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2013年1月21日 (月)

日本株はどこまで上がるか

新年会などでお会いする方たちによくこう聞かれます。

「日本株はどこまで上がるんでしょうか」

この質問自体、もっと上がるということが前提になっています。

たしかに市場のモメンタムというか、雰囲気からすれば、こういう質問のかたちになるのは無理ないと思います。

それでは今の日本株の水準をどう評価すればいいのでしょうか。

予想される企業収益との関係で株価を見てみましょう。

東証一部の平均のPERは予想収益ベースで、18.34(『こちら』)。

ちなみに米国ダウ平均のPER(予想収益ベース)は、先週金曜日の株価で、12.28(『こちら』)。

* * * * *

PERについては以前に何回かこのブログでも書いたことがあります(たとえば『こちら』)。

アメリカで過去200年間の平均値が14。[かつてこのブログでご紹介した 『へッジホッグ』 に出てきます(249頁ほか)]。

また Jeremy Siegel によると米国で過去130年間の平均は12.1。

1900年以降今日までのS&P500のPER平均は15であるとか、1900年から2005年までの平均は14であるとの記述もあります(『こちら』)。

要はアメリカが順調に成長してきた時のPERの平均はおおよそ 14 ということです。

* * * * *

つまりPERから判断すれば、先週金曜日終値のベースで、日本株は割高。

一方、米国株はまだ買えるという結論になります。

ただしここでのポイントは、PERのEである予想収益。

PERを算出する上での、E には、通常これから先1年間の予想収益額(1株当たり)を使いますが、これはアナリストの予想や、企業自身の発表がベースになっています。

日本株PER18のベースとなっている「予想収益」は、おそらくはほとんどのケースにおいて、最近の円安をいまだ完全には織り込んでいないと思います。

すなわち円安により、

「円安→企業収益向上→PERのEの上昇(つまりPERの下落)」

と進むことが予想され、現在18のPERはいずれ相応のレベル(14前後)に落ち着いていくものと考えられます。

具体的には株価を一定と仮定して、たとえば予想収益が3割(28.5%)増せば、18 のPERは14になります。

要は、どの程度円安が進むか、それによって企業業績がどの程度回復するかが、今後の株価を占う上でのポイントとなります。

市場のモメンタムからすれば、95円くらいにまで円安が進み、日経平均株価は11,500円くらいを窺いそうですが、こればかりは何とも言えません。

外国人投資家の多くは(人によっては『こちら』のAさんように実際に日本に飛んできて)すでに12月の初旬から中旬にかけて日本株を結構仕込んでいます。

あくまでも感覚的な話ですが、彼らの仕込み値は日経平均 9,400円~9,500円あたりでしょうか・・。

市場のモメンタムが強いのは事実ですが、遅れて参戦してババを引かないように注意したいものです。

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