2つの講演
たった1冊の本が人生を変えるようなインパクトを持つことがあります。
私の場合は、種田輝豊著『20カ国語ペラペラ』。
手にしたのは確か高校1年の時。
それまではどちらかと言うと苦手科目だった英語。
この本で20カ国語も喋る人がいるのを知って、
「たかが1カ国語ぐらい」
という気持ちになりました。
そして著者の種田さんが高校時代にAFS留学したのを知り、私もチャレンジしようと思ったのです。
それから30数年。
私自身が本を書くようになって心に留めていること-
それは「たとえ一人であっても読む人の心に届く本を書く」というものです。
* * * * *
講演についても同じかもしれません。
私の大学院生(スタンフォード・ビジネススクール)時代には教授たちが多くのゲストスピーカーを呼んでくれました。
そのうち8割くらいは今となっては名前も顔も忘れてしまいました。
しかし印象に残っている2~3名の人たち、その人たちの言葉は、その後の自分の人生において勇気づけてくれたり、重要な示唆を与えてくれたような気がします。
* * * * *
さて・・・。
前置きが長くなりました。
今度は自分が講演する番です。
「たった一人であっても聞き手の心に届けば・・」
やはりそんな気持ちで、埼玉大学(24日、木曜日)、国際教養大学(25日、金曜日)と、連チャンで講演をしてきました。
埼玉大学では教養学部「グローバルビジネス論」の講座で投資銀行ビジネスについて話しました。
この講座を教える浦出隆行客員教授はハーバード大学ケネディスクールの卒業(Public Management (公共管理学)修士)。
浦出さんの講義自体は基本英語で行っているようで、ゲストスピーカーも英語で講演する人と日本語の人、ほぼ半々のようなのですが、私はちょっと怠けて、写真のように日本語で講演しました(学生は全員日本人か日本語が流暢な留学生)。
翌日は秋田に飛んで、国際教養大学(AIU)。
この大学は就職難の今の時代に就職率98%以上を誇る大学としても有名です。
(今年の就職内定先企業一覧を見せてもらいましたが、見事なまでに日本の一流企業の名が並んでいました)
AIUでは1年生の時は全学生が寮で生活することを義務付けられ、それも基本、他国からの留学生とルーム・シェアすると言います。
また4年間の間に必ず1年間は海外に留学することも義務付けられているとのこと。
大学全体の学生数は825名。
このほか現在28カ国から181名が留学生としてやってきてこの大学に通っているとのことで、キャンパスは国際色豊か、日本の大学という感じがしません。
写真は蔵書7万冊(うち洋書4.6万冊)を誇る図書館。
1年365日、1日24時間、開館しているとのことです。
さて一昨日はこの大学の起業家論の講座(Entrepreneurship Course)のゲストスピーカーとして講演しました。
この講座を教える須賀等客員教授はハーバード大学ビジネススクールの卒業(MBA)。
私の講演の前の1時間半は須賀さんが英語で授業していたので、一昨日はこれをまず拝聴しました。
講義はハーバード・ビジネススクールのケース(Noodles & Company)を使いながら、ビネススクール同様、クラスパティシペーション形式で進行(30名弱いる受講生は11カ国にまたがるとのこと)。
Noodles & Companyのケースに関してみんなでいろいろ議論しながら、最後に、
「それではNoodles & Companyは現実にはいったいどうなったのか」
という結論の出し方。
これはまさにハーバードやスタンフォードのビジネススクールの授業そのものといった感じ。
日本にいながらハーバードやスタンフォードと同様なケーススタディ形式の授業(それもハーバードで現在使われているケースそのもの)を経験できるとは・・・!
今の学生は幸せだと思いました。
* * * * *
さて須賀さんの授業の後は10分間の休憩をはさんでいよいよ私の講演。
上記のような英語のスライドを54枚用意しましたが、今の私にとっては1時間半英語で話し続けるのは相当大変でした。
自分で望んでいたレベルの半分にも達しない、たどたどしいプレゼン・・・。
なお日本人学生が受講生の9割以上を占めた埼大での講演ではほとんど質問が出ませんでしたが、11か国の学生が集まった国際教養大学では次から次へと総勢10名くらいが質問してきて、最後は時間切れのため質問を打ち切りにするといった状況。
国民性の違いを感じました。
(追記)
AIUでの講演の模様を須賀さんに送ってもらいましたので、以下にアップいたします。
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