日銀のBS(その2)
本日は衆議院で黒田総裁候補の所信聴取が行われました。
さて昨日の続き。
日銀が保有する国債119.9兆円のうち27.9兆円は国庫短期証券。
国庫短期証券と普通国債との関係ですが下記の表が分かりやすいです。
表はクリックすると大きくなります。
オリジナルは『こちら』。
政府が発行し市場(日銀、民間銀行、その他)で保有されている普通国債の残高は3月末で709兆円と見込まれますので、日銀が保有するのは13%ということになります。
黒田総裁候補は衆議院で総裁に就任すれば、より長期の国債も購入対象とする(注:現状基金は残存1~3年のものを対象)ことを考える旨を発言。
それではそもそも709兆円の国債の残存期間はどのように散らばっているのかというと下記の通り。
表はクリックすると大きくなります。
オリジナルは『こちら』。
これを見ると償還となっていない普通国債709兆円の6割以上が残存期間3年超であることが分かります。
基金はこの6割以上のところも対象に含めて購入していくべきというのが黒田候補の考えのようです。
白川総裁のもとでの日銀による資産購入計画を見てみましょう。
実は昨年の9月以降、日銀は資産購入を次のようなペースで強化してきました。
2012.9.19 +10兆円 これにより13年末の基金残高は80兆円。
2012.10.30 +11兆円 これにより13年末残 91兆円。
2012.12.20 +10兆円 これにより13年末残 101兆円。
黒田候補は現在の緩和策を十分でないと評価しましたが、3ヶ月で+31兆円の上乗せはかなりのハイペースであったと見ることもできます。
惜しむらくは、もう少し早めに取り掛かるべきであったのかもしれないことと、マーケットへの発信の仕方に工夫の余地があったのかもしれない―そんな印象を持ちます。
| 固定リンク
コメント