日本株の上昇余地
昨晩出演した日経ヴェリタス・トーク(21:15~21:30)。
番組で曽根さんからの最後の質問は
「日本株はまだ上がるのか?」
これに対する私の答えは
「まだ上がると思う」
こう答えたうえで、
「今月に入って企業が発表する決算を聞いていると内容の良いものが多い」
旨を説明しました。
具体的にはトヨタの決算をベースに当社の株価はどこまで上がりうるかを話したのですが、番組の終了時間が近づき、かなり簡略化した説明になってしまいました。
以下ここでもう少し詳しく説明します。
まずトヨタが出している今年度の利益予想は
営業利益で1兆8000億円、
当期純利益で1兆3700億円。
これは為替レート1ドル=90円を前提としている。
ここで(1)今年度の平均為替レートを102円と仮定する、また(2)1ドル=1円円安になることでトヨタの営業利益は400億円上乗せされる(アナリストの一般的な見解)と仮定する。
すると今年度営業利益は:
1兆8000億円+(400億円×12)=2兆2800億円
このときの当期純利益は(営業利益に対する当期純利益の比率が等しいと仮定)
1兆3700億円×2兆2800億円÷1兆8000億円=1兆7353億円
これを株数で割る(自己株式を引いた後の株数=31億6743万株)
1兆7353億円÷31億6743万株=547円(1株当たり予想利益)
ここで現在のトヨタの株価6,590円と現時点での会社発表予想利益1兆3700億円をベースにPERを算出すると:
現時点でのPER=株価÷EPS(1株当たり利益)=6,590÷(1兆3700億円÷31億6743万株)=15.3
こうして得られたPER=15.3をベースに、新しい1株当たり予想利益(102円の為替レート)を使って株価を算出し直すと:
547円(1株当たり予想利益)×15.3(PER)=8,300円(100円未満切り捨て)
なおアメリカの実証研究論文では「歴史的にPERは14」とするものが多い。
よってPER=14を使って株価を計算すると:
547円(1株当たり予想利益)×14(PER)=7,600円(100円未満切り捨て)
つまりPERを使って、1ドル=102円の為替レート下での株価を算出すると:
8,300円とか7,600円といった株価にたどりつきます。
テレビではこの辺の計算式を飛ばして(時間の関係で)結論だけを話しましたが、
要は、決算発表の数字を会社毎に注意深く見ていくと、まだ株価上昇の余地のある企業が多くあることが分かります。
なお番組の再放送は本日13:40~13:55。
日経CNBCチャンネルです。
| 固定リンク
コメント