「30年後、40年後」の日本
増田寛也元総務大臣を座長とする「日本創成会議・人口減少問題検討分科会」が発表した試算 (『こちら』なお「要約版」は『こちら』) が話題となっています。
全国1800市区町村の49.8%に当たる896自治体で、子どもを産む人の大多数を占める「20〜39歳の女性人口」が2010年からの30年間で5割以上減るとの内容。
日本創成会議では、これら896自治体を「消滅可能性都市」と位置付け、有効な手を打たなければ将来消える可能性があると警鐘を鳴らしています。
この中には東京23区で唯一豊島区が入っていることから、「豊島区は池袋を擁するのにおかしい」といった批判が寄せられているのだとか(『こちら』)…。
『こちら』に創成会議発表の詳しいデータが載っていますが、試算によると若年女性変化率が高いのは、東京23区では豊島区(▲50.8%)に続いて、足立区(▲44.6%)、杉並区(▲43.5%)など。
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ところで例えば40年後の世界を想定するとき、確実に分かることがあります。
それは40年後の40歳の人口は、(移民が入ってくることを想定しなければ)今年1年間で生まれてくる赤ん坊の数を上回ることはできないということです。
日本創成会議の試算は、地方から大都市へといった人口動態の変化にも着目したことから、「豊島区が入っているのはおかしい」といった突っ込みどころもあるのかもしれません。
しかし日本全体で見れば人口の減少と高齢化がかなりの確度で分かってきます。
日本創成会議の試算でも使われた国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計データで、2055年(今から約40年後)の日本を見てみましょう。
日本の人口は現在の127百万人に比して28%も減少して、92百万人。
とくに18歳~34歳の人口は、23,603千人→12,981人とほぼ半減します(注:現在の人口は総務省統計局のデータ)。
このときの日本は同時に、65歳以上の人たちが国の人口の39.4%を占めるという超高齢化社会になっています(18歳~34歳の人口は全体の14%にすぎない)。
国立社会保障・人口問題研究所の将来人口推計データで、もう少し将来までストレッチしてみてみましょう。
今から96年後の2110年。
国の人口は43百万人(現在の約3分の1)。
65歳以上が41.3%を占め、18歳~34歳の人口は、現在の4分の1の5.9百万人しかいないという社会が出現します(『こちら』の参考表1-1および1-3)。
今年生まれてくる赤ん坊はこういった社会を見ることになるかもしれないのです。
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