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2012年8月27日 (月)

戦後史の正体

一昨日は書店について書きました。

私がよく行く書店で現在店頭で大きく平積みされている本がこれ。

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            『戦後史の正体』 

アマゾンを覘くと52件ものレビューが寄せられており、しかも評価が2分されている(星5つの人と星1つの人)のが特徴です(『こちら』)。

本書に書いてあることが本当かどうか、それは読者一人ひとりの判断に委ねられるのでしょう。

しかし明らかなことが一つだけあります。

それはアメリカは当然自国の国益を優先させて諸政策を進めてきていること。

この点を理解すれば、本書に書いてあることの多くは、「えっ、まさか・・」ではなくて、「さもありなん」と理解できるかもしれません。

その昔、私がまだ20代の頃ですので、30年以上前のことですが、プリンストン大学の院生と会ったことがあります。

「卒業後はCIAに行きたい」と彼が涼しい顔をして語るのを聞き、それこそ当時は「えっ、まさか・・」と驚いたのが思い起こされます。

CIAなんて、私にとってそれまではスパイ映画の世界であり、あまり現実感がありませんでした。

しかしアメリカの国益を思う人にとっては進路として当然あり得る選択肢なのでしょう。

余談ですが自民党政権下で大臣を務めたことのあるAさんと内輪の会合で食事をご一緒した時、彼が冗談交じりに次のように嘆いていたことが思い出されます。

「アメリカに嫌われるような政策を進めようとすると、どういうわけかネガティブなキャンペーンがどこからともなく出てきて、最悪の場合は選挙に落選してしまう」

ところで舞台は日本ではありませんが、CIAの諜報員の実際の活動(とその顛末)を描いた作品としては、 Fair Game: How a Top CIA Agent Was Betrayed by Her Own Government」という本があります。

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1年ほど前にこのブログでも紹介(『こちら』)しましたプレイム事件を著したもの。映画にもなっています(『こちら』)。

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2012年8月25日 (土)

世界の本屋さん

日本でも海外でも街を歩き、本屋さんを見つけると入ってみたくなります。

アルゼンチンの南、もう少しでマゼラン海峡といったところにある「エル カラファテ」という街。

下図のAのところの街です。

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「日本からもっとも離れた」といってもいいくらいの場所ですが、この街で見つけた本屋さんには、店の中、奥の方の一角に日本マンガのコーナーがありました。

ドラゴンボールを初めとして数多くの日本のマンガ(スペイン語に訳されています)が、ところ狭しと並んでいたのが印象的でした。

「こんなところにまで」と、ちょっと驚くと同時に、何となく嬉しかったのを思い出します。

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  (エル カラファテの街の入り口)

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  (丘の上から見たエル カラファテ全景)

さて世界にはいろいろな本屋さんがありますが、「世界でもっとも美しい20の本屋さん」という特集で紹介された本屋さんは、『こちら』

クリックすると美しい本屋さんの画像を次から次へと見ることができます。

日本の代官山・蔦屋書店も堂々とランクインしています。

ところで日本で本屋と言えば、老舗書店が並ぶ神保町。

ここにも今年3月カフェを併設した「ブックカフェ」が出現しています(『こちら』)。

このように、美しい本屋さん、楽しい本屋さんがが増えるのは嬉しいことです。

しかし本屋の基本はやはりハードではなくてソフト。

「この本は面白いぞ」とばかり、本屋の親爺が店の前面に平置きで出してくれる ― この選別が読者にとっては貴重です。

そして、書店員の目利きが良い本屋さんは、たとえ内装や外装が古くても、繁盛しているように思えます。

そういった意味で地球の反対側、エル カラファテの本屋さんの目利き度合いにはなかなかのものがありました。

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2012年8月24日 (金)

株式投資の極意

ご案内が遅れてしまいましたが、今週火曜日(21日)、ラジオNikkei の「集まれ!ほっとエイジ~シニア予備校」(毎週火曜日11:35~12:00/再放送 23:30~23:55)に出演(『こちら』)、(ちょっと大袈裟ですが)株式投資の極意といったことについてお話ししました。

株式投資の基本は「安く買って、高く売る」です。

長期投資と称して、この「売る」ということを考えない人もいますが、売らないことには利益は実現しません。

もうひとつ。どんな会社も永遠に覇者であり続けるということもありません。

「盛者必衰」とまではいかなくとも、どの会社にも必ずピーク期があります。

かつて時価総額ナンバーワンだったマイクロソフトでもそうでしたし、アップルだっていつかはピークを迎えます。

したがってピークから、通常期もしくは衰退期に入りかける、その前で、売り抜ける必要があります。

「長期投資はBuy and hold だから」と言って、いったん買ったら放置している人がいますが、お勧めできません。

1週間に1回、30分間くらいは、このまま持ち続けるので良いのか、検証する時間に充てたいものです。

参考までに付け加えますと、長期投資で知られるバフェットは『住む家を毎年売買する人はいない』と言って、一度買った銘柄は比較的長く保有しています。しかしよく調べてみると、その投資手法は極めて実践的で柔軟性に富んでいます(『こちら』)。

番組ではこのほかに以下の点について触れました。

【1】そもそも株式投資で「勝つ」とはどういう意味か

【2】個人は機関投資家に勝てるのか

【3】リスクとリターンの関係はどう考えればよいか

  ~預金に置くのと株式投資では長期的にどちらの方がリターンが高いか

【4】短期売買を繰り返すのと中長期的な投資のどちらが良いか

【5】塩漬け状態になるのをどうやって回避するか

【6】株式投資とQOL(Quolity of Life)との関係

【7】日本株が良いのか米国株か

最後に株式投資の極意とでも言うべきポイントについてもいくつか触れました。

  • ニコラス・ロディッティと会ったときに彼が話した「お金は干し草の陰で成長するのさ」とはどういう意味なのでしょうか。
  • 私自身、株式投資に対して、なんらかの思い入れ、雑念があったときに、失敗してきていますが、これはいったいどういうことでしょうか。
  • 「失敗から学ぶこと」、「間違えたらすぐに正すこと」、「市場の怖さを知ること」とは、それぞれどういうことでしょうか。
  • そして私がこれまでに会ってきた世界の著名な投資家たちに共通していることとは・・?

番組を聴き逃した方は 『こちら』 のサイトをクリックしてみてください。

下記のような表示(2か所ありますがどちらでもOKです)があります。

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ここで、「集まれ!ほっとエイジ~シニア予備校(2012.8.21放送分)岩崎日出俊」

の文字にカーソルを当てて、クリックをすれば、いつでも番組を聴くことができます。

(必ず 『こちら』 のサイトに入ってから、クリックしてください)。

なお iTunesでも聞けます( 『こちら』です。無料です)

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2012年8月20日 (月)

夏の読書(その4)

海外の航空会社の飛行機に乗るとき、その国の言葉で語られるアナウンスを注意深く聞いていると面白い発見をすることがあります。

たとえば韓国の航空会社のアナウンスで何回か「カバン」という発音を耳にしたことがあります。

これはもしかすると「鞄(bag)」のことではないかと思い、韓国語のアナウンスに続く英語のアナウンスを注意深く聞くと、やはりどうもそうらしい。

調べてみると日本語に似た発音の韓国語というのが結構ありました。

以下、『こちら』のサイトの情報です。

【同じ漢字である程度、発音も似ているもの】

新聞→シンムン

微妙→ミミョウ

写真→サジン

不可能→プカヌン

高速道路→コソクドロ

野球→ヤグ

珈琲→コピ

都市→トシ

約束→ヤクソク

監督→カムトク


* * * * *

そもそも韓国ではハングル文字が使われることが多いとのことですが、「李明博大統領」といった表記のように、人名になると漢字が使われることも多いというのはどういうことでしょうか。

これまで私は仕事で韓国を訪問することが幾度かありました(たとえば『こちら』)。

しかし実のところ、この隣国のことを知っているようで意外と知らない ――

そしてこれはもしかすると、私だけでなく、多くの日本人に共通することなのかもしれません。

ということで昨日読み終えたのが、韓国が漢字を復活できない理由』(→『こちら』)。

     Korea
本書によると、

① 韓国には漢字派とでも呼ぶ人々と、ハングル派の対立がある

② 韓国はもともとは漢字国だった。日本以上に漢字を多用していた

③ 世宗王が創製したハングルも、以前は、諺文と呼ばれ、蔑まれつづけ、知識人が使うことはなかった

④ 韓国で使用される漢字熟語の7割あるいは8割は、和製漢語

⑤ 古代の「三国史記」から、近世にいたるまで、文献を調べたところ、韓国は、過去2000年間に、960回も異民族の侵攻にさらされた

ということのようです。

最後の⑤は、良く考えると、ほぼ2年に1回の割合で、異民族の侵攻を受けたということになります。

この点については本書にもう少し詳しい説明があります(以下抜粋)。

「『三国史記』によれば、『倭、寇す(日本人が攻めてきた)』などという小競り合いの記事が、何度も登場する。

九六〇回は、こうした国境侵犯のような戦闘も含めての話である。

現在、もっぱら日本が悪役を押し付けられているが、ほとんどは、国境を接している中国からの侵略である。

あるいは、中国を征服した異民族が、余勢を駆って攻め込んできたケースである」

これに関連してですが、本書の著者豊田さんが、知り合いの韓国人教授王さんと会ったときの話が出てきます。

「王姓の人は中国人では珍しくないが、韓国人では初めて会った」と豊田さんが話すと、王さんは「みんな殺されてしまいましたからな」と返答。

王さんいわく

「李氏朝鮮が立ってから、高麗王家の子孫は、見つけしだいみな殺されましたからね」。

王教授の言葉は、豊田さんにとってショックだったようで、「日本人は、これほど過酷な歴史を体験したことがない」と記しています。

* * * * *

やはり韓国については知らないことが圧倒的に多い ―― 私は本書を読んで改めてそう感じました。

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2012年8月19日 (日)

夏の読書(その3)

「私のような企業経営者にとって、政治批判はけっしてプラスなことではない・・だからこそ私も、これまで政治批判を慎んできた・・」

このように書くのは、ファーストリテイリング(UNIQLO)の柳井正さん。

『PHPのボイスVoice 9月号』に柳井さんが寄稿した『世界最低の「官僚社会主義」と訣別せよ』のなかの一文です。

   Voice

柳井さんと言えば、かつて朝日新聞のbe(毎週土曜日)に「柳井正の希望を持とう」と題するコラムを連載(ちなみにこれも本になりました→『こちら』)。

私は当時毎週かかさずこれを読んでいました。

その柳井さんが恐らくは(あくまでも私の推測ですが)かなりの怒りを込めて一気に書いたのが本稿、『世界最低の「官僚社会主義」と訣別せよ』であり 、読み応えのある文章に仕上がっています。

柳井さんはとくに日本のバラマキ型財政体質を批判。

消費税増税に際しても「財政再建に向けた具体的な説明がいっさいない」と指摘。

せっかくの増税も財政再建に結びつかずに、整備新幹線、国土強靭化法案、高速道路一部区間の無料化といったバラマキに繋がっていく可能性の高い現状を危惧しています。

(私も同じように心配しており先日ブログ記事に書いたところです→『こちら』)。

柳井さんの鋭い筆鋒は、責任を取らない日本的な組織の体質にも向けられ、「消えた年金問題、原発事故の責任者を処罰せよ」と主張。

返す刀で「保護されて伸びた産業はない」、「日本の官僚を海外でもっと勉強させよ」、「五十代以上は早期退職させて、若い人たちがもっと自由に力を発揮できる環境を整えたほうがよい」と提言しています。

たしかにファーストリテイリングのように大企業となった会社の経営者にとって、ここまで「歯に衣着せぬ」文章を寄稿するのは勇気がいったと思います。

これは緻密な論理構成で書かれた文章ではなく、「日本を何とかしなくては」との強い思いにかられた「勢い」で書かれた文章。

だからこそ一読の価値ある文章だと思います。

柳井さんは本稿を次のように締めくくっています。

「戦後の荒廃から日本を立ち直らせた主人公は、政治家でも官僚でもなかった。

ミカン箱の上に立って従業員の前で「世界一になる」と宣言した本田宗一郎や、ニューヨークの五番街に最初に日章旗を立ててやると誓った盛田昭夫のような起業家であった」

「当時、彼らにあったのは夢であり、志だけであった」

「活路は世界にある!」

「私は日本人の底力を信じている」

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2012年8月18日 (土)

夏の読書(その2)

以前にこのブログで池波正太郎の東京・下町を歩く』をご紹介しました(『こちら』)が、続編が出ました。

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『池波正太郎の江戸東京を歩く』(→『こちら』)。

この本では、上野、湯島、谷中、神田、お茶の水、四谷、虎ノ門、芝、増上寺などがカバーされており、「下町編」以上に私には興味深かったです。

出てくる場所や写真が私にとって身近なものが多かったからかもしれません。

たとえば私が金融機関に勤めていた時、天ぷらが好きだという取引先がいました。

この取引先を接待するときに使ったことのあるが「山の上」。お茶の水の「山の上ホテル」にあります。

池波さんはこの山の上ホテルを定宿にしていたのだとか。

百万円を予め山の上ホテルに預けておき、ホテルに郵便貯金の通帳を作ってもらって精算していた・・・・。

しかも池波さんはホテルではけっして原稿を書かず、文学賞の候補作を読み込んだりしていたといいます。

本書に出てくる愛宕神社に関する記述も面白かったです。

慶長8年、江戸に幕府を設く徳川家康の命により防火の神様として祀られた愛宕神社。

この愛宕神社の鳥居を正面に見てまっすぐ登るのが男坂です。

これは「出世の石段」と呼ばれるそうですが、その名は徳川家光と曲垣平九郎との逸話に由来するのだとか(本書に詳しい説明があります)。

本書を片手に東京の街を歩いてみるのも楽しいかもしれません。

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2012年8月17日 (金)

夏の読書(その1)

朝日新聞(8月14日)に載っていた経済学者、金子勝さんの文章が目を引きました。

「ある国会議員が、高額所得の芸能人の母親が生活保護を受けていることを問題にしました。

その芸能人は法律(生活保護法)に違反していたわけではありません。

でも、人気商売である芸能人が反論できないのをよいことに、テレビや週刊誌からも袋だたきにされ、多くの人がその騒動を楽しみました・・・

その議員は、親族の扶養義務を強めるべきだと主張しました。

でも、そんなことをされたら、たちまち生活に困ってしまう弱い立場の親子だっているんです」

* * * * *

『生活保護の謎』(祥伝社新書→『こちら』)の著者、武田知弘さんによると、「生活保護の本当の問題は不正受給ではない」と言います。

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私も知らなかったのですが、武田さんによると生活保護に関しては次のような事情があるとのこと。

「あまり知られていないが、実は日本の生活保護費というのは、先進国の間では最低のレベルなのである。

支給総額も、受給者の人口割合も、先進国の中では断トツに低い。

生活保護受給者が200万人を突破したなどと大騒ぎされているが、世界的に見れば、日本の生活保護費はまだまだ少ないほうなのである」(本書24頁)

そして武田さんは、本当の問題とはこういうことだと主張します。

「生活保護に関して、恐ろしい問題が待っている。

それは、生活保護予備軍が、実は2000万人単位でいる、ということだ。

統計的に見て、あと30年後には、必ず2000万人単位で生活保護受給者(資格保持者を含む)が生じる。

現在の10倍である」(本書25頁)

そして問題の根底には日本の社会が急速に格差化していることが挙げられると言います。

「平成11(1999)年には、年収5000万円を超すサラリーマンは8000人ちょっとだったのが、2006年には2万人を超えているのである」(本書40頁)

* * * * *

このほかにも「東京・千代田区では家族4人の生活保護支給額は、月30万円」だとか、「生活保護費の50%以上に相当する額が、医療機関に流れている」など、本書には生活保護に関する情報が満載といった感じです。

あえて難点をあげるとすると、読者として知りたいと思うデータ類の出所が記されていないところが比較的多い点。

新書なので仕方がないのかもしれませんが、たとえば上記の「年収5000万円を超すサラリーマンが10年で2倍以上に増加した」という記述に関し、本書にはこれは「国税庁の統計記録であり、国税庁のサイトで誰でも見ることができる」と書いてあります。

しかし実際に国税庁のサイトに行って、どの統計記録なのか、探してみましたが、私には見つけることができませんでした。

私の探し方が悪かったのかもしれませんが、本書をベースにもう少し簡単にオリジナルデータに行けたら、読者に対して親切ですし、使い勝手も増すと思いました。

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2012年8月16日 (木)

金利の上昇

今月に入って米国の金利(10年もの国債のyield)がじわじわと上がり、昨日はここ3カ月でもっとも高い水準に達しました(『こちら』)。

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  (図はクリックすると大きくなります)

マーケットの関心は選挙(11月)前にFEDがQE3を行うのかどうか。

毎年注目されるジャクソン・ホールでのスピーチ(『こちら』)ですが、今年は8月31日。

FOMCは9月12~13日です。

自分の過去のブログを見てみて、去年もまったく同じようなことを書いていた(『こちら』)のが興味深かったです。

ここ1年間、マーケットはバーナンキの「必要ならば(QE3を)行う」という言葉に振り回されてきたような気もします。

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2012年8月15日 (水)

ラジオNIKKEI

昨日は ラジオNikkei の「集まれ!ほっとエイジ~シニア予備校」(毎週火曜日11:35~12:00/再放送 23:30~23:55)に出演しました(『こちら』)。

皆さんのなかには、株式投資を行ったり、投資信託を購入して、「損をしてしまった」とか「含み損を抱えている」といった方も多いと思います。

投資を行う上でいちばん大切なもの ― それは私には「心構え」であったり「スタンス」であるように思えます。

市場という場は誰に対しても公平で、そこでは学歴、経歴、資格などは意味を持ちません。

結果だけがすべてを支配するこの市場という場で、私もこれまでに多くの失敗をしてきました。

昨日の番組では「私が見抜けなかったこと」といった失敗談を交えながらお話ししました。

参考にして頂ければ幸いです。

番組を聴き逃した方は 『こちら』 のサイトをクリックしてみてください。

下記のような表示(2か所ありますがどちらでもOKです)があります。

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ここで、「集まれ!ほっとエイジ~シニア予備校(2012.8.14放送分)岩崎日出俊」

の文字にカーソルを当てて、クリックをすれば、いつでも番組を聴くことができます。

(必ず 『こちら』 のサイトに入ってから、クリックしてください)。

なお iTunes( 『こちら』です)でも聞けます(無料)が、昨日の分はまだアップされていません。一両日中にはアップされると思います。

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2012年8月14日 (火)

卒業40周年の同窓会

先週末 8月11日(土曜日)に米国の高校卒業40周年の同窓会があり参加してきました。

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     (右から5人目が私です)

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      (244名が参加)

金曜日の午後に成田を発って米国に行き、月曜日の朝にはもう日本に帰る飛行機に乗っていましたので、文字通り週末だけの米国。

それでも 40年ぶりにクラスメートたちと会うことが出来ました。

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    (同窓会の会場となったBalboa Pavilion)

1971年7月から72年6月にかけて私はAFS交換留学生として1年間米国の高校に留学しました。このときのクラスメートたちが卒業後40周年ということで、同窓会を開いたのです。

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   (会場のパビリオンにはフェリーで向かいます)

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     (6時から始まったパーティーが終わったのは11時)

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   (高校のキャンパス;正面玄関)

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    (高校の中庭)

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   (高校はニューポートビーチ市にあります)

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    (翌日の日曜日、当時私が住んでいた家を見に行きました)

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   (ニューポートビーチにあるBalboa Island)

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   (Balboa Peninsulaの海岸)

実は私は高校卒業後も幾度となくこの街を訪れてきました。

高校時代に1年間お世話になったアルフォルドご夫妻がBalboa Islandに住んでいたからです。

とくに私がスタンフォード大学に留学していた頃には感謝祭やクリスマスのときなどにクルマを10時間くらい運転して、アルフォルドご夫妻を訪れました。

しかし1991年に父親(AFS Father)が亡くなり、2005年に母親(AFS Mother)が89歳で他界すると、だんだんと足が遠のいてしまいました。

最後にこの地を訪れたのは母親(ミセス・アルフォルド)が亡くなる3か月前でしたので2004年の12月。

今回は8年ぶりの訪問でした。

次回のCorona del Mar High Schoolの同窓会は10年後に50周年を記念して行われると言います。

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2012年8月10日 (金)

メンテナンス

資産を持つということはメンテナンスが必要になるということです。

たとえば毎月払うマンションの管理費。

なかには管理費が安いマンションを選ぶ人もいます。

しかし数年で売却するということであれば別ですが、

「安い=不十分な管理」ということであれば考えもの。

エレベーターや機械式駐車場が備わっているマンションであれば、これらは定期的に点検し、必要な補修を施していくことが必要ですし、とくにエレベーターなどは30年もすればかなり大規模な補修が必要になってきます。

マンションだけでなく、戸建ての住宅やあるいはクルマなどおよそ資産と思われるものは定期的なメンテナンスが必要です。

企業の立場からすれば従業員も資産ですから、定期的な健康診断を社内で実施したり、ときに指導者研修、中間管理職研修といった研修を実施し、従業員の価値を高めるような努力もしています。

同じようにあなたの金融資産もそれが預金であれ、株であれ、定期的なメンテナンスが必要です。

先日、長期投資について書きました(『こちら』)が、ひとたび株や債券、投信を買えば放置できるストレス・フリーの長期投資なんて、そう簡単にはありません。

あくまでも一般論ですが資産はそれを保有する人が気にかけてあげればあげるほど価値を保全し高めていくことに繋がっていきます。

とくに株式投資や投資信託については定期的に(たとえば1週間に1度)株価や基準価額をチェックし、(1)これをこのまま持ち続けるか、(2)売るか、(3)別の株式に乗り換えるかといった簡単なレビューをすることが望ましいのです。

* * * * *

世の中の風潮は常に変化しますから企業もその変化に応じて変わっていく必要があります。

昨年2月にMBOを実施したカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)などは環境適応力に優れた会社だと言えるでしょう。

ビデオやCDのレンタルが中心のTSUTAYAとして知られていた会社ですが、いまではTポイント会員数は4000万人を突破。沖縄県の全人口の48.6%、高知県の全人口の44.2%がTポイント会員だと言います(『こちら』)。

ガソリンスタンドとかコンビニとかTポイントを使える店もあっという間に増えてきました。

数年前のことですが、アップルのiTunes Storeから音楽をダウンロードして聞く人が増えてきて、一時はTSUTAYAはどうなるかと心配する向きもありました。

しかしそういった向かい風をものともしない経営力がCCCには備わっていたということでしょう(蛇足ですがCCCのような会社が東証から姿を消してしまったのは残念ですね)。

世の中の会社がすべてCCCのようであれば投資家も安心してみていられますが、残念ながら多くの会社はそうではありません。

たとえば結婚式のプロデュースで有名なテイクアンドギヴ・ニーズ。最近ジミ婚と言われるようになってきましたが、会社のIR資料によると、首都圏挙式披露宴平均単価は着実に上昇。会社の売上高も3期連続で増加してきています。

しかし営業利益は、と言うと、ピーク時の約3分の1のレベル。

株価の動きもいまひとつぱっとしません。

チャート画像

* * * * *

「5年後のことを予想するのは難しい。1年後の経営環境だって不透明なところがある。しかし明日のことは予想しやすいし、5分後のことはもっとよく分かる」

そういって株式の短期売買でリターンをあげている人たちが結構います(究極は秒単位以下の高速トレードでしょう)。

しかし個人投資家の多くは本業もありますし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の視点も重要です。

四六時中、相場のことを気にすることもできません。

とは言っても(株式投資をしたのであれば)、やはり1週間のうち(たとえば日曜日の夜)30分間くらいは出来れば定期メンテナンスの時間にしてあげたいものです。

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2012年8月 7日 (火)

生活習慣病

健康診断の結果、いろいろと悪い数値が出てきて医者から生活習慣を改善するように指摘されたとします。

この場合、たとえいま具体的な症状がなくても、われわれは真面目に生活習慣改善に取り組まなければなりません。

ところで、国の財政状況を「健康診断」してみるとどうなるでしょうか。

「要改善」と指摘される数値がいくつか出てくると思われます(とくに債務残高に関連する数値)。

したがって数値がさらに悪化して生活習慣病のリスクが高まる前に、この数値の改善に真面目に取り組むことが必要になってきます。

消費税を上げ年13兆円増税するからと言って、一方で10年間で200兆円の公共投資を行う(自民党案;『こちら』)とか、

社会保障費の増加を放置するというのでは、

真面目に生活習慣改善に取り組んでいるとは言えません。

ちなみに社会保障費については2012年度1.2兆円、そして13年度には0.9兆円の規模で自然増が見込まれる(『こちら』)と言います。

政府は税と社会保障の一体改革と言って、社会保障を充実させるために更に税金を投与すると言っていますが、いま必要なのはむしろ逆で、社会保障費を聖域化せずに切り込んでいくスタンスです。

ばらまきを止めてこの部分の増加を抑制していかなければ「メタボ体質」は改善していきません。

たとえばということで、最近よく例に上がる生活保護費の国家予算は年3.7兆円(『こちら』)。

ほかにもう1つだけ例を挙げると―

1999年のデフレ下でも年金額を据え置くという特例水準の導入。

ようやく今年2月、この特例水準によって生じた「年金払い過ぎ」を3年間かけて解消していくという法案が国会に提出されました。

しかしこれにしてもこれまでに余分に払われてしまったお金(払い過ぎ累計7兆円)にまで手をつけるという内容のものではありません(『こちら』)。

いわば、これから先は気をつけるが、付いてしまった贅肉は放置するという案。

人間の身体は美味しいものを飲食し、楽をすればメタボ体質に陥る傾向が高まります。

自らを律するということを心掛けなければなかなか生活習慣の改善はできません。

財政も同じで人々が欲しいと思う「美味しい」ものを提供すればいいというわけではありません。

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2012年8月 3日 (金)

株式投資を行う上での情報の取り方

先日のシャープ(『こちら』)の続きを書きましょう。

まず有価証券報告書の入手方法。

シャープのホームページに行きます(『こちら』)。

そこで投資家情報のタブをクリックすると、有価証券報告書一括ダウンロードのボタンが出てきます。これを押せばダウンロードできます。

このページには経営陣による決算プレゼン資料やIR関連資料、ファクトブックなどもありますので、一通り見て、必要なものをダウンロードします。

会社が提供している情報・資料以外にもあたってみましょう。

そもそも創業者はどんな人だったのか。その結果、会社にはどんなカルチャー、遺伝子が引き継がれているのか。(→たとえば『こちら』の資料が参考になります。)

創業者や創業者からバトンを引き継いだ佐伯さんと、前会長の町田さんとは、どんな関係だったのか。相談役となったいま、町田さんはどの程度の実権を握っているのか。(→たとえば『こちら』『こちら』の資料が参考になります。)

鴻海との資本提携は実際はどういった状況なのか。これをどう評価するか。(→たとえば『こちら』『こちら』の資料が参考になります。)

役に立つのは、自分で質問を発してみて、その答えをネットで探していくアプローチ。

漫然とネットで情報を集めるよりも、より早く効率的に知りたい情報に行きつけます。

実際に会社の経営者とか幹部の方にお会いできればそれに越したことはありませんが、ネットの上でもかなりのことを知ることができるのです。

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2012年8月 1日 (水)

ねんきん定期便以上の年金がもらえるケース

ねんきん定期便が毎年送られてくるようになりました。

送られてきた「ねんきん定期便」の『老齢年金の見込額』を見て、『え、これしかもらえない?』と思った方も多いかもしれません。

ところが、「ねんきん定期便」に記載されている『老齢年金の見込額』以上の年金がもらえることが実際にはありうるのです。

というのは、

「ねんきん定期便」の年金見込額は、加給年金額と振替加算額を除いて記している

からです。

加給年金が加算される場合、妻と子供2人で加算額は年 84万5800円にもなります。

妻に支給される振替加算額は多くても11万円程度ですが、その支給は生涯続き、たとえ夫が死亡した後でも打ち切られることはありません。

* * * * *

では、そもそも加給年金とか振替加算とはいったい何なのでしょうか。

どういう場合に支給されて、逆にどういう場合には支給されないのでしょうか。

このほかにも公的年金には知っておくと役に立つ様々なポイントがあります。

たとえばもしもの場合にどの程度の遺族年金や障害年金が支給されるのでしょうか。

実は私はかねてからこうした諸々の点について分かりやすく解説してくれる本が欲しいと思っていましたが、なかなか適当な本がありません。

そこで出版社の方とお話しして、「それならば」とばかり、自分で作ることにしました。そしてまさに私自身が「手元に置いておきたい」と欲していた本がこのたび出版されました。

『50歳から始める「年金不安」に備える本』です。

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この本は2頁完結形式。

かならず見開き2頁で1つの説明が終わるようにしています。

つまり事典や参考書のスタイルです。

そして右側の頁が文章、左側の頁が図、イラスト、表といった形式。

分かりにくい年金を出来るだけ分かりやすく書こうとの狙いで書いたものなので、イラスト満載のカラー印刷(最初の15頁はフルカラー、残りは2色刷り)。

これを見れば、加給年金、振替加算、任意加入、繰り上げ受給などの諸ポイントがすぐわかるようになります。

ポイントと言っても読者が必要なのは、いくらもらえるか、

そしてどういうケースにもらえるか、といった具体的な情報です。

そういった読者目線にたって書いた本です。

書店でページをめくってみて頂ければ幸いです。

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