リスクヘッジのために日本車を買う
今晩は日経CNBCテレビ、日経ヴェリタストークに出演しました。
「日本株2万円を見据えての追い風とリスク」。
なお日経CNBCはケーブルだけでなく、パソコン・スマホでも見れます。
『こちら』からの申し込み(月額972円;最初の月は無料)。
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さて番組で(時間の関係もあって)触れることのできなかったことを一つ、二つ・・。
半年で50%($102→$51)も下落した原油価格。
このような短期間での激しい急落は、(40年近く金融に携わってきた私が思い起こすことが出来る限り)、過去に3回。
①1985年9月のサウジ・ファハド王の演説で始まった(85-86年の)下落
②1998年の下落
③リーマンショック(2008年9月)以降の原油価格の急速な下落
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①のとき: 産油国の旧ソ連の経済は大打撃を受け、その後のソ連崩壊に繋がっていきます。
②のとき: これも「ロシア危機」となりました(そのあおりを受けて米国のロングターム・キャピタル・マネジメントなどが破綻)。
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さて今回の原油価格下落。
欧米の専門家・マスコミの多くは「サウジの狙いは米国のシェールガス潰し」との論調のようです。
しかし、だとすると、なぜ2014年6月以降というタイミングで急落が始まったのか、という疑問がわいてきます。
シェールガスはもっと前からかなりのインパクトで生産されていたし、OPECの総会でも話題になっていました。
一方で、ロシアの人たちと話をすると、今回の原油価格下落は、サウジが次の2つを狙ってアメリカと裏で手を結んで企図したと言います。
(A)ロシア(プーチン)の拡大主義を封じ込めるため(プーチン体制崩壊を狙う)
(B)イスラム国をたたく
これだと(A)ロシアのウクライナへの拡張(侵攻)の程度に合わせる形で、一次、二次、三次と、計3回(①2014年3月、②2014年4月、③2014年7月)にわたって行われた「欧米による対ロ経済制裁のタイミング」と波長が合う・・・
更に(B)イスラム国の樹立宣言が2014年6月であることを考え合わせても、なぜ2014年6月以降に原油価格が急落していったかの説明になる(イスラム国は北西部イラクの油田を支配しそこから上がる原油を売ることで兵器購入に必要な資金を調達してきている)。
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ところで昨年の秋ころからロシアでは日本車などの外国車が売れ始めたとか・・・
なぜでしょうか。
ルーブルのまま持っていると通貨の価値がどんどん下落してしまう。
だとしたら下落が少ない外国車に変えてしまおうという発想のようです。
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1985年や1998年と違って、いまでは多くの日本企業がロシアとの関係を深め、エクスポージャー(ロシアのカントリーリスクにさらされる資産)もそれなりに持っています。
たとえばトヨタはサンクトペテルブルグに工場を持ち、2014年1月-11月の11か月間で144千台を販売(『こちら』)。日産も142千台の販売台数を享受。
万が一、プーチン体制崩壊になったりすると、思わぬ返り血を浴びるところが出てきそうです。
まぁ、心配し過ぎかもしれませんが・・。
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