積極緩和への賛否
本日発売の『日経ヴェリタス』。
積極緩和への賛否と題して岩田規久男氏と野口悠紀雄氏の両氏に対するインタビューが載っていました(5頁)。
ポイントはインフレターゲットが効果あるかどうか―
思い切った緩和をやれば効果あるとする岩田さんと、
資産価格は上がるかもしれないがデフレ脱却には効果ないとする野口さんの意見が対照的で、
興味深い紙面に仕上がっています。
なお野口さんは
『日本国債は1月に入って、債務不履行(デフォルト)リスクを取引するクレジット・デフォールト・スワップ(CDS)保証料率が急上昇し、危ないとのシグナルが出ている』
と発言されています(5頁)が、これはちょっと違うと思いました。
日本国債(残存5年もの)のCDSの今年1月に入ってからの動きは下記の通り(『こちら』をクリックした後、1ヶ月を押す)。
過去5年間の動きは下記の通りです(『こちら』をクリックした後、5年を押す)。
CDS値は現状71~73で、他国(たとえばフランス85)と比しても危ないというほどではありません。
なお上のグラフはどちらもクリックすると大きくなります。
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コメント
いつも勉強させていただいております。
岩崎さんは、積極緩和に賛成との立場ですか?反対との立場ですか?
私は、野口氏の言うように構造改革をしないと、潜在成長率が低いままで一時的に景気はよくなるかもしれないが、またすぐに戻ってしまうとの立場です。
よろしければ、お考えをエントリーください。
引き続きよろしくお願いいたします。
投稿: ごんべい | 2013年1月27日 (日) 14時58分
野口さんは10年モノのCDSを指しているのではないでしょうか?
しかも、
「実はCDSは今年の1月には急上昇しています。」
と発言していますので、1月だけの一時的な現象というニュアンスが感じられますが。
(時間軸が短期での上昇)
的外れな指摘でしたら、駄文申し訳ないです。
投稿: 田中 | 2013年1月27日 (日) 23時58分
ちなみに10年モノのCDSです。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=CJGB1U10%3AIND
去年11月頃(安部発言以降)から上昇に転じ、1月には確かに跳ねています。
但し、個人的にはまだ杞憂レベルではあると思いますけど。。。
投稿: 田中 | 2013年1月28日 (月) 00時06分
田中様
コメント、ありがとうございます。
10年もの日本国債のCDSは2012年12月28日で
136.835。
先週金曜日(1月25日)で
126.56。
つまり1月25日の方が12月28日より低くなっています。
もっとも1月16日は高くなりました(147.14)が、
12月後半(16日~28日)と1月前半(1日~15日)とを比べてみると、
ここでも、むしろ1月の方が低くなっています。
グラフで見る限り、10年ものを使っても、野口さんの「CDSは今年の1月には急上昇しています」との説明は正しくないと思います。
なお2011年10月には202を超えていたので、ここ1年3ヶ月くらいは趨勢としては右肩下がり
です。
投稿: 岩崎 | 2013年1月28日 (月) 00時29分
岩崎様
コメント頂き、ありがとうございます。
私も個人的には野口さんのコメントはいたずらに危機を煽っている感があり、適切ではないと思います。
しかし、日本国債10年のCDSチャートを見る限り、直近の時間軸(2012年11月~2013年1月中旬)では以下のことが言えるのではないでしょうか?
①安値を切り上げて上昇トレンドにある
2012/11/08:102.64
2012/11/30:115.48
2012/12/18:124.12
2013/01/07:125.60
②1月の前半で約15%程、急上昇している
2013/01/07:125.60
2013/01/16:147.14
※ いずれも以下のサイトを参照
http://www.bloomberg.co.jp/apps/cbuilder?T=jp09_&ticker1=CJGB1U10%3AIND
野口さん日経ヴェリタス(1月27日発売)の記事のなかで、「1月に入って、急上昇し」とコメントしており、インタビューが1~2週間以内に行われているであろうことに鑑みると②の現象を指していると思われるのですが如何でしょうか?
当方、金融関係の人間でもなくまったくの素人的な意見ですが、コメントを頂けると幸甚です。
また、繰り返しになりますが、長期的に見ると問題にするほどの上昇ではなく、野口さんのコメントは不適切だと思っています。
以上、よろしくお願い致します。
投稿: 田中 | 2013年1月29日 (火) 23時31分
田中様
コメント、有難うございます。
田中さんのおっしゃるように野口さんはおそらく10年物の1月16日の高値(147.14)に着目されて『1月に入って・・急上昇している』とコメントされたのでしょうね。
(以下、ご参考までにですが)
私はCDSのトレードの経験がないため確たることは言えないのですが、CDSの取引データはブルームバーグだけでなくマークイット・グループ、QUICKなどでも見ることができるようです(同じ日経ヴェリタス紙の36頁に載っています)。
CDSについては、私はこれまで金融関係の記事や本などで読むことが多く、あくまでもその範囲内での話ですが、5年物を使って説明しているものが多いようです。(たとえば社債のCDSになりますが、こちら:
http://www.j-cds.com/jp/)
1月25日のブログで紹介した『CDSのすべて』という本にもいろいろな事例が出てきますが、5年物を使っています。各国のCDS値を比較するドイチェ・バンクのこのサイトもすべて5年物です。
http://www.dbresearch.com/servlet/reweb2.ReWEB;jsessionid=B9624E495E2B6EC9CB4E070DF57D8D35.srv-loc-dbr-com?rwnode=DBR_INTERNET_EN-PROD$NAVIGATION&rwobj=CDS.calias&rwsite=DBR_INTERNET_EN-PROD
ということで、(推測ですが、おそらくは)CDSについては5年物の取引が多いのかもしれません。
ただしCDSとは別に、JGB(日本国債)のトレード自体はおそらくは10年物の方が多いでしょうから、野口さんは10年物を使われたのかもしれません。1月16日や17日がなぜ高くなったのか、そしてそれがすぐ下落して落ち着いてしまったのはなぜか、トレーダーならこの辺の説明がもう少しきちんと出来るのかもしれません。
あまりお役にたてず申し訳ありません。
なお以上の諸点についてはいずれCDSのトレーダーに確認し、もう少し知識を深めた上で、1~2か月のうちにはブログにアップしていきたいと考えています。
どうぞよろしくお願いいたします。
投稿: 岩崎 | 2013年1月30日 (水) 01時00分
岩崎様
ご丁寧なレスありがとうございます。
また「5年もの vs. 10年もの」の記事のなかで詳細な追加説明を頂き、勉強になりました。
紹介されている本(CDSのすべて)を読んで、少し勉強してみようと思います。
ありがとうございました。
投稿: 田中 | 2013年2月 2日 (土) 23時08分
田中様
こちらこそ有難うございます。
田中様にコメント頂き、いろいろと勉強することが出来ました。
引き続き宜しくお願いいたします。
投稿: 岩崎 | 2013年2月 2日 (土) 23時35分