財政の崖 (Fiscal Cliff)
以前にこのブログで昨年4月の米国連邦政府一時閉鎖リスクについて書きました(『こちら』や『こちら』)。
現在米国で話題になっているのは財政の崖。
(出所:米議会予算局(CBO);クリックすると大きくなります)
詳しくはウォールストリート日記というブログ(『こちら』)によく書かれているので、そちらも参考にしてほしいのですが、要はこういうことです。
米国では年末から来年初めにかけて、ブッシュ減税の失効(2250億ドル)、オバマの景気対策終了(1190億ドル)、歳出の自動的削減(540億ドル)などが予定されています。
これらの数字を積み上げていくと、GDPに対して4%分くらいのマイナスの影響(Potential Hit on GDP)になりうるとの試算もあります(米議会予算局;下表)。
(出所:米議会予算局(CBO);クリックすると大きくなります)
「もし仮にこれをこのまま放置すれば、米国経済は2013年の上半期には景気後退の2番底(Double Dip Recession)に陥るだろう」と米議会予算局(CBO)は予測しています。
この問題は今週号の日経ヴェリタス(『こちら』で購入できます)でも取り上げられています。
財政の崖(Fiscal Cliff)は米国では結構騒がれている問題です。
恐らくは、このまま崖から墜落ということにはならず、結局は財政的措置が講じられ、Double Dip (2番底)は回避されるとは思います。
しかしマーケットは、たとえ可能性は大きくはなくても、「崖から墜落しうるリスク」を意識して、神経質な動きを示すようになると思います。
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