How much is enough?
「How much is enough? (いったい幾らお金を儲ければ気が済むんだい?)」
これは映画「ウォール街」(1987年)で、若き証券マン・バドが億万長者ゴードンに投げかける言葉。
「When does it all end?
How many yachts can you water-ski behind?
How much is enogh?」
とセリフが続きます。
「いったい終点があるのか(行き着く先は何なんだ)
何隻のヨットを従えて水上スキーをするというんだ
いったい幾らカネがあれば気が済むんだ」
とでも訳すのでしょうか。
さて話は変わりますが、この「How much is enough?」をタイトルにした本が、スキデルスキー親子が書いた上記の本(『こちら』)。
父親のロバート・スキデルスキーは英国の経済学者、歴史学者ですが、20年間を費やしてケインズの伝記を書いたことでも知られています(この伝記はWolfson History Prize、Duff Cooper Prize などを受賞)。
『こちら』にこの本(How much is enough?)に関するニューヨークタイムスのBook Review のリンクを貼っておきますので、ご関心のある方はご覧になってみてください。
スキデルスキー親子のこの本でも触れられていますが、1930年、ケインズは『Economic Possibilities for our Grandchildren(わが孫たちの経済的可能性)』と題するエッセイを著しています。
たった7頁ですが、ケインズの思考が分かって興味深いエッセイです(上記をクリックすると全文が読めます)。
ケインズはこのエッセイで、2030年には人々は週に15時間働くだけで生活水準を維持できるようになると書いていますが、はたして人々は自由な時間を潤沢に持つようになるとどういった行動を取るようになるのでしょうか。
彫刻や音楽などの芸術の道に進むのか、それとも overeat (過食)や飲酒、sleep late (寝坊)に終わってしまうのか・・・。
その昔、イギリスの貴族の「preferred leisure activities」は、hunting、gambling、seduction だった(上記NYタイムス Book Review)と言いますが・・。
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