読書感想文
最近読んだ本の感想文を2つ。
マネーロンダリングやファンドマネージャーの死を題材とする小説。
マネーロンダリングでは、ひと昔前になりますがクレディ・スイス香港や五菱会絡みの事件がニュースになりました(元行員の道傳篤氏についてはその後無罪となったと報じられています;『こちら』)。
またファンドマネージャーの死と聞いて思い出すのが、スイス在住の資産家、霜見誠氏(51)と妻、美重さん(48)の遺体が2013年1月に埼玉県内で発見された事件(『こちら』)。
橘氏の小説は、おそらくはこういった事件にヒントを得て書かれたのでしょうが、小説に類する事件が現実に起きていることを思い起こすと背筋が寒くなります。
とくに霜見氏殺害にはいろいろな背景がありそう(『こちら』)。
なおアマゾンの書評で知ったのですが『タックスヘイヴン』フォトツアーというサイトに行くと、小説の舞台となったところの写真を54枚ほど見ることが出来ます。
【2】牧野知弘『空き家問題』
7月2日の日経新聞(24面)でも空き家問題が特集されていました。
本書によれば、日本の現在の空き家率は13.1%。
東京オリンピックが開かれる2020年(今から6年後です)。全国の空き家は1千万戸に達し、空き家率は15%に上ると言います。
さらに野村総研の推定によれば、今後も平成15年当時と同じ年間120万戸の住宅が新たに着工されていくのならば、2040年には空き家率は43%に到達(本書67頁)。
「お隣りは空き家」状態が訪れることになります。
空き家はご近所に迷惑だからと解体更地化すると固定資産税が6倍に跳ね上がるとか…(本書76頁)。
税制の問題も複雑に絡み合っています。
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