生活習慣病
健康診断の結果、いろいろと悪い数値が出てきて医者から生活習慣を改善するように指摘されたとします。
この場合、たとえいま具体的な症状がなくても、われわれは真面目に生活習慣改善に取り組まなければなりません。
ところで、国の財政状況を「健康診断」してみるとどうなるでしょうか。
「要改善」と指摘される数値がいくつか出てくると思われます(とくに債務残高に関連する数値)。
したがって数値がさらに悪化して生活習慣病のリスクが高まる前に、この数値の改善に真面目に取り組むことが必要になってきます。
消費税を上げ年13兆円増税するからと言って、一方で10年間で200兆円の公共投資を行う(自民党案;『こちら』)とか、
社会保障費の増加を放置するというのでは、
真面目に生活習慣改善に取り組んでいるとは言えません。
ちなみに社会保障費については2012年度1.2兆円、そして13年度には0.9兆円の規模で自然増が見込まれる(『こちら』)と言います。
政府は税と社会保障の一体改革と言って、社会保障を充実させるために更に税金を投与すると言っていますが、いま必要なのはむしろ逆で、社会保障費を聖域化せずに切り込んでいくスタンスです。
ばらまきを止めてこの部分の増加を抑制していかなければ「メタボ体質」は改善していきません。
たとえばということで、最近よく例に上がる生活保護費の国家予算は年3.7兆円(『こちら』)。
ほかにもう1つだけ例を挙げると―
1999年のデフレ下でも年金額を据え置くという特例水準の導入。
ようやく今年2月、この特例水準によって生じた「年金払い過ぎ」を3年間かけて解消していくという法案が国会に提出されました。
しかしこれにしてもこれまでに余分に払われてしまったお金(払い過ぎ累計7兆円)にまで手をつけるという内容のものではありません(『こちら』)。
いわば、これから先は気をつけるが、付いてしまった贅肉は放置するという案。
人間の身体は美味しいものを飲食し、楽をすればメタボ体質に陥る傾向が高まります。
自らを律するということを心掛けなければなかなか生活習慣の改善はできません。
財政も同じで人々が欲しいと思う「美味しい」ものを提供すればいいというわけではありません。
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