刀を作る技術が日立金属などの企業に受け継がれてきています(『こちら』)。
なお一見して、「よく切れそうだな」と思わせる刀では、まだダメなのだそうです。
本当の名刀には、得も言われぬ「品位」があり、一切の思いを抱かせない「圧倒感」がある、そしてその圧倒感が敵に戦う気を失(な)くさせてしまうのだとか・・・・(『こちら』)。
『こちら』のブログによれば、「正宗」と「村正」の両刀を水の流れに立てて、川上から「枯葉」を流すと・・・・
「村正」は見事に枯葉を両断。
ところが、枯葉は「正宗」を避けて流れ去ったのだとか・・・・。
いずれにせよ日本では職人による製造技術が芸術にまで昇華してしまったようなところがあります。
米国のダウ平均株価
ダウ平均株価採用30銘柄のうち、デュポン(1802年創業)、P&G(1837年創業)など20社までが社歴100年以上を誇っています。
* * * * * * * *
『日経ヴェリタストーク』、再放送は:
7月18日(水) 18:30~、19:06~です。
| 固定リンク
コメント