地図から消えた送電線
日本列島の地図と緑色の円に「維新」の文字が入っている「日本維新の会」のロゴマーク。
橋下徹大阪市長によれば「日本地図にこだわりました。尖閣諸島も竹島も入っている。ナショナルパーティーになるわけだから」(『こちら』)。
さて地図というのは、イコール国家の側面もあり、国の意向が反映されることは、古来珍しいことではありません。
国の「公器」ともいうべき国土地理院の地図。
その地図からいったん送電線が消えました(2011年2月; 『こちら』 参照)。
電力会社がテロの脅威などを理由に送電線データの提供を拒否するようになったからです。
しかし送電線自体は誰でも見ることができることから、いったいテロの脅威とはどういうことか、むしろ電力会社が発電と送電の2つの会社への分離論を嫌ったからではないかと一部の人に勘繰られたりしました。
これは勘繰り過ぎなのかもしれませんが、では、なぜ地図から消す必要があったのか・・・いずれにせよミステリーのような話です。
この話は2011年2月のことですので福島第一原発事故の前のことです。
ところで地図上に送電線の記号がないと、誰か困る人でもいるのでしょうか。
地図に詳しいMさんの話によると、「山登りの人たち、ハイキングに行く人たちが困る」とのこと。
「彼らは送電線で現在地の当たりを付けて、道に迷うことなく歩を進めるのだそうです。送電線をたどっていけば、町に出られますから」
このため国土地理院は改めて電力会社に送電線データの提供を求めることにした(2012年3月;『こちら』)・・・。
朝日新聞報道(当時)によれば、「再び拒否された場合は紙の地図にあったデータを使って電子国土基本図でも送電線が見られるようにする。
一部を消した発電所や変電所も『戦時改描を思わせる』との意見が寄せられ、送電線と同様に復活させる」
こうした国土地理院の働きかけの結果、再度、送電線情報が地図に記載されることになった(2012年7月;『こちら』)とのこと。
と言いつつも、国土地理院のウェブサイト(『こちら』)に行って、地図をダウンロードしてみると、現時点でも送電線は消えたまま(たとえば『こちら』)。
この点をめぐっての電力会社と国土地理院とのやり取り・・・。
やはりいろいろな思惑があったのかもしれない、とは勘ぐり過ぎなのでしょうね。
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