不屈の春雷
いまからちょうど50年前の今日です。
以下は私がいま読んでいる本の出だしです。
『東京オリンピックの開会式を9日後に控えた昭和39(1964)年10月1日朝。
東京駅19番線ホームで午前5時45分から大阪行の1番列車「ひかり1号」の出発式が始まった。
紅白のモールやクス玉で華やかに飾りつけられたホームには、ブラスバンドの賑やかなマーチが、明けやらぬ薄暗さを吹き飛ばすかのようにこだまし、祝賀気分がいっぱいに漂っていた。
出発1分前の発車ベルと出発の警笛。
石田礼助総裁が紅白のテープを切るのと同時にクス玉が割れ、50羽のハトが羽ばたく。』
『NHKテレビは午前5時45分から特別番組を組み、出発式の模様を東京駅から中継した。』
『東京・千駄ヶ谷の狭いアパートの1室で、口をへの字に結んで食い入るようにこの中継に見入る老人がいた。
1年半前に国鉄総裁を退いた80歳の十河信二である。』
『彼の目は無言のままテレビに釘付けになっていた。
「ひかり1号」は次第にスピードをあげ走り始める。
「これでいいんだ、これでいいんだ」。
十河は2度、繰り返すように低い声を発した。』
実はこの本を注文したのは一昨日。
昨日届いて、今朝から読み始めたところです。
そしてたまたま今朝知りました。
これはいまからちょうど50年前の今日だということを。
牧久著『不屈の春雷』。
「新幹線の父」と称された十河信二の物語です。
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