シェールガス革命(その2)
6月でしたが、シェールガス革命について書きました(『こちら』)。
従来不可能とされていたシェールガスを人類はどうやって採掘することに成功したのでしょうか。
ニューヨークタイムス紙などでシェールガス革命をもたらした人として登場する(たとえば『こちら』の記事)のがジョージ・ミッチェル氏。
今年93歳になったジョージ・ミッチェル(『こちら』)は、今から31年前、1981年からシェールガスの採掘に挑戦し始めます。
人工破砕や水平掘削などの工夫を重ね、1996年についに成功したとの話がテキサス大学のエリック・ポッター(アソシエイト・ディレクター)のもとにも伝わってきます。
しかし本当の意味で成功と確認されたのが1999年。ミッチェルが最初にこの技術に挑戦した1981年から数えて18年の歳月を要しました(『こちら』)。
この結果、彼は2004年フォーチュン誌の世界の富豪トップ500の一角を飾るようになり、現在でも個人資産1700億円を有し、フォーチュン誌の富豪リストに取り上げられています(『こちら』)。
なお日本語には翻訳されていませんが、ジョージ・ミッチェルの奮闘記は本になっています(『こちら』)。
さてミッチェルが成功した後、2000年の段階ではアメリカのシェールガスの生産は全米のガス供給量の1%を占めるに過ぎませんでしたが、2011年には30%を占めるに至っています(『こちら』)。
今や米国は100年分以上もの採掘可能な天然ガス資源を持つとのことで、この結果、ダウケミカルやVallourec (仏)などの会社がシェールガスの産出地近くに工場を建設するようになったとのこと(『こちら』)。
シェールガス革命の結果は原油価格にも影響を及ぼすようになったと考えられています。
上のグラフはクリックするとぐんと大きくなりますが、10年間の原油価格(WTI)をプロットしたもの。
2008年には140ドルを超え、いずれ200ドルになると言われていたのが記憶に新しいところです。
その後リーマンショックで暴落しますが、徐々に回復。
QE1やQE2でマネーの供給が増え、ダウ平均株価は史上最高値(引値ベース)14,000.41ドル(2007年7月19日)の94%のレベルにまで達してきました。これに対して、油価が 80~110ドル圏にあるのは、シェールガスなど非在来型天然ガスの開発成功も一因となっていると見る人が少なくありません。
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