微妙な温度差
ここ数週間、とくに9月29日以降の株式相場の動きを見てみると、米ダウ(下図の青線)以上に日経平均(下図の赤線)の下落がきつくなっています。
これについてはいろいろな解説がなされています。
そのどれにも一理あるのでしょうが、私には黒田日銀総裁と政府との間の微妙な温度差が影響しているように思います。
黒田氏:110円を超えるような円安であっても、さほど懸念しない。2%のインフレ達成(デフレ完全脱却)を優先すべき
政府:急激で過度な円安によって影響を受けるセクターもあるので注意深く見守る
厳密にコメントを読みこんだわけではありませんので、実際のコメントは上記とは若干の違いがあるかもしれません。
ただマスコミで報じられた両者のコメントはおおよそ上述のようなニュアンスではないでしょうか。
その結果、市場は両者の間の微妙な温度差を感じ取ったのではないかと思います。
もし仮に「政府と日銀が必ずしも一枚岩ではない」とヘッジファンドあたりが感じたとすると、彼らはその間隙をついてくる可能性も出てきます。
それにしても第一次小泉内閣のときには1ドル=134円80銭(TTM;2002年1月25日)をつけたこともあります。
110円というのはほんとうに憂慮すべきような「円安」なのかどうか…
当時の年間平均為替レート(TTM)を調べてみると:
2001年 1ドル=121.59円
2002年 125.18円
2003年 116.00円
2004年 108.23円
となっています。
(追記)
この記事を書いてから約2時間後、ニューヨークダウは460ドル安まで下落、その後、戻して結局前日比173ドル安で昨晩(米国時間15日)の取引を終えました。
為替は下記のように一時105円台前半まで円高に振れましたが、いま(日本時間16日、午前7時20分)は105円80銭前後。
この日発表された米国の小売売上高の統計数字が悪く、「世界経済を牽引すると期待されていた米国経済が、逆に世界経済減速の影響を受けている」と市場は意識したとの解説ですが…
今晩(米16日)はゴールドマン、グーグルなどが第3四半期の決算を発表します。
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