夏の読書(その2)
以前にこのブログで『池波正太郎の東京・下町を歩く』をご紹介しました(『こちら』)が、続編が出ました。
この本では、上野、湯島、谷中、神田、お茶の水、四谷、虎ノ門、芝、増上寺などがカバーされており、「下町編」以上に私には興味深かったです。
出てくる場所や写真が私にとって身近なものが多かったからかもしれません。
たとえば私が金融機関に勤めていた時、天ぷらが好きだという取引先がいました。
この取引先を接待するときに使ったことのあるが「山の上」。お茶の水の「山の上ホテル」にあります。
池波さんはこの山の上ホテルを定宿にしていたのだとか。
百万円を予め山の上ホテルに預けておき、ホテルに郵便貯金の通帳を作ってもらって精算していた・・・・。
しかも池波さんはホテルではけっして原稿を書かず、文学賞の候補作を読み込んだりしていたといいます。
本書に出てくる愛宕神社に関する記述も面白かったです。
慶長8年、江戸に幕府を設く徳川家康の命により防火の神様として祀られた愛宕神社。
この愛宕神社の鳥居を正面に見てまっすぐ登るのが男坂です。
これは「出世の石段」と呼ばれるそうですが、その名は徳川家光と曲垣平九郎との逸話に由来するのだとか(本書に詳しい説明があります)。
本書を片手に東京の街を歩いてみるのも楽しいかもしれません。
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