メンテナンス
資産を持つということはメンテナンスが必要になるということです。
たとえば毎月払うマンションの管理費。
なかには管理費が安いマンションを選ぶ人もいます。
しかし数年で売却するということであれば別ですが、
「安い=不十分な管理」ということであれば考えもの。
エレベーターや機械式駐車場が備わっているマンションであれば、これらは定期的に点検し、必要な補修を施していくことが必要ですし、とくにエレベーターなどは30年もすればかなり大規模な補修が必要になってきます。
マンションだけでなく、戸建ての住宅やあるいはクルマなどおよそ資産と思われるものは定期的なメンテナンスが必要です。
企業の立場からすれば従業員も資産ですから、定期的な健康診断を社内で実施したり、ときに指導者研修、中間管理職研修といった研修を実施し、従業員の価値を高めるような努力もしています。
同じようにあなたの金融資産もそれが預金であれ、株であれ、定期的なメンテナンスが必要です。
先日、長期投資について書きました(『こちら』)が、ひとたび株や債券、投信を買えば放置できるストレス・フリーの長期投資なんて、そう簡単にはありません。
あくまでも一般論ですが資産はそれを保有する人が気にかけてあげればあげるほど価値を保全し高めていくことに繋がっていきます。
とくに株式投資や投資信託については定期的に(たとえば1週間に1度)株価や基準価額をチェックし、(1)これをこのまま持ち続けるか、(2)売るか、(3)別の株式に乗り換えるかといった簡単なレビューをすることが望ましいのです。
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世の中の風潮は常に変化しますから企業もその変化に応じて変わっていく必要があります。
昨年2月にMBOを実施したカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社(CCC)などは環境適応力に優れた会社だと言えるでしょう。
ビデオやCDのレンタルが中心のTSUTAYAとして知られていた会社ですが、いまではTポイント会員数は4000万人を突破。沖縄県の全人口の48.6%、高知県の全人口の44.2%がTポイント会員だと言います(『こちら』)。
ガソリンスタンドとかコンビニとかTポイントを使える店もあっという間に増えてきました。
数年前のことですが、アップルのiTunes Storeから音楽をダウンロードして聞く人が増えてきて、一時はTSUTAYAはどうなるかと心配する向きもありました。
しかしそういった向かい風をものともしない経営力がCCCには備わっていたということでしょう(蛇足ですがCCCのような会社が東証から姿を消してしまったのは残念ですね)。
世の中の会社がすべてCCCのようであれば投資家も安心してみていられますが、残念ながら多くの会社はそうではありません。
たとえば結婚式のプロデュースで有名なテイクアンドギヴ・ニーズ。最近ジミ婚と言われるようになってきましたが、会社のIR資料によると、首都圏挙式披露宴平均単価は着実に上昇。会社の売上高も3期連続で増加してきています。
しかし営業利益は、と言うと、ピーク時の約3分の1のレベル。
株価の動きもいまひとつぱっとしません。
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「5年後のことを予想するのは難しい。1年後の経営環境だって不透明なところがある。しかし明日のことは予想しやすいし、5分後のことはもっとよく分かる」
そういって株式の短期売買でリターンをあげている人たちが結構います(究極は秒単位以下の高速トレードでしょう)。
しかし個人投資家の多くは本業もありますし、QOL(クオリティ・オブ・ライフ)の視点も重要です。
四六時中、相場のことを気にすることもできません。
とは言っても(株式投資をしたのであれば)、やはり1週間のうち(たとえば日曜日の夜)30分間くらいは出来れば定期メンテナンスの時間にしてあげたいものです。
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