アメリカ住宅事情
1983年1月~87年10月まで4年9カ月にわたってシカゴの郊外に住みました。
上の写真は当時住んでいた家。
グーグル・アースで検索して入手(Street View)した写真です。
厳密には、私が住んでいた頃と比べて2階の窓が増えたり、ガレージの戸が2つに別れたりと、少し改装されています。
当時、家主はブッシャーさんというユダヤ人でした。
ブッシャーさんの職業はビルダー(Builder; 日本で言うと小規模工務店に近い)。
自分で家を建てては貸家にし、当時すでに10軒以上の貸家をシカゴ近郊に持っていました。
さて、いよいよ私が日本に帰ろうとするとき(87年10月)、ブッシャーさんがやってきて、こんな話をしました。
「約5年間、ひじょうに綺麗に使ってくれて嬉しく思う。
ところでお望みならこの家は、あなた、もしくはあなたの勤める銀行に売却してもいい。
12万ドルでどうだろうか(注:当時の為替レート1ドル=145円で換算すると17百万円)」
87年10月というと、日本ではすでに土地バブルが始まっていました。
写真の一戸建てが17百万円というのは、日本と比べるとひじょうに安く感じましたが、シカゴは冬が寒くて長いし、雪かきもたいへん。
いくら安く感じても自分で買う気にはならず、いちおう銀行(日本の本店国際管理部)にも話を上げてみましたが、
「支店長社宅ならともかく、若い人の住宅を銀行が買うことはあり得ません」
と取り付く島もありません。
結局ブッシャーさんにはお断りしました。
さて、この家はいまいくらで取引されているだろうか…
こう思って調べてみると、Zillow という不動産サイト(『こちら』)の推定では現在の推定価格は92万ドル(1ドル101円で計算して93百万円)。
実際にこの家は今から9年前、2005年4月26日に、78万ドル(1ドル106円で換算して、83百万円)で売買されたというパブリック・レコードも出てきます。
上のグラフはZillowによるこの家の推定価格推移と実際の(過去の)取引価格。
リーマンショック前は110万ドルを超えていたことが分かります。
単純に27年前(1987年)と現在を比べると7.6倍(92万ドル÷12万ドル)。
この間、日本の公示地価は半分以下に下落(『こちら』)。
念のため同じ期間の株の動きも見ておきましょう。
1987年10月1日→2014年7月10日にかけて、米ダウ平均株価は6.4倍(2,639ドル→16,875ドル)になり、一方の日経平均は4割強の下落(25,721円→15,216円)となっています。
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