株式相場
明日は6月30日。
早いもので、今年もそろそろ半分が終わろうとしています。
改めて、「株式相場を見通す」というのは難しいものだと感じます。
たとえば今年の初めに日経新聞が経済界の首脳20名に対して行ったアンケート調査。
2014年の1年間を通じて日経平均が14,000円割れとなることも有り得ると予想していたのは4名。
しかし、実際にはすでに4月11日~15日にかけて日経平均は14,000円割れとなってしまいました。
(上記は終値ベースの話。時間内取引ベースでは5月19日にも一時ですが14,000円割れ)。
「たかがアンケートじゃないか」と思われる方もいるかもしれません。
しかし日経新聞に各社社長の写真とともに見通しが載るものですから、どこもそれなりに「社の英知を結集して」対応しているようです。
たとえば金融機関のA社では社長秘書室に送られてきたアンケート用紙は、経済調査部長に送付され、部内での議論を経て回答原案が練られる…。
そしてそれは、部長→担当常務→社長へと報告・決裁されていくといった感じ。
にもかかわらず、「14,000円割れも有り得る」と予想したのは20名中4名、つまり打率2割といった状況です。
このなかで新聞のアンケート欄の一番上に出ているダイキン工業の井上会長は、「14,000円割れ」の時期まで「4月」とピタリと当てられています。
* * * * *
実のところ今年の相場はそんなに大きなブレもなくこれまで推移してきており、例年に比べて見通すのが比較的簡単でした。
4月に消費税増税があるのは年初から分かっていましたし、2~3月には駆け込み需要があるのも見通せました。
そして4月の増税後のシナリオですが、当初から次の2つの何れかになると考えられていました。
(1)増税の影響はさほどひどいものではない(→株価は徐々に持ち直し)
(2)増税の影響で景気が冷え込む(→日銀が追加緩和へ)
つまりどちらのルートを辿ってもさほどひどいことにはならないと考えられていたように思います。
思えば、政府・日銀は、日銀による追加緩和のほかGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)による運用見直しなど幾つかの「相場テコ入れ手段」を持ち合わせています。
ある意味、「官製相場」の様相も呈しており、極端な下振れリスクがないまま、これまで推移してきているのです。
以下は先週の週刊エコノミスト(7月1日号)の一節。
『いま市場では、これが合言葉だ。
「当面、ABEに逆らうな」
外資系証券の幹部は、ニューヨークやロンドンとの電話ミーティングで、こんな運用方針を打ち立てたと明かす。
「ABE」とは、もちろん安倍首相のことだ。
その安倍首相に逆らうなとは
「政治力を総動員してアベノミクスが目指す脱デフレ、日本経済再生は、純粋な経済要因で物事は動かない。完全に政治要因で動く。『官製相場』に刃向かっても何の得にもならない」
と、同幹部は解説する』
たしかに、これが平均的な「ガイジン」たちの「いまの日本株」に対する見方だと思います。
しかし、同じく週刊エコノミストから:
『公的マネーの押し上げによる「官製相場」には、危うさがつきまとう。
「GPIFの運用規模がいくら巨額といっても、いつまでも国内株買いが続くはずがない」(大手証券ストラテジスト)。
市場関係者が懸念するのは、まさに持続性だ。
……日米欧の先進国も新興国も景気の足腰が本当に強いわけではない。
ちょっとしたショックで、大きく揺さぶられる状態だ。
その中での官製相場はひときわもろいと言わざるをえない』
さてこれから半年、残りの2014年には株式相場どう動いていくのでしょうか…