成長しないリスク
昨日は、東京 品川・御殿場のホテルラフォーレ東京で開催された『日経CNBCセミナー』で講演しました。
事前に用意していたスライドは66枚で、序章を含め、6つのパートに分けて説明しました。
【序章】
【1】負けない投資
【2】金融機関にとっての「シニアの資産」
【3】成長しないリスク
【4】老後はいくら必要か
【5】今後のマーケットと運用に関して
* * * * *
このうち、このブログでは【3】の「成長しないリスク」について、以下、エッセンスのみ書き起こしてみます(注:昨日のプレゼンとは資料などを一部変えています)。
まず日本の経済成長率推移。次の図は、『こちら』から取りました。
(図はすべてクリックすると大きくなります)
同じことを昨日は次のスライドで説明しましたが、要は、過去20年間、(ならして見てみると)日本経済はほとんど成長してきていません。
なお上の図は以前このブログ(『こちら』)でも紹介した広木隆さんの本(『ストラジストにさよならを』:幻冬舎)より取ったものです。
さて、以上の結果ですが、日本株に投資してきた人はこれまで「平均的には」損をしてきました。
一方で、米国株に投資してきた人は、というと:
米国はこの間、経済を成長させてきていますので、株式投資の分野でも、基本的にはリターンを上げることが出来ています。
たとえ円高ドル安の為替を考慮したとしても米国株投資はリターンを上げてきました。
例えば10年前に円投して(円をドルに換えて)、米国株に投資して、円高となった今、再び円に戻しても、ドル安の影響よりも米国株高の影響の方が強くて、トータルとしてリターンを上げることが出来ました。
日本経済、あるいは日本株への投資の世界は、残念ながら過去25年にわたって、このようにパッとしない、と言うよりは、むしろ惨めな状況にありました。
よく「バブルの影響」とか言いますが、バブルが崩壊し終え、すでにその影響は無くなったと思われた、(たとえば)「今から10年前」、あるいは「5年前」に株式投資をして、今まで株を持ち続けた人も「平均的には」損をしてきたのです。
それでは、はたしてこれから先の25年間はどうでしょうか。
日本政府は国家戦略室を立ち上げたことだし、これから先の25年間は、これまでの25年間と違って、もっと期待できるのでしょうか、それとも・・・
以下、昨日のスライドを5枚ほど順を追って列挙していきます。
ということで、ここまでのスライド内容だとあまり明るくないような話が多いのですが、
実はそれは【3】「成長しないリスク」のプレゼンのみ。
【序章】、【1】、【2】、【4】、【5】はもう少し元気の出る話になっています。
それでも国内市場をベースとする日本企業の先行きが結構難しいことだけは、頭の片隅に入れておいた方がよいかもしれません。
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