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2012年12月28日 (金)

その時、その時で考えて決断したことに何一つ悔いはない

松井秀喜選手の引退会見。私が一番印象に残ったのは「悔いはないのか」との問いに対しての松井選手の答え。

「その時、その時で考えて決断したことに何一つ悔いはない」

以前から、松井選手の言葉のひと言ひと言にはひじょうに重いものがあると感じていました。

常に真摯に努力する松井選手の姿は求道者のようで、我々に勇気や励ましを与えてくれました。

* * * *

今から10年まえのことです。

2002年の秋。

松井選手の日本での最後の試合。

たまたま来日していた米国企業の幹部2名をこの試合に招待しました。

当時私はリーマンブラザーズにいました。

私自身は野球を見に行く時間が取れなかったことから、当時、投資銀行部内の若手2名にホスト役になってもらって、米国から来たゲスト2名を野球に連れて行ってもらったのです。

彼らが野球を観終わって夜のディナーを食べるところで私は合流しました。

南カリフォルニアから来た彼らはアナハイム・エンジェルスの大ファンでした。

今朝7時のNHKニュースで松井選手の引退会見を聞いていて、私は10年前のそんなひとコマをふと思い出しました。

(ちなみにこの2名の米国企業幹部はM&Aのプロポーザルを持って日本企業を訪問したのですが、例によって日本企業の方はなかなか決断できず、10年後の今年になって漸くこの米国企業と日本企業のある事業部門とのM&Aが実現しました)。

* * * *

ところで今朝は取引先の方から、「岩崎さんの記事を『プレジデント』で見ました」と教えられました。

この取引先との面談の後、私は東京医科歯科大学病院へと急ぎ、病院での診察を終えて、近くの丸善で『プレジデント』を買いました。

President

32頁にインタビュー記事が掲載されています。

* * * *

東京医科歯科大学病院に行ったのは、昨晩から時として突然強烈なめまいに襲われるようになったからです。

診察の結果、「良性発作性頭位めまい症」とのことで、診察してくれた医師の方にこの症状について書かれた小冊子を頂きました。

「サッカーの澤選手(なでしこジャパン)がかかったのと同じです」

との話。

小冊子には「ときには嘔吐を伴うことがあるほどぐるぐると回転する感覚が強いため、恐怖を感じる人は少なくありません」と書いてありますが、まさに天井が90度くらい回って落ちてくるような感覚は恐怖そのもの。

病院に行くまではいったい何なのかと心配していましたが、「これは治ります」という、お医者さんの丁寧な説明にひと安心。

それにしても今年は、9月には外科手術で4日ほど入院したり(注:これもたいしたことなく完治しています)、そして今回のめまい・・といったぐあいに、いろいろなことがありました。

今年の2月。一昨年から昨年にかけて再発していたぶどう膜炎がようやく収まり、ほっとしたところだったのですが・・

まぁ、目の前にあるものをひとつひとつ解決していって前に進むしかない、そんな気持ちで年末を迎えることになると思います。

今年はみなさんにとってどんな年でしたか。

どうかみなさん良いお正月をお迎えください。

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2012年12月24日 (月)

指数取引

一つひとつ、個別の株の「短期間の動き」を見通すのは難しいものです。

しかし市場全体の動きとなると、上がるか、下がるか、かなりの確度で見通すことが出来る局面が時として訪れます。

11月下旬から12月中旬までの日経平均の動きなどがそれにあたったのかもしれません。

チャート画像

     (ここ3ヶ月の日経平均の動き)

短期間の相場の動きが比較的予想しやすい時には、日経平均指数を買って、上がったところで売り抜ければ、利益を上げることが出来ます。

「指数を買うなんて、どうしたらいいかわからない」という方もいるでしょう。

拙著『自分年金をつくる』という本の111頁から113頁に書いたので、そちらも参考にして欲しいのですが、別にそのためだけに本を買う必要はありません。

以下、簡単にご説明します。

あなたがネット証券でたとえばトヨタの株を買う時、銘柄欄に、7203 とトヨタの証券コードを打ち込み、何株買うかを決めて、取引実行ボタンを押します。

それでトヨタの株が買えるわけですが、同じように日経平均株価指数を買う時、証券コードを1330 と打ち込み、数量を決めて、取引実行ボタンを押します。

それだけです。

別に1330でなくても、ほかにもあるのですが、簡略化のために、ここでは 1330 に絞って議論を進めます。

ポイントは1330 って本当に日経平均と同じように動くのか、という点です。

たとえば先週末の時点で、日経平均は9,940円。

一方、証券コード 1330 は、10,160円じゃないか、と思われる方もいるでしょう。

ピタリと値段が一致していなくても、値動きが一致していれば取引をする人にとっては問題ありません。

では、ほんとうに一致しているのか、どの程度、同じように動くのでしょうか。

証券コード 1330 と日経平均の両者のここ1年間の値動きをプロットすると下記のようになります。

チャート画像

青が証券コード 1330 、赤が日経平均です。

3ヶ月の値動きではどうでしょう。

こんな(↓)感じです。

チャート画像

読者のなかには、『こういったことは日経平均が上がる前に教えてほしかった』とおしゃっる方もいるかもしれません。

しかし「かなりの確度で日経平均は上がる」と思っても、実際にはそうならないことも多く、やはりリスクは伴います。

また取引に際しては、通常の株と同じように売買手数料がかかります。

(と言っても、ネット証券、たとえばマネックスですと、50万円の取引で手数料は 472円です)。

さて、これから先はどうでしょうか。

日経平均の今後の見通しについては、これまでの1ヶ月間でかなり上がってしまったこともあり、これから先は相場の見通しが少し難しくなってきたと言えるでしょう。

しかし私はこの段階(先週末の日経平均:9,940円)でも、日経平均は(したがって証券コード 1330 も)まだ上がる可能性が高いとみています。

本日の日経新聞1面には安倍総裁が「来年1月の金融政策決定会合でもし日銀が物価上昇率目標の設定を見送れば、日銀法改正に踏み切る」と語った旨が報じられています。

思い起こせば、今年2月、白川総裁の「物価上昇率1%を目途とする」との発言で日経平均は 10,255円(3月27日)まで上昇。しかしその後の物価上昇率は 1%にはほど遠く、その結果、株価も急落してしまった(8,238 円; 6月4日)わけです。

しかし今回は誰が脚本を書いているのか知りませんが、安倍総裁が白川総裁を自民党本部に呼びつけたり(『こちら』)、浜田教授を内閣官房参与(経済担当)に内定したり、そしてその浜田教授の本が出版されたり(『こちら』)と、見事にオーケストレイト(orchestrate)された動きを示しています。

つまり将棋で言えば、ほぼ詰んだ状態になっているわけで、このまま1万円を切ったままの状態でいるとは考えにくい、少なくとも今年の3月27日のレベルを意識して、これから先の相場が推移していくような気がしています。

ところで指数取引の対象は日経平均だけではありません。

米国ダウ平均株価の指数取引(たとえばTicker Code: DIA)はどうでしょうか・・?

「財政の崖問題の決着が遅れているが、仮に越年したとしても、いずれは決着する、つまり来年1月下旬のダウは今よりも高くなる」、こう読めば、現段階でダウ平均株価指数を買えるかもしれません。

Chart forDow Jones Industrial Average (^DJI)

  (ダウ平均の1年間の動き)

しかし当たり前のことですが、読みが外れると損をします。

また実際の取引においては、為替の問題もあります。つまりダウ平均株価指数で利益を上げても、その間、円高に振れれば(ドルから円に戻す時に円が高くなっている訳ですから)、為替でやられてしまいます。

株価と為替の2つを予想することになるわけで難易度は増すことになります。

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2012年12月22日 (土)

七十二候

「野田佳彦首相が昨年9月の就任以来、首相官邸サイトに掲載してきたブログ『官邸かわら版』が21日、最終号を迎えた」とのニュースが目に飛び込んできました(『こちら』)。

これまで気にも留めていなかった『官邸かわら版』

改めて読み直してみました。

最終号の1つ前。

12月3日の『魔法の杖など、どこにもない』という記事。

「日銀を「打ち出の小槌」のように使って借金を積み重ね、公共事業に回していくというのも、論外です。残念ながら、一瞬にして日本経済の抱える問題が全て解消する「魔法の杖」はありません」・・・

と書かれています。

実は野田政権のもとでも、政府は日銀にもう少し積極的な緩和策を取らせようと躍起になっていました。

10月5日の日銀の金融政策決定会合に前原誠司経済財政担当相が政府代表として出席したのは記憶に新しいところです。

出席に先立ち、前原さんは、

「デフレ脱却のために強力な金融緩和を求めるという政府の立場を踏まえ、会合に臨みたい」

と語っていました(『こちら』)。

しかしこの会合では日銀は追加緩和を見送り、ゼロ回答。

一方の安倍自民党総裁。

こちらは安倍さんが日銀に出向くのではなくて、白川日銀総裁を自民党本部に「呼びつける」という手法を取りました(「呼びつける」とは言葉は悪いですが、白川総裁が野党の自民党本部にまで出向いていったものですから市場関係者の多くはこう理解しました)。そして自民党の意向を日銀に飲ませました。

先方に出かけて行ってゼロ回答しか得られなかった民主党と、先方を呼びつけ自分たちの意向を飲ませた自民党との政治力の差を見せつけられた一面でした。

「魔法の杖など、どこにもない」のは確かですが、景気は極端に冷え込み、経済は何らかの杖を必要としていました。

そして民主党も、自民党も、どちらの政党も日銀に対してもう一歩踏み出した金融政策を望みました。

これに対して日銀としては、

「すでにレイムダックと化している民主党の言うことは聞けないが、来年4月の日銀総裁任期切れを控え、自民党の言うことは聞かざるを得なかった」

というのが実情なのかもしれません。

入門 日本の旧暦と七十二候 (洋泉社MOOK)

さて話はがらりと変わりますが、昨日は冬至でした。

冬至、立春、啓蟄など、二十四節気については比較的よく知られていますが、その二十四節気をさらに三つに分けた七十二候は意外と知られていないのかもしれません。

一年に七十二もの季節を認識してきた昔の人の感覚、季節感の取り入れ方には学ぶべきところも多いかもしれません。

先日手にした「入門 日本の旧暦と七十二候」

季節の美しい写真、和歌、俳句が満載で、季節感を味わいながら一年を送りたい方にお勧めです。

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2012年12月19日 (水)

オークニー

「今度ヨーロッパに来るときにはぜひ立ち寄ってください」

ジリアンと彼女のご主人のクリスにこう言われたのは今年の8月。

米国カリフォルニア州ニューポートビーチで行われた高校の同窓会の時だ。

卒業後40周年の同窓会だったので、彼女に会うのは40年ぶり。ご主人に会うのは初めてだった。

ジリアンは同じ高校に通う英国からのAFS留学生だった。

日本からの留学生だった私は、英語に苦労し、米国人高校生たちが話している輪の中になかなか入っていけない。

そんな中、言葉にまったく苦労することなく新しい友達を作っていく彼女のことを羨ましく思っていた。

1年間の留学の後、彼女は英国に戻り、大学を卒業。ロンドンでしばらく会社勤めをした後、たまたま休暇で訪れた英国北部のオークニーが気に入って、そこに移り住んだ。

毎年12月になると日本からクリスマスカードをオークニーの彼女に出していたが、今年の夏、「ぜひ一度来てください」と言われたこともあって、初めてオークニーがどこなのか調べてみた。

図の「赤で示した A」の部分がオークニー諸島。

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英国と言っても北の果てのようなところだ。

「とても風光明媚な良いところです。私たちの家には2ヘクタール(6000坪)の庭があります」

と、ご主人のクリス。

クリスはオークニーで高校の先生をしていて、ジリアンの方は役所で働いていたが今年から辞めて家の手入れとか庭いじりをしているという。

ネットで調べてみると、たしかに風光明媚なところのようだ。

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たまたま同じ時期に同じ高校で留学生として1年過ごした友人が、その後の人生の大半を自然とともに生き、一方で、私の方は金融の分野に仕事を持ったため、都会の喧騒の中で生きてきた。

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来年か再来年、時間を見つけてオークニーに行ってみたいと思う。

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2012年12月17日 (月)

ファミリービジネス

先週末は来日中のAさんとお会いしました。

数多くのビジネスを手掛けているAさんは、資産家でもあり、ゴールドマンやモルスタなどのWealth Management Team から多くのセミナーなどに招待されると言います。

「この間、欧州で参加したセミナーで面白いことを言っていた」とAさん。 

「ファミリービジネスの場合、2代目でつぶれる可能性が70%。 

3代目まで持ったとしても、90%が3代目でつぶれるらしい」

私は「日本でも同じように言われていますよ」と話しました(『こちら』参照)が、Aさんは自分の体験談を話し始めました。

「今から25年前。俺がまだ20代だったとき、親父からビジネスを受け継いだんだ。俺がやったことは親父の築きあげた事業ポートフォリオを全面的に見直すことだった。取引先の多くも入れ替えた。 

現在の事業ポートフォリオで親父から私が引き継いだものはほとんど残っていない」

「さて・・」とAさん。

「どうやら2代目までは何とか生き残ったらしい。30%の門はくぐり抜けた。問題は俺の息子たちの代だ。こちらは10%しか残れないという、もっと厳しい門だ」

Aさんには何人かお子さんがいますが、まだ10代以下。しかし今からどこの大学にやるかとか悩んでいるようです。

父親の事業ポートフォリオをほとんど入れ替えてしまったというAさんはある意味で創業者に近かったのでしょう。

息子さんたちも受け継ぐものに安住せず、同じようにチャレンジ精神を持てば、10%の狭き門をくぐり抜けることができるかもしれません。

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2012年12月12日 (水)

酸化物半導体(通称IGZO)液晶パネル搭載のiPhone 5S

早くも iPhone 5S の噂が飛び交い始めました。

アップル株のアナリストとして著名なJefferies 社の Peter Misek によると、 iPhone 5S は来年6月発売の予定。

酸化物半導体(通称IGZO)液晶パネル搭載、より高機能なカメラ(super HD camera)と大容量バッテリーを備え、ボディーカラーも、6~8色といったカラフルなものになるとか。

また容量も128GBモデルまで登場するといった見通し(『こちら』)。

なおPeter Misek は iPhone 5S の予測と同時に、アップルの目標株価(Price Target)を100ドルほど引き下げました。

これまで900ドルとしていたものを、800ドルにしたものです。

詳しくは 『こちら』 をどうぞ。

iPhone 5S は日本のサイトにも記事となって出ています(『こちら』)。

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2012年12月11日 (火)

ファンドのこれからの姿は?

日経CNBC 『日経ヴェリタス・トーク』 に出演しました。

キャスターの方からの番組最後の質問は、

「これからのファンドの姿は?」

というもの。

番組では、PEファンド(とくに買収ファンド)とヘッジファンドに話を分けて進めていたので、この流れにそって回答しました。

PEファンド(とくに買収ファンド)の今後を占う上でのポイントは、2007年以降進んできているPE上場の流れでしょう。

2007年 Fortress および Blackstone の上場

2010年 KKR の上場

2012年 Carlyle の上場

上場(IPO)は、ファンド創始者にとっては、一番profitable な Exit だと思うのですが、これにはプラス面とマイナス面があります。

上記新聞記事にあるように、ファンドの草食化(→詳しくは新聞をご覧ください)に陥りかねないとの面がある一方、IPOしていないファンドに比べれば、上場によって資金力が付くとすると、大型買収などのディールを取り上げやすいとのメリットはあるでしょう。

功罪相半ばするといったところでしょうか。

次にヘッジファンドの方ですが、これについては、マーケットではこれから先も新しい人が出てきて活躍していくんだろうと思います。

ただし如何に優秀であっても一人のファンドマネージャーがずっと勝ち続けることが出来るほど、市場は甘くはありません。

たとえば番組や上記の 新聞記事 で紹介されたDavid Einhorn。

彼は両親から借金したお金を元手にして28歳でファンドを始めます(1996年)が、2002年までの6年間、毎年30%を超えるリターンをあげていました(『こちら』 のビデオを参照)。

その彼でさえ、今年度はこれまでのところ13%のリターンしか上げえてません(『こちら』;なおこの間、S&P 500 のリターンは14%)。

如何にブランドネームのヘッジファンド・マネージャーであっても、勝ち続けるのが難しいということの一例なのですが、逆に言えば、新しいスタープレーヤーは常に誕生しうるということでもあります。

なお話は変わりますが、以前にこのブログで紹介したバートン・ビッグス(『こちら』)。

70歳で新しくヘッジファンドを始めた人ですが、残念ながら今年の7月、79歳で亡くなりました。

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2012年12月 9日 (日)

グリーンライト・キャピタル

先ほどの記事の続きですが、David Einhorn のグリーンライト・キャピタルのポートフォリオは、$ 6 billion (『こちら』)。

内訳は下記の通りで、利食ったと言っても、ポートフォリオ全体の12.13%はアップルです(9月30日現在;下表参照、なお下表はクリックすると大きくなります)。

Gl_2

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9年ぶりの減益決算?

アップルの今期決算が9年ぶりの減益になるかもしれないとのフォーブスの記事が注目を集めています(『こちら』『こちら』)。

David Einhorn は、アップルについて強気で、今年の5月、「株価は1000ドル近くになる」との見通しを示していました(『こちら』)。しかし彼も、前四半期にかなりの比率で持ち株を減らし、利食ったと報じられています(『こちら』)。

私も過去に若干は利食っていますが、さてこれから先、どうするか、思案のしどころです。

Apple Inc. (AAPL), Hedge Funds

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今年の漢字

今年の漢字は、今週水曜日、清水寺で発表されます(『こちら』)。

ネット上では、以下の字になるのではないかといった予想が目立ちます。

国、島、争 ・・ (領土問題絡みで)

空 ・・(金環日食、星出さん宇宙)

輪 ・・(五輪、金環日食)

ちなみに2011年は、絆

2010年は、暑

2009年は、新

以下、下記の通り(『こちら』

Photo

ところで、今年の漢字は日本漢字能力検定協会のキャンペーンとして、毎年発表されているもの(『こちら』)。

漢字検定ですが、すでに2010年度の段階で累積志願者数が、3000万人を超えたとか(『こちら』)。

漢字学の白川静先生によると、

「古代の人々は、神々とともに生きていた。そして、神とともにある言葉を形にするために漢字が生まれた」

といいます(『こちら』)。

最近読んだ本は、『楽しい漢字』『こちら』)。

「間違えやすい漢字」から「白川文字学」まで、「漢字ワールドを味わいつくす」

と表紙に書かれていますが、まさにそんな内容。

テレビのクイズ番組で興味をもったお子さんに、そっと渡してみるのもいいかもしれません。

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2012年12月 7日 (金)

ハウツーもの

新聞、雑誌などマスコミ関係の方による取材を時おり受けます。

先日訪れてきた週刊誌記者によると、その週刊誌の読者層は年齢がかなり上がってきたとのこと。

通勤帰りに週刊誌を買ってくれていた団塊の世代が、今や自宅近くのコンビニで週刊誌を買うようになったのだとか・・・。

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なるほど。確かに電車の中で週刊誌を読む人が減ってきたように思います。キオスクなどの駅の売店も閉店になるところが増え、絶対値としての数が減ってきました。

週刊誌の記事の方も、名医特集とか、ここの病院が評判良いといった、シニア向けのものが増えました。

グラビアも、団塊の世代が若い頃にアイドルだった女性たちが今また登場したりするようになってきています。

しかしこのまま団塊の世代に照準を合わせて週刊誌を作り続けていくと、これから10年、15年先はどうなるのか、ひとごとながら気になってきます。

    Photo

一昨日、事務所に来られた別の雑誌社の方は、20~40代の層に向けた記事を考えていました。

ビジネス社会の先端にたつこれらの層は競争も厳しく、上昇志向も高いとのこと。

彼らのなかにはハウツーものを扱った本や雑誌を積極的に読む人たちがいるとのことです。

「年収が少しでも高くなるにはどうした良いか。転職や副業についてどう思うか」― こういった質問が記者の方から飛んできました。

私が20代や30代だったころは、「年収」の概念が社会全体にあまり浸透していなかったように思います。

もちろん当時でも給料とか月給の額はそれなりに意識されていたと思いますが、「年収」といった概念はさほどありませんでした。

ここ10数年の間に、社会全体が少しずつ欧米化してきたということなのでしょうか・・。

取引先の社長の人たちと話してみました。

彼らは一様に

「20代、30代のころ、年収が少しでも高くなるにはどうした良いかなどと考えたことなどない」

と言います。

「ただ単に目の前の仕事を一所懸命やっただけ、お金はあとからついてくる」

といった意見が多かったのですが、こういう話は今の20代~40代には受けないのかもしれません・・・

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2012年12月 6日 (木)

4年間で最大の下げ

アップルが37ドルほど下げて、538ドルに。

単一日としては、ここ4年間で最大の下げだとか・・。

(1)スマートフォン市場が前年同時期ほど活性化していないと、AT&T MobilityのCEO、Ralph de La Vegaが発言した

(2)China Mobile がWindows 8 ベースの携帯を扱うと発表した

(3)IDC によると、アップルのタブレット(iPad)のシェアが昨年の56.3%から53.8%に下落した(グーグルがその分、シェア上昇)

(4)オラクルやウォルマートのように特別配当(special dividend)を行う気配もない

といったようなところが市場で嫌われたようです(『こちら』)。

どうやら市場は、アップルに関しては、マイナスの情報には即座に反応するといったセンティメントになってきているように思います(少なくとも当面は)。

アップルはナスダック全体の時価総額の12~13%、Nasdaq-100 の約2割を占めることから、昨日のニューヨーク市場はダウは82ドル上げても、ナスダックは、0.8%ほど下げています。

 

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2012年12月 2日 (日)

プレゼンテーション

前回のブログ記事でプレゼン資料について書きました。

前回83枚のスライドと書きましたが、当然のことながらプレゼンに使う資料は、時と場合によって、これよりも大幅に多いことも、また逆にぐんと少ないこともあります。

    Tyo2

今までの私のキャリアの中で、一番良かったと思われるプレゼンはどういったものだったでしょうか。

プレゼンは結果を求めて行うものです。

したがってどんなに説得力あるプレゼンをしたとしても、結果を産みだせなかったものは残念ながら評価されないでしょう。

私が外資系投資銀行に勤めていたとき。

競争相手にほぼ決まりかけていたマンデートを、一回のプレゼンでひっくり返したことがあります。

このときはたった一枚の紙を使いました。

事前に若手のAさんと打ち合わせをした際に、こう話しました。

「今度の相手のBさんは最高意思決定者。

プレゼンは一枚の紙だけにしよう。

それも文字は一切いれずに絵だけにしよう」

              Niwatori_3
さてプレゼンの日。

絵を前にして、私は15分ほど話したでしょうか・・

黙って聞いていた最高意思決定者のBさんは、一言。

「分かりました・・・。ありがとうございます」

これを機にBさんは大胆な軌道修正を断行。

会社が良くなっていきました。

たった一枚の絵でしたが、私にとっては思い出に残るプレゼンとなりました。

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