ファンドのこれからの姿は?
日経CNBC 『日経ヴェリタス・トーク』 に出演しました。
キャスターの方からの番組最後の質問は、
「これからのファンドの姿は?」
というもの。
番組では、PEファンド(とくに買収ファンド)とヘッジファンドに話を分けて進めていたので、この流れにそって回答しました。
PEファンド(とくに買収ファンド)の今後を占う上でのポイントは、2007年以降進んできているPE上場の流れでしょう。
2007年 Fortress および Blackstone の上場
2010年 KKR の上場
2012年 Carlyle の上場
上場(IPO)は、ファンド創始者にとっては、一番profitable な Exit だと思うのですが、これにはプラス面とマイナス面があります。
上記新聞記事にあるように、ファンドの草食化(→詳しくは新聞をご覧ください)に陥りかねないとの面がある一方、IPOしていないファンドに比べれば、上場によって資金力が付くとすると、大型買収などのディールを取り上げやすいとのメリットはあるでしょう。
功罪相半ばするといったところでしょうか。
次にヘッジファンドの方ですが、これについては、マーケットではこれから先も新しい人が出てきて活躍していくんだろうと思います。
ただし如何に優秀であっても一人のファンドマネージャーがずっと勝ち続けることが出来るほど、市場は甘くはありません。
たとえば番組や上記の 新聞記事 で紹介されたDavid Einhorn。
彼は両親から借金したお金を元手にして28歳でファンドを始めます(1996年)が、2002年までの6年間、毎年30%を超えるリターンをあげていました(『こちら』 のビデオを参照)。
その彼でさえ、今年度はこれまでのところ13%のリターンしか上げえてません(『こちら』;なおこの間、S&P 500 のリターンは14%)。
如何にブランドネームのヘッジファンド・マネージャーであっても、勝ち続けるのが難しいということの一例なのですが、逆に言えば、新しいスタープレーヤーは常に誕生しうるということでもあります。
なお話は変わりますが、以前にこのブログで紹介したバートン・ビッグス(『こちら』)。
70歳で新しくヘッジファンドを始めた人ですが、残念ながら今年の7月、79歳で亡くなりました。
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