消費者物価上昇率
本日の日経朝刊記事(1面)にあるように世界各国で物価がなかなか上がらなくなってきています。
そんな中、日本は依然としてデフレ。
4月26日に発表された3月のCPI(消費者物価指数;生鮮食品を除くベース)は前年同月比▲0.5%(『こちら』)。
5ヶ月連続のマイナスでした。
4月のCPIは今週金曜日(5月31日)に発表されますが、はたして少しは改善するでしょうか。
日銀が現在考えるシナリオは4月26日に『経済・物価情勢の展望(2013年4月)』として公表されています(『こちら』)。
これによると政策委員の大勢見通しは
2013年度のCPI上昇率(%) +0.4~+0.8(各委員見通しの中央値+0.7)
2014年度のCPI上昇率(%) +0.7~+1.6(各委員見通しの中央値+1.4)
2015年度のCPI上昇率(%) +0.9~+2.2(各委員見通しの中央値+1.9)
「大勢見通し」の数字は9人の政策委員が出した数字のうち一番下と一番上の数字を除いた上で幅を示したもの。
中央値とは9人の数字を上から下に順に並べて5番目の数値という意味です。
中央値が上限の方に近くなって現れているのが興味深いところ。
なお上記の2014年度、2015年度の数値は消費税引き上げの影響を除くベースです。
日銀が考えるようなシナリオで物価が上昇していけば良いのでしょうが、民間の研究所などはこの日銀のシナリオはかなりハードルが高いと見ています。
ニッセイ基礎研究所経済調査室長の言葉を借りれば、日銀の見通しは「蓋然性の高い見通しというよりは目標に近い」(注:下記の出所参照)。
問題はデフレ脱却が日銀シナリオ通り進まないことが明らかになったときです。
今から取り越し苦労する必要はないのかもしれませんが、このとき日銀は更なる金融緩和に打って出るのか、あるいは政府は消費税増税実施を1年先送りするのか・・。
なお民間研究所の見方として、ここではみずほとニッセイのものを下記に上げておきます。ほかにもいくつかありますのでご関心のある方は検索をかけて調べてみてください。
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コメント
いつも楽しく拝見しております。
本当に驚きました。
安倍首相の経済ブレーンのお一人(というよりも要でしょうか)である浜田宏一氏が、ブルームバーグのインタビューで、「物価目標2%はAuxiliary Goal」、すなわち2%は補助的な目標だ、おっしゃっています。
そして、最も重要な目標は、雇用と生産だ、とも。
これが浜田氏のご本意だとするならば、(昨年から)当初主張されていたようなインフレターゲット論とは矛盾するように思います。
要するに、物価目標達成しなくとも、例えば、デフレから脱却しなくとも、雇用と生産が回復しさえすればアベノミクスは成功だということなのですから。
これは、「不景気の元凶がデフレである」というわけではない、とお認めになったようにも考えられますので、非常に興味深いご発言だと思う次第です。
投稿: キセン | 2013年5月28日 (火) 16時05分