デトロイト市の破綻
デトロイト市が18日、米連邦破産法9条を裁判所に申請し、財政破綻しました。
負債総額$18.5billion(1兆8500億円)。
(Photo of Detroit, from Wikipedia)
この問題の詳細はUSA Today がQ&Aにまとめていますので、『こちら』をどうぞ。
本件は米国の自治体の破綻としては過去最大なのですが、ここでのもっと大きな問題は、
「デトロイトは始まりに過ぎないのか」
「これに続く自治体があるのではないか」
という懸念です。
(Meredith Whitney; Photo is from Wikipedia)
米国の金融に詳しい人ならメレディス・ウィットニー(Meredith Whitney;43歳)の名前をご存知でしょう。
現在はメレディス・ウィットニー・アドバイザー・グループ(Meredith Whitney Advisor Group) という会社の創設者兼CEOです。
彼女はオッペンハイマー社(Oppenheimer)のアナリストとして活躍していました。
彼女の名を一躍有名にしたのは2007年10月31日に出したレポート。
「シティー(Citigroup)は配当を出し続けられるか」というアナリスト・レポートです。
これまで米国では銀行株というと安全で配当は確実と思われていただけに衝撃的な内容でした。
その後のサブプライムローン危機、リーマン破綻(2008年9月15日)に至る経緯は皆さんの記憶に新しいところだと思います。
この結果、メレディスは2008年の「この年、もっとも活躍した人物(Power Player of the Year)」に選ばれました。
ダイモン氏(JP モルガンCEO)や、バーナンキFRB議長、ポールソン財務長官を抑えて彼女が選出されたのです(『こちら』)。
そんな彼女を再度「時の人」にしたのが、2010年12月19日に放映されたCBSの人気TV番組、60 Minutes。
この中で彼女は「全米で50から100の数に及ぶ市や町、郡が破綻の懸念にある。その結果、1000億ドルを超える損失が生じる可能性がある。これは今後12カ月の間に心配すべきことだ」と述べたのでした。
この彼女のコメントに猛烈に反発したのは地方自治体や、彼らが発行する地方債を売る証券マンたち。
メレディスが言うような破綻は「現実には起きていないではないか」というのが彼らの主張でした。
しかしここにきて、ついにデトロイトが破綻。
メレディスの予言の一部が現実化しました。
はたして彼女の分析・予想のとおり、これに続く自治体が次々と現れるのかどうか・・。
実はメレディス、先月6日にもテレビでデトロイトの名前を上げながら破綻の可能性があると述べていました(『こちら』で見ることができます)。
このときデトロイトのほかにもいくつかの自治体の名前が上げられていましたが、はたして今後どうなるのか。
いずれにせよメレディスは全米のメディアで再び引っ張りだこになりそうです。
興味のある方は先月4日に出版された彼女の本を読むといいと思います。
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