GPIF
日経CNBCテレビ『日経ヴェリタストーク』に出演しました。
今回はGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)について。
私たちの国民年金・厚生年金の積立金約120兆円はGPIFで運用されています。
これに関連して、去る7月1日、「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」が開催されています(詳しくは昨日発売の日経ヴェリタスをご覧ください)。
ところで、GPIFが自主運用を開始したのは平成13年度。
この時から昨年度(24年度)まで、過去12年間の名目ベース運用利回りは、
年率平均2.0%(手数料控除後1.5%)でした。
運用対象別の年平均利回りは、国内債券1.8%に比し、国内株式は▲0.3%
(詳しくは『こちら』の資料の7頁および86頁をご覧ください)。
少なくとも過去の実績を見る限り、単純に運用対象として株式の割合を増やせば運用利回りが向上するというわけでもありません。
海外の年金基金はどう運用されているのでしょうか。
カルパース(カリフォルニア州職員退職年金基金)の場合、運用資産の65%を株式で運用しています(日本のGPIFでは今年6月7日の見直し後、内外株式の比率は全体の24%)。
その結果、カルパースのリターンは下表のように年によって変動する割合が大きくなっています(詳しくは『こちら』)。
上表は1990年から2012年までの23年間のいわば「成績表」。
この間、リーマンショックや911の同時多発テロなど、時にリターンは大きくマイナスになりましたが、過去23年間をならしてみると、年率平均約8%。
もちろん日米では物価上昇率も違いますし、比較対象の期間(米23年、日12年)も違うので、単純に8%対2%と比較することは適切ではないでしょう。
ただGPIFが運用するのは120兆円という巨額な資産。
仮に1%運用利回りが改善するだけで10年で12兆円になります。
それだけに少しでも中長期にわたる平均リターンを上げるべく、GPIFの組織・体制も含めて、日本の英知を結集させて検討してくことが必要のように思います。
番組を見逃した方は、再放送が2回あります。7月22日(月) 24:00~と7月23日(火) 13:40~です。
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