7年間不変
(1)GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)
GPIFの基本ポートフォリオは過去7年間変更していないとのこと。
5年に1度の見直しなので、今後見直しされるとしても実施は2015年度以降(本日の日経記事参照)。
現在の資金規模114兆円。
現在の基本運用割合は国内債券67%、国内株式11%など。
前回のブログ記事にコメントを寄せていただいたkaitoさんの指摘するように、5月第4週では信託銀行が4570億円ほど株式(現物)を売り越しており、このことが23日の相場下落に大きく影響したと考えられます。
その背景にあると考えられるのはGPIFによるリバランス。詳しくは前回記事のコメント欄をご参照ください。
それにしてもGPIFは114兆円という巨体。
それだけに相場に与える影響は大きなものがあります。
(2)日銀によるETF購入
日銀によるETF購入は現状年1兆円。
「米国のFRBが年48兆円のMBSを購入しているのに比べると、日銀によるリスク資産(ETF)購入は見劣りする」と4月9日のブログ記事で書きました(『こちら』)。
6月10日-11日の金融政策決定会合で、日銀はこの見直しを行うかどうか、注目しています。
(3)米国での新車販売(5月;対前年同月比)
日産が健闘、トヨタは他社に比べれば期待外れでした。
GM +3.1%
Ford +14.1%
Chrysler +11.0%
Toyota +2.5%
Honda +4.5%
Nissan +24.7%
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コメント
いつも楽しく拝見しております。
日銀のETF買いをさらに増額せよとのご指摘だと思うのですが、反対であります。
これをもって日銀による実需創出策とおっしゃるのであれば、すでに成長基盤融資があります。
巷間FRBによるMBS購入に対し批判が少ないのは、FRBをして法的に「雇用創出」を使命とさせているからで、MBS購入による実需創出(住宅購入支援策とそれに伴う雇用創出策)が期待しうるからなのだと思います。
一方、日銀によるETF購入には、そのような実需創出のトランスミッションメカニズムが見えにくく、また、そもそも日銀には雇用創出の使命はなく、おそらく黒田バズーカ砲においても、この点を考慮しての購入総額の算出だったように思います。
また、これ以上の日銀によるETF購入増額は、現在の国債市場のように、日銀が「池の中の鯨」と化して、ことさら株式市場を混乱させることは、国債発行額よりもはるかにETF発行額のほうが少ないことからして明白であると思うのですが、いかがでしょうか?
投稿: キセン | 2013年6月 4日 (火) 22時50分
キセン様
コメント、有難うございます。
おっしゃるように中央銀行の役割は国ごとに異なっており、FRBに期待されている役割と日銀に期待されている役割とは、(一致する部分ももちろん多いのですが)完全に一致するわけではありません。
更に付け加えれば、日銀による4月の緩和についても賛否があることと思います(主な反対意見としては①副作用が大きい②そもそも効かない)。
そういった中で政府・日銀は敢えて冒険をおかしているわけですが、それは15年間続いてきているデフレを克服しないと、日本経済の展望が開けないといった認識があるのだと思います。
私が日銀によるETF購入を増やした方がいいと考える理由は次の通りです。
(1)どうせ(大胆な金融緩和当という)苦い薬を飲むのであれば、副作用だけに終わらせるのでは意味がない。4月26日発表のCPIは▲0.5%、5月31日発表のCPIは▲0.4%。日本は引き続きデフレです。日銀が国債を引き受けても民間銀行が日銀に持つ当座預金残高が増えるだけで私企業への融資としてマネーが回っていきにくい・・。そうであれば、日銀がリスクマネーを直接引き受ける形で、マネーを市中に直接回すことも行うべき。
(2)日銀によるETF購入は市場での健全な株価形成をゆがめます。そういった意味で副作用は大きいのですが、15年間も続いてきたデフレに打ち勝つのは容易ではありません。スティグリッツではありませんが、「さっさとデフレを終わらせてしまう」ことが重要だと思います。そうでないと、例えば①大学生が就活に忙しくまともな勉強もできない②たとえ就職できても派遣のステータスでなかなか正社員になれないといった形で、若い世代へのシワ寄せが続く・・こういった状況がいつまでも続き(場合によっては)更に悪化していってしまうことが懸念されます。
いずれにせよ国の財政も疲弊し、金融政策もゼロ金利下で効きにくくなっている中での「壮大な実験」が行われていることは確かです。
投稿: 岩崎 | 2013年6月 4日 (火) 23時50分