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2013年2月 6日 (水)

IR

今日の日経新聞夕刊の「こころの玉手箱」。

久しぶりに読ませるコラム記事だった。

JALの植木社長がIRでニューヨークの投資家を訪問した時の話。

ちなみにIRとは、インベスター・リレーションズ (IR:Investor Relations)の略で、Wikipedia では、企業が投資家に向けて経営状況や財務状況、業績動向に関する情報を発信する活動と定義されている。

以下、夕刊のコラムで植木さんが書いたことをかいつまんで引用(青字部分)すると:

ある投資家を訪れた際、

「別れ際に『Last 10 minutes for you (あと10分、ご自由に発言を)』と求められた。

『ウチの株を買ってもらえるか、これで決まるな』。

そう確信すると用意した収支計画書ではなく、自分なりの言葉で会社の将来像を伝えようと努力した。

地域におわびをしながら2割強の路線を整理したこと、4万8千人いた社員の約3分の1が会社を去ったこと、そして空の安全に終わりはないこと―。

伝えたかったのは再建への誓いでもある。だからこそ私たちは慢心してはならない」

これを読んだ企業のIR担当者、投資銀行家、バイサイドの機関投資家は感銘したに違いない。

私もこうした『あと10分、ご自由に発言を』の場面に何度か同席したことがあるが、通常日本の大企業の社長は『お会いできて嬉しかった』とか、『来期の経営環境に対する見方はこうだ』といった程度のことしか言わない。

株を買ってくださいという意気込みが感じられないのだ。

この辺が米国企業の社長との大きな差だった。

実は、上述したWikipedia の定義はどこかおかしい。情報を発信する活動というと、なにか啓蒙活動の一種のようだ。

投資家に事業の計画を説明して株を買ってもらうことは、資本主義の原点。

企業にとってもすべての企業活動の出発点のはずだ。

日本でも植木さんのような社長が現れた。

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コメント

さすがは、剣戟の大スター・片岡千恵蔵の子!ここ一番、勝負所の勘所がわかっている感じですね。千恵蔵の殺陣はスピード感こそなかったものの、「型」の美しさでは当代一と言われました。「ここで、コレを言う。この見せ場では、必ずコレを言う」というのが大得意で、相手を上回る迫力で迫りました。スクリーンで綺羅を飾った際のDNAが受け継がれたのでしょうか。

投稿: 神保町 | 2013年2月 7日 (木) 10時40分

植木さん、子役としての映画出演経験もあり、

「泣く場面を収録するとき泣けなかった。するとおやじに思い切り頬を叩かれたんです。それで、もう映画に出るのは止めようと思いましたね」

と語ったとか・・(文芸春秋、およびウィキペディア)。

投稿: 岩崎 | 2013年2月 7日 (木) 11時26分

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